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ゆるふわふぁんたじあ(改訂版)  作者: 天空桜
プロローグ

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12/325

10話

その後、里香は凛達を大部屋の中心へ招き、先に待っていた瑠璃と合流。

彼女との再会を喜びつつ、親交も深めた。(特に凛が)


「それでウェル爺、試験どうだった?」


「無論、合格ですぞ。」


「流石凛ちゃんね、おめでと。」


「ありがとう、お姉ちゃん。」


ややあって、マクスウェル、それと姉から満面の笑みを向けられる凛。

お礼を述べつつ、満更でもなさそうにする。


「うんうん。これで凛ちゃんも外へ出れる様になった訳か。だったら…。」


パチン


「…心置きなくこの子達の紹介も出来るわね。」


満足げに頷いた里香が指を鳴らすのを合図に、魔法陣が出現。

次の瞬間、魔法陣の上に見知らぬ人々が立っていた。


「え…?」


現れたのは8名ではあるのだが、前の4名はフード付きのくすんだ灰色のローブを着用。

その後ろにいる残り4名は何も身に着けてはおらず、左から順に筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)な男性。

垂れ目で、青く長い三つ編みのおっとりした女性。

緑髪を2本のお下げにした、活発そうな少女。

とんがり帽子を被り、立派な白髭を(たくわ)えたお爺さん。


より詳細に語るなら、地面から浮き、上半身を(かたど)った燃え盛る赤い炎。

同じく宙に浮き、体全体が水分で出来ているのか透明な水色をした人魚。

アゲハ蝶に似た羽を背中に生やし、(凛から見て)目線の高さで(とど)まっていたかと思えば元気に飛び回る。

白○姫の小人を思わせる風貌(ふうぼう)()つ見上げる形でこちらを(うかが)っている…との(ただ)し書きが付くが。


身長も180センチ、160センチ、30センチ、50センチと見事にバラバラ。

凛と美羽が彼らを見て固まるのも仕方ないと言える。




そんな後ろ4人(?)とは異なり、前にいるローブ姿の4人はいずれもフードを下ろした少女の様だった。


1番左にいる少女は、年の頃が18歳位…だろうか。

女性とも取れる彼女の身長は173センチとやや大きく、燃える様な赤い髪色を背中まで伸ばし、揺らめく炎みたいな髪型。

赤く、ギラついた目なのが印象的だ。


その隣にいる少女は、10〜12歳程度の様に見える。或いは、もっと幼いとも。

身長146センチと小柄で、少し薄めの水色の髪を、真っ直ぐショートボブにした髪型。

瞳は透き通った空色(そらいろ)

ただ半分程しか開いておらず、眠そうに感じられるが特徴。


その隣にいる少女は、恐らく17歳頃。

身長158センチで、綺麗なエメラルドグリーンの髪を腰まで真っ直ぐ伸ばし、それを白いリボンでポニーテールにして纏めている。

瞳は濃いめの黄緑色、パッチリと開いている事から明るい性格そうなのが伝わって来る。


1番右にいる少女は、緑髪の子と同じか1つ下位。

身長161センチで、やや薄茶色の髪色をミディアムショートに真っ直ぐ伸ばした髪型。

凛同様、日本人に良くある茶色がかった黒い瞳を持ち、下がった眉尻から少し(はかな)げに見える。




「凛ちゃん、美羽ちゃん。あの子達の紹介をするわね。まずは後ろにいる4体で、左から…。」


「我はイフリート。」


炎そのものであるイフリートは腕組みをし、メラメラと体を揺らめかせ、


「私はウンディーネ♪」


体が水分で構成されたウンディーネが、左目を閉じる形でウインク。


「ボクはシルフだよーっ!」


緑髪のお下げっ子ことシルフはその場で一回転し、


「僕はノーム…。」


小人の見た目をしたノームがやあ、と右手を挙げる。


「イフリート達はウェル爺の部下で、四大精霊とも呼ばれているわ。それぞれ火・水・風・土を司る、『大精霊』とのポジションね。ウェル爺に至っては、彼らを統べる『精霊王』なんて言われたりするわね。」


「マクスウェル様が精霊王…。」


今更ながら凄い存在だと知り、凛は感動した表情でマクスウェルを見やる。

当の本人は褒められて嬉しいのか、ほっほっほっと朗らかに笑う。


「ええ。私はウェル爺なんて呼んでるけど、本当はとてもとても偉い存在なのよ?」


「ほ…?そ、創造神様。儂の事は…。」


そこから一転し、慌てた様子で里香の言葉を(さえぎ)ろうとする。

普段褒められる事がなく、また皆に見られているが故に恥ずかしくなっての行動なのだろう。


「あら、本当の話じゃない。それによく私の手伝いをしてくれるし、とても感謝しているのよ?ウェル爺、いつもありがとう。」


「む、むぅ…創造神様のそう言うところ、本当にズルいのじゃ…。」


「あら、褒め言葉として受け取っておくわね♪」


渋い顔のマクスウェルとは対照的に、里香がコロコロと笑う。

それを合図に、マクスウェルと1番背の高い赤髪の少女。

それと最も低い水色髪の少女を除く全員から笑いが起きた。




「あの…。」


一向に話が進まないと思ったのか。

或いはつまらなく感じたのかも知れない。(畏れ多くて実際には口に出せないとの注釈が付くが)


ともあれ、赤髪の少女が1歩前に進み、何か言いたそうにしている事に里香が気付いた。


「あ、ごめんなさい。残りの子達の紹介に移らせて貰うわね。」


「あ、うん。分かった。」


「前に凛ちゃんと会った後、私はイフリート達のところへ向かったの。そこで生まれたのが彼女達。それからあの子達はあの子達で1ヶ月間、イフリート達と訓練していたって訳。」


「へー…ん?生まれた?」


「私とイフリート達の魔力…つまり美羽ちゃんみたいな感じね。タイミング的に、妹との扱いになるのかしら?」


ローブ姿の少女達は、里香がイフリート達とで魔力を半分ずつ出し合い、それが形作られて出来た存在。

合点がいった凛はやっぱり…と呟き、美羽はわーーい、妹がこんなに沢山ー♪と喜びを全身で表現する。


「それで、この子達は凛ちゃんの部下って扱いにして、貴方に託そうと思うの。」


「…え?」


「そんな訳だから、名前を考えて欲しいのよ。今、ここで。」


「えっ、今!?」


凛はどこかで聞いた気もするセリフに若干の引っ掛かりを覚え、しかし時間的余裕がない事に内心焦りを覚える。


(…なんか、すごく見られてる。部下って形で仲間になるのはありがたいんだけど、前もって伝えて欲しかったかなぁ…。)


視線を里香から少女達へ移せば、4人中4人全員がこちらをじーーーっと凝視。

それに圧倒されつつ、凛は何か良さげな名前はないかと必死に模索。


「えーーー…っと、赤い髪の子が火燐。水色の子は雫。緑の子は翡翠。茶色の子は楓…で、どう、かな?」


恐る恐る告げた内容に少女達は互いを見合い、目を(つぶ)る等する。

これに名付けた側は気が気でなく、内心で「だ、ダメだったか?」とドキドキ。


「…おう。オレは良いと思うぜ!…じゃなかった、私は良いと思いますよ。」


「ん…私もそれで良い…です。」


「あたしも良いでーっす!」


「はい…私もそれでお願いします…。」


しかし赤髪の少女こと火燐がニヤリと笑い、雫は小さいながらもこくこくと首肯(しゅこう)

翡翠が元気良く右手を挙げ、会釈を交えての楓の答えに、凛は「良かった…」と安堵する。


「火燐、雫、翡翠、楓、それに美羽。大変だとは思いますが、これから宜しくお願いします。」


凛は改めて火燐達に美羽。

それと四大精霊へ向き直り、深くお辞儀。

程なくして、美羽達5人から「よろしくお願いします」と返された。


「うむ。火燐を宜しく頼むぞ。」


「雫、凛様の言う事をきちんと守るのですよ?」


「翡翠ちゃん、元気に頑張るんだよー!」


「楓、ファイト…。」


イフリート達はイフリート達で(うなず)きを交えたりして火燐達へ激励し、彼女らはそれに応えていった。




「取り敢えず、ここでやる事は…あ、そうだった…はい、凛ちゃん。」


よいしょと言って里香が無限収納から取り出したのは、50センチ四方はある大きな金の塊。

その金塊は、心做(こころな)しかほんのり赤みを帯びている様にも見える。


「ちょちょちょ、いきなり何!?って…え?全然重くない?見た目金っぽいのに?」


それをいきなり渡された凛はパニック。

受け取り時に軽くよろけこそしたものの、思っていたよりもずっと軽かった為、更に困惑度が増した。


「一応は魔法金属と呼ばれてるものだからね。普通の金よりずっと軽いわよ。」


いくら軽いとは言え、これだけの質量だ。

一般の人の場合、普通に腰をやってしまいそうな位には重い。


凛は「へー」と平気そうな顔をしていたが、楽に持てる=相応のスペックを保有。


「魔法金属?」


彼は目の前の金属に夢中で気付いていないみたいだが、1ヶ月間鍛えられた成果が(余裕)である事に繋がる。


「そ。」


「それに金って事は…オリハルコンとか?」


「オリハルコンねー。あれも金色に光ってはいるんだけど、厳密には真鍮(しんちゅう)…つまり銅が変化したものなのよ。」


真鍮って、銅と亜鉛の合金だからね。

へー、なんてやり取りをする姉弟。


「そうだったんだ…ならこれは?」


「ヒヒイロカネ。」


改めて問う凛に、里香はあっけらかんと言い放つのだった。

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