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プロローグ
小さな村に住む白髪の少女はロッキングチェアに揺られながらお気に入りの本を開く。
『伝説の風の物語』と書かれた本。その内容はこのようなものだ。
魔王が支配する時代。世界の種族が魔王の力に怯え、苦しい思いをしていたある日。この世界に突然現れた少年が足の速さを生かし、魔王を退治したのだ。その瞬間を見ていた人々は彼の駆け抜ける姿を見て口々に言った。風のようだと。
闇に覆われた世界に光が照らされ、再び訪れた平和に涙を流し、少年に感謝をしようと探す。
しかし世界が平和を取り戻してすぐに少年は忽然と姿を消した。
人々はいつかまた現れるであろう少年の勇姿を忘れないため彼をこう呼んで、子孫に言い伝えた。
伝説の風。




