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locker  作者: いつわ
二章
13/77

第十三話    夜の学校

遅くなりました。

頑張って書いてますー。

勉強も頑張らないとな……。

 早くここから出たい。夜の学校はだめだ。

 だって何か出そうじゃん、ヤバそうじゃん。

 ここは三階の教室らしく、周りには椅子と机が並んでいて、他の教室と何も変わったところはない。


 なぜか私は監禁されていた。

 手は、後ろにある机の脚に、足は目の前の机の脚と一緒に、縄で縛られていた。

 口にガムテープを貼られていたが、しっかりと貼らなかったせいかもごもごしたらすぐに剥がれた。

 あの女は一体何者なんだろう。

 変装が得意とか言ってたが、それだけではない気がする。

 たいちょー達騙されてないといいけど……。

 

 突如、カタカタカタ、と背後から音が聞こえた。

 ビックリして勢いよく頭だけ後ろに向けた。

 風が窓に強く当たった音だった。

 危うく漏らすところだったが、次に何か音がした場合は我慢できそうにない。

 それにしても寒い。体をさすることすらできなくて私は泣きそうになる。

 ここから……、lockerから出ることはできるのだろうか?

 いや、大丈夫だ。必ずたいちょー達が助けにきてくれる。

 今日はとても最悪な夜だと思った。









 俺達は学校に着き、校門をよじ登って侵入した。

 夜に学校に来たことがないから変な気分だった。

 校舎へ向かうため一歩踏み出す。

 その瞬間――ヴォンと音がして、頭の中に何か流れ込んでくる。

 俺は舌打ちした。

「くそっ! ふざけた条件のlocker出しやがって。唯果を探すぞ!」

「はい!」

 

 外から校舎の窓を一つ一つ確認していくと、一か所だけ鍵がかかっていない教室があった。

 鍵係の人が閉め忘れたのだろう。

 校舎は3階建てで、教室は1-1から1-3、2-1から2-3、3-1から3-3で、計9つある。

 もちろん職員室や音楽室なども含めたらもっとあるわけだが。

 この暗い中一つ一つみて回れってことか。

 急いで来たから懐中電灯なんて持ってきてないし、時間がかかりそうだ。

「どうしますか隊長? 一つ一つ調べますか?」

 俺はどうするか考えた。 

 一つ一つ確認していくか? くそ、あの宇宙人はどうせ、そうさせたかったんだろうな。やっぱりもっと痛めつけるべきだったか。

 ――――ん? 一つ一つ確認させて無駄な時間を使わせたかった?

 理由は知らないがそういうことだろうな……。

 ということは…………まさか!?

「いや、三階へ行こう。そこに唯果がいる!」

 









 怖すぎて漏らすどころじゃなかった。

 下の方から窓の開く音がした。たぶん一階だ。

 静かすぎて聞こえてしまった……もう終わりだ、幽霊に食される。

「ううぅ」

 叫びたい気持ちでいっぱいだった。

 しかし必死で堪え、小さく呻いた。

「助けてたいちょー」

 私がそう口にした瞬間、階段を駆け上がる音が響いてきた。

 タンタンタンタンタンタンタンタン……。

 死にたくなった。

 私はもうじき死ぬだろうな。

 幽霊って、人のどこを食べるんだろう。

 どうすればこれをほどいて逃げられる?


 私は色んなことを考えていたが、杞憂だった。

「おぉおおおい! 唯果ぁああ! いるのかぁあああああ!?」

 たいちょーの声だった。

 私も叫ぶ。

「たいちょーーーー! ここだよーーーー!!」

「どこだよ」

 すぐそこの廊下からツッコミが返ってきた。

 私は笑顔でボケる。

「ここってところだよ!」

 ガララッ! と勢いよく私のいる教室のドアが開いた。

「意味わかんねぇこと言ってんじゃねえ!!」

 私は、たいちょーが助けに来てくれたことが嬉しすぎてテンションが上がっていた。

 たいちょーは私の目の前に来てしゃがんだ。

「場所をちゃんと教えられるようになろうな? はたくぞ」

 私はただ笑っていた。

 外も中も真っ暗なはずなのに、そんなことを忘れさせるほど雰囲気がとても明るい。

 

 私は隙をついてたいちょーにキスをした。


 lockerの条件は、私に誰かがキスをすることだった。

 lockerが消える。

 たいちょーは頬を赤くしてどうしたらいいか分からないような顔をしていた。

「え、ちょ、何してんの? 急すぎだろそういうのは一応心の準備をする時間が必要だろうが!!」

 たいちょーは超困っていた。そういうところも好きだ。

「そんなこといいから早くほどいてよー」

「嘘だろ? 自分が何をしたのか分かってないのか!?」

 たいちょーといる時間はいつでも楽しいなぁーと思った。










 俺達は校舎を出て、校門へ向かって歩いていると、目の前に人影が現れた。

「なんだ? もっと痛めつけてほしかったのか?」

 さっきの火星人だった。

 格好は唯果のままだった。

「なぜすぐ見つけることができたんだ?」

「簡単だ。俺達に1階から3階まで一つ一つ教室を調べさせて時間稼ぎをしたかったんだろう? だから唯果を三階に置いた。そして、今お前がここに来たということは、忍びこみ、隙をついて俺達を殺そうとした」

「偶然だろう。降参したし」

「俺にはわざと負けたように見えたけどな。しかも、あれだけ完璧に唯果を演じ、しかも俺と副のことや、火星についても良く知ってたな。まるで唯果の記憶までコピーしたみたいな感じだったな。そんなやつがネックレスという重要なものを忘れるはずがない。つまりお前はわざと俺達にここにくるよう仕向けた」


 そいつは唇を噛みしめた。

 どうやら図星みたいだ。

「くっ……、なかなかやるな。そうだ、俺は隙をついてお前を殺そうとしたんだ。正面からやりあっても勝てないことは目に見えているからな。つまり今度こそ作戦失敗失敗」

 そう言い、そいつは校門に向かって走りだした。

 逃がさないように俺も走ったが、校門が抜けたときにはすでにそいつの姿はなかった。



 

  

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