第四十七話 現実
ド素人が書いているこんな小説を読むために時間を使ってくれている方には本当に感謝です……。こんなこと言っておいてあれですが、これからもよろしくお願いします。
決勝の相手はファン。あの少年だ。
何者かは謎だが……まあ、それは俺も同じか。だからこそ勝てる可能性はあり、負ける可能性もある。
ダンは負けて、病院へと送られた。俺はしばらく落ち込んでいたが、観客席から唯果が声を掛けてくれたおかげで少しは前向きに考えるようになった。
そう、俺なら勝てるかもしれない。絶対に勝って、梓を無事に連れて帰る!
休憩が終わり、気合いを入れ直して戦場に足を踏み入れた。
たいちょーの準決勝が終わった後、たいちょーは一歩も動かなかった。理由は分かるし、ショックなのも分かる。
たいちょーは火星で生活していた頃の記憶が消えて、今までただの学生として生きてきた。それなのにいきなり火星の部隊長だと言われ、それでも頑張って受け入れようとしていたところなのにそれすら違う何かかもしれないと思わざるを得ない事実を突き付けられたのだ。今、他国の隊長と戦ったことによって……。
私は気付いていた。たいちょーがプールで二部隊長と戦ったあのとき、たいちょーは余裕の表情だった。
それだけでなく、私を狙おうとした二部隊長に一瞬で迫り……一突きで手が体を貫通していた。
二部隊長の強さは並みじゃない。なのにそれをいとも簡単に殺している時点で普通じゃないことは馬鹿でも分かる。たいちょ―がそのことに気がつかなかったのは、人を殺してしまった。ショックが大きかったからだろう。
そしてたいちょーは今それに気付いた。けど今は落ち込んでいる場合ではないはず。なんとかしないと。
「たいちょー!! 今は前向きにー!! 梓先輩を助けるんでしょー!? 頑張れーー!!!」
これが今私に出来る最大限のことだった。
「……どういうことだよ」
戦場に足を踏み入れた瞬間、lockerの条件が頭の中に直接流れ込んでくる。内容は……。
一、locker内で一人以上死亡するまで戦うこと。
二、能力解放。
二つ目は条件と関係はないみたいだ。
それより一つ目だ。条件が変わっている。一人以上死ななければならない。
目の前の少年、ファンがこっちを見つめる。
つまり勝つためには俺がこいつを殺さないといけない。
なぜだ、なぜまたこんな条件を出されるんだ? もしかして第二王国の仕業か!? 条件だって二つあった。それに俺の命を狙っている。梓を攫ってここに来たのもそのためか!!
てか、………………能力解放ってどういうことだ? 超能力のことか? 超能力は王族しか使えないはずだよな。おいおい、第二王国さんは俺を鬱にさせるのが好きだなあ。
……もういい、やってやるよ。これからも人を殺さなきゃならない場面なんていくらでも出てくるはずだ。でも殺すのは悪だけだ。
能力なんかなくても勝ってやるよ!!
しかし。
俺はファンに向かって一歩踏み出した直後…………うつ伏せで倒れていた。




