第四十一話 二度目の火星
最近文字数増えてる気がする……
「コロシアムってなんだ? それより――――」
「緑髪種族のハーフのことだろう? 攫われたよ」
神は躊躇いもなくサラリとと言った。
攫われたって……、まさか五部か!?
それを聞こうとして口を開けたときに神が言った。
「それを踏まえてもう一度聞こう。コロシアムに行く気はないか? どういうところか一言で言うとすれば、殺し合うところ、かな」
つまり梓を攫った奴はそのコロシアムとやらに向かったということなのだろう。
どんな場所だろうとやることは変わらない。友達を死なせたくはない。
「もちろん行く。梓を無事に助けることができたらまた会おう。直接礼も言いたいしな」
「フ、いいだろう。待ってるぞ」
通話を切り、急いで準備を始めた。といっても準備するものなんて何もないのだが。
「唯果、準備終わったか?」
唯果は持ち物を確認しながらバタバタしていた。持って行くものなんてないはずなのに。
「これも持ったし、これも……あるね」
そのとき、唯果がポケットの中からある物を取り出した。持っているか目で確認するためだろう。
それは…………綺麗な石だった。
俺達は外へ出て、空を見上げる。雲一つ無い綺麗な夕日がそこにあった。
唯果にとっては絶好の跳躍日和だ。
俺は唯果の腕に掴まる。火星まで跳ぶことが出来るのは王族だけだ。
「行くよ」
唯果はそれだけ言って、勢いをつけるためにしゃがむ。
そして、思いっきり跳んだ。
火星に向かって跳んでいる最中、あることが気になっていた。
唯果は王女だ。そしてあの石を持っていた。そして、レミンは高そうな服を着ていて石も持っていた。
とするとレミンも王女なのではないのか? あの石は王族が持つべきものと考えれば、決められた人にしか与えられないというのにも納得がいく。
石を持つべき理由があるのか? ていうかなんで俺にそんなものが与えられたのか。俺は王族ではないし、ただの四部隊長だ。…………待てよ、そもそも王族にだけ与えられると決まったわけではない。あくまで予想だ。
もし俺の考えが正しければ、他の王国の部隊長にも渡されているということになる。
仮に、もしそうだとしたら俺達が石を持つ理由は? みんな知っているのだろうか。
「たいちょー、どうかしたの?」
唯果に名前を呼ばれハッとする。
こいつには話しちゃダメだからなぁ。困ったものだ。
それより、さっきまでだいぶ考え込んでいたようだ。いや、考え込むようにしていたんだ。今のこの状況を忘れられるように。だって……
「うぉおおおお怖えええええええ!!!」
宇宙を超高速で跳んでいるから。
あれ? そういえば息出来なくね? 着くのに数十分掛かるんじゃなかったっけ?
ふとした疑問を唯果にぶつけてみる。
「火星人は一時間くらいなら息を止めていられるよー、って今更!?」
「前回はlockerを止めることで頭がいっぱいだったからな。初めてで緊張したし。だからといって今回はいつも通りでいられるという訳ではないけど。……ほら、二回目だろ? だから前回よりは落ち着いてるっていうか……」
「全然落ち着いてなかったよねさっき……」
後ろを振りかえる。
そこには丸くてデカい地球があった。
こうやって地球を眺めるのもまだ二回目か。
しばらくすると火星が見えてきた。
「なあ、今回はどこに降りるんだ?」
「え? コロシアムだけど」
けっこう便利なんだな、好きなところに降りられるなんて。
そんなことを思っているうちに着いてしまった。
辺りはとても暗く、周りのものはあまり見えないが、一つだけはっきりと見えるものがあった。そしてそれが何なのかを悟った。
――――――コロシアム
古くから存在しているのか、造りは良いが少しポロい。
俺と唯果はその大きな物の入り口に向かって歩き出した。




