第四十六話 準決勝
投稿遅くてすみません……。
「……っ!!」
顔面目掛けて飛んできた拳を間一髪のところで避ける。耳元で風切り音が聞こえた。俺は距離を取ったが、すぐに差が埋まる。
気付いたときにはダンの蹴りを受けていた。
「なっ!?」
一回戦のときのように吹っ飛んで、体が壁に叩きつけられる。だがゆっくりしている暇はなく、素早く立ち上がって身構えた。痛みがほとんどない。ダンが手加減をしているのかもしれない。
顔が前を向いたときにはすでにダンがこっちに向かって走ってきていた。
ダンが殴りかかってきたが、それを躱して真正面から顔面に拳を叩きつけた。だが本気では殴らなかった。
本気でやってはいけない気がしたのだ。
一回戦のときもそうだった。イルを蹴ったとき、本気でやらなかったのにかなり効いていた。ガードをしていたから大丈夫だったとは思うが。
吹っ飛んだダンは倒れてから起き上がろうとしなかった。いや、起き上がれない……? どういうことだ……?
俺はダンに近づきながら考える。俺は本気で殴っていない。たったの一発で動けなくなるなんてことはないはず。
硬大はダンの目の前で足を止めた。そして、倒れているダンを見て驚愕する。
「……どういうことだよこれ」
ダンの顔は血だらけだった。おそらく鼻の骨は折れているが、様子を見る限りそれだけではないだろう。どうしてこんなことに。
そもそもなぜ避けなかった? 俺には記憶が無くて戦いに関しては素人だ。同じ隊長のダンが避けられないはずがない。
そのときダンの口が動いた。
「……オレは……本気…………で蹴っ……たはず……。それに……拳が見えな…………かっ……た」
隊長の全力の蹴りをまともに受けてもダメージはなく、かつ俺の拳は隊長のダンが避けられないほど速かった。しかもたったの一発でこの大怪我。そんな……、もしそうだとしたら。
「お前は……いったい……」
俺は……いったい……。
「……何者なんだ?」
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