story9 銀狼
不幸にも俺達は突発性エンカウントに出くわしてしまった。
俺達の目の前のポリゴンがすぐに完成していった。
銀色の毛並みの狼、《判別》スキルによってレベルと名前が見えた。
シルバーウルフ、レベル20・・・・10以上も差があった。俺のレベルは7、シルクも上がっているだろうがせいぜい9レベルぐらいだろう。
「どうする」
「僕が時間を稼ぐから君は逃げてくれ」
「何普通にカッコイイセリフを言ってるんだ」
「いや、僕は・・・」
「俺はぜったいに逃げない。たとえ死んだとしても友を見捨てるような真似はしない」
「トール・・・」
トール内心
よっしゃー、決まった。今のは我ながらなかなかいいこと言ったぜ。シルクの好感度アップ成功。
「死力を尽くそうぜ、それでダメだったら悔いる事はないじゃないか。・・・・・行くぜ」
「ああ!」
トール内心
俺、こんなにカッコイイセリフ連発していいのだろうか・・・・・まさかの死亡フラ・・・いやいや、まさかね〜
俺は《ダッシュ》で銀狼の正面に突っ込んだが途中で《サイドステップ》により直角に横にずれた。すると俺の背後で今まで隠れていた炎球が銀狼に直撃した。
これは、チャイルドを狩っていた時に出来たコンビネーションアタックだ。銀狼から見れば俺が前にいて死角になっていたので俺がずれた時に突然炎球が出てきたように見える。
一割とまではいかないが目に見えるぐらい減ったことがわかったので、倒すことは可能だ、と確信した。
俺は、銀狼が炎で怯んだ隙を見逃さなかった。《ダッシュ》で近づき《ソニックエッジ》を斬撃と衝撃波の二つともを浴びせた。
銀狼のライフポイントの三割は削った。さすが大剣としか言いようがない威力だ。白狼を一撃で消すアーツは伊達ではなかった。
だが《ソニックエッジ》はもう二回しか使えなかった。大技は決まってAPの消費が大きかった。ここではMPマジックポイントのようなものでAPアーツポイントを消費する。
一回でも外せばそのぶん決定打を入れられなくなる。シルクも同じであった。スキル《初級炎魔法》のアーツ《ファイアーボール》を四発撃つ分しかなかった。
俺は、隙をつくるためにも銀狼に立ち向かった。
《ダッシュ》をして銀狼の横腹目掛けて大剣を振り下ろした。
だが、空を切るだけだった。初めは奇襲でうまく攻撃できたがここからはそうもいかないことを悟った。
銀狼は速かった。チャイルドや白なんて比較の対象にもならない。
接近戦を俺にまかせていたシルクも参戦したが、いっこうにかすりもしなかった。
唯一の救いは攻撃は見切れることだけだった。
攻撃の瞬間、初動があって・・・・・・ん?
いや、待て。攻撃見切れてるよ、という事は・・・・
俺は、銀狼の攻撃の初動。体当たりに近い突進する前の後ろに下がるのを再度確認した。
やっている
俺は突進を交わし、次の突進の初動を待った。
・・・・・・きた!
俺は、《ダッシュ》で出来るかぎり距離を縮め、《ソニックエッジ》をお見舞いしてやった。
さらに、その隙を逃さないために「シルク、袈裟切りだ」と銀狼の横方向にいたシルクに指示を送った。
シルクの《袈裟切り》もヒットし銀狼のライフも残り五割を切った。
ここで俺はさらに《袈裟切り》で怯んでいる銀狼に突進気味に突きをし切り上げた。
銀狼のライフの残りが四割を切ったのが見え、「よし」と俺は口にだしてしまい。それを聞いたシルクも顔に余裕ができたように見えた
だが、銀狼はただの狼には終わらなかった。
次回予告
シェ「なんと、今回はいつもより長めで行う。シェイドの次回予告コーナー」
シェ「なお、今回は私一人でのこのコーナー」
シェ「・・・・いじりがいがないのでやっぱり誰か呼びます。メールを送ろう・・・・『早く来なさい、来ないと・・・・ふふっ』と、これでいいでしょう」
シェ「ではまず、こちらのコーナーから」
シェイドさんのアーツ紹介コーナー
シェ「こちらでは説明不足だったアーツを紹介するコーナーです」
トー「着いたっ」
シェ「いいところに来てくれました。これから君が使っていたアーツについての紹介ですよ」
トー「いや、まず呼び出した理由を・・・」
シェ「え〜、今回は多用に使用されていた《ダッシュ》について−−−まず、このアーツは《歩法》というスキルのアーツです」
トー「これ、次回予告か!シェイドさんの気まぐれで呼ばれてなかったのか」
シェ「そこ、うるさいですよ。おっと失礼。アーツ《ダッシュ》は左足に重心を傾けて一秒間ためて前進したらシステム補助により直線で速く移動することができなおかつAPも消費しない優秀なアーツです。ただし、再度使用するには20秒待たなければなりません」
シル「失礼します。遅くなりました」
トー「よっ」
シル「あれ、トールも呼ばれたのか?何かシェイドさん語ってるけど」
トー「俺にわかることはアーツについて語っていることとこれが次回予告ということだけだ」
シェ「続いて《ソニックエッジ》。このアーツは《両手大剣》スキルのアーツです。剣で縦切りをしてついでに風属性の衝撃波が飛ぶアーツです。技の速度もそこそこ早いので大剣使いの人は上位の方でもよく愛用されます。ただし、APの消費には注意です」
トー「なぁ、俺達なんで呼ばれただろう」
シル「僕が分かるわけないじゃないか」
シェ「ふぅ、終わった。それでは皆さんまたの次回予告でお会いしましょう」
トー「え、終わった?なんで呼んだ」
シル「トール、たとえ勝てないとわかっていても闘わないといけないときがあると思うんだ」
シェ「いや〜、呼んだのはいいんですが・・・・おっと、闘う気ですか。いいでしょう。・・・・・・・ふふっ、ははっ、ひょひょ」
シル「ありえない。あーーー」
トー「シルクーーー、ちくしょーーー。よくもシルクをーーー」
シェ「ふはははははは。むだむだむだぁ」
トー「あーーーーっ。ばけも・・・・・・」
シェ「ふふふ、ほんとに残念です。」