第二十四話 心配
次から面白くなってくる……かも。
たった今女王様から指示があった。
第四王国部隊長をlockerの中まで誘い込め、と。
条件は考えてあるらしい。
思った通り、あれだけでは詰らなかったのだろう。
問題は帰りだ。レミン様を探さなければならない。
レミン様が現在、地球で暮らしていることなんてさっき知った。
二年の間、何回も女王様にレミン様の行方を聞いたが、教えてはくれなかった。
この広い地球の中でどうやって探すのか。
はっきりいって無理だ、と思った。
しかし見つからない限り帰ることはできない。部下に探させよう。
私は動くことができないしな。
ここまで来る予定の四部隊長さんをlockerの中に誘い込まなければならないからね。
次の日、唯果が携帯電話のような物で火星にいる女王様と話していた。
「うん、そうそんな感じ。……分かった。また電話するねー」
通話が終わったらしい。
「それ携帯なの? 火星まで繋がるとか不可能だろ普通」
「火星から帰るときにお母さんから貰ったの。いいでしょー」
にひひー、と唯果は気持ちの悪い笑みを浮かべる。
「それで? どうだったんだ?」
唯果は、あ、そうだったと言って真剣な顔になる。
「第二王国が同じようなlockerを使っていたのを見たことがあるらしい。消滅させる方法は神様に一度聞いてみるって」
俺達はどうすればいいのか悩んでいた。
理由は、屋外プールにしかけられたlockerが何回も発動していたからだ。
そのせいで今、屋外プールは閉鎖されている。
「唯果、とりあえず学校に行こう。遅刻する」
俺らはいつもより静かに家を出た。
隣をみると、唯果が真剣な顔をして何か考え事をしていた。
俺はそんな唯果の頬をつつく。
「今は考え事しててもしょうがないだろ。女王様から電話くるまでは何もできないんだし、笑顔だ笑顔~」
「うん、そうだね」
せっかく平和が戻ってきたんだ。あんなもののせいで今の平和が壊されてたまるか!
必ず消滅させてやる。
珍しく、今日の昼は四人で食べていた。
「お? 美味しそうなおかず発見!」
そういって光翼は梓のおかずに箸を近づける。……もちろん許されるはずがないのだが。
ズゴッという音が聞こえ、光翼が倒れる。
梓の強烈なパンチを見た叶未が、おぉー! と声を上げた。
「梓ちゃんって強かったんだねー。知らなかったよぉ」
「う、うん」
梓はものすごく嫌そうに返事をした。
「ひどいじゃないか梓。今度は俺の番だ! 殴らせろ!!」
最低だなこいつ。
「いいよ、早く殴ってよ」
「無理!!!」
どっちだよ!!
今日の昼休みはいつもより騒がしかったが悪い気はしなかった。
金曜日の夜。私は光翼に電話していた。
3、4回コールが鳴ったあと、声が聞こえた。
「もしもし!? え? なにどうしたの梓ちゃん!? こんな時間に電話してくるなんて。もしかして愛の告白?」
電話してるときでも気持ち悪い光翼。
私は無視して聞く。
「明日暇? 私は暇だし、聞きたいこととかあるから」
すると光翼は間髪入れずに答えた。
「マジで!? オーケーオーケーだぞ!!」
「じゃあ明日、朝5時にあの公園で」
「え? それきつくない? 早すぎない?」
「大丈夫だよ、私は10時に行くから」
「それ絶対大丈夫じゃないよね? 俺が大丈夫じゃないよね? 5時間も公園で一人で待たされるとか死んじゃうよね!?」
なぜかくだらないやりとりをしてしまった私。
「10時ね」
そう言って電話を切った。
携帯を机に置き、ベッドに寝転がる。
光翼の両親、元気だといいけど。
私はそう思いながら眠りについた。




