表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

5つの雑音(ノイズ)が交わる舞台裏 第2夜 (24話終了時まで)

「こんばんは!5つの雑音(ノイズ)が交わる舞台裏へようこそ!司会進行役の郁斗です」(以下:郁)


「こんばんは!5つの雑音(ノイズ)が交わる舞台裏、アシスタントの那秧です!」(以下:那)


郁&那「いえ〜い!」


郁「このお話はどんな話かと言うと、本編:“5つの雑音(ノイズ)が交わる瞬間(とき)”の対談コーナーみたいなもので、主にオレとナオちんがゲストキャラを呼んで、本編では語られていないような事をあらゆる方向から雑談していくという、簡単に言えばお喋りしていく話だね」


那「あのキャラのあんな事やこんな事が語られちゃったりもするかもです!」


郁「注意して欲しいのは、ネタバレを含んでいるかもしれないから、タイトルで“〜章終了時まで”ってところをきちんと確認して本編と絡ませて欲しいな」


那「そうですね!でわでわ、今日も張り切っていっちゃいましょう!」


郁&那「5つの雑音(ノイズ)が交わる舞台裏へようこそ!!」




那「さてさて、2回目始まりましたね!」


郁「前回はなかなか良かったよ、ナオちん」


那「そうですか、ありがとうございます!」


郁「バンドの方は慣れたかな?ドラムもだいぶ叩けるようになってきたよね」


那「はい、おかげさまで。最近はそれなりに手数も増えてアレンジ的なドラミングを研究してますよ。」


郁「ナオちんは一生懸命だからね。その調子で頑張って欲しいよ」


那「エヘヘ、郁斗さんに褒められちゃった」


郁「ま、今後も分からない事とか悩みとかあったら遠慮なく相談してね?」


那「はい、ありがとうございます!」


郁「じゃあ今日のゲストキャラを早速呼んでみようか?」


那「そうですね!今日は誰かな?」


郁「誰だと思う?」


那「全く見当つきませんね?」


郁「結構意外なキャラが出てきたりするらしいからね」


那「鋭士さんは出てこないんですか?」


郁「それは意外なキャラだね」


那「意外なんですか!?主人公ですよ!?」


郁「そういえばそうだったね」


那「(郁斗さん、何気に棘が鋭いです…。)僕としては鋭士さんに出てもらいたいですね」


郁「今日辺り出てくるかな?じゃ、呼んでみるよ?」


那「はい!(ワクワク)」


郁「今日のゲストはこの方です!どうぞ!」


「ちわーっす!どーも、真行でーす!」(以下:真)


那「鋭士さんじゃないし!?」


郁「あら、残念」


真「どうも、はじめまして!ええと、郁斗さん、それにナオ君!」


郁「はじめまして、郁斗でいいよ。ええと…」


真「俺はマー坊でいいよ、郁斗!」


郁「そうそう、マー坊!それを言おうとしたんだよね。何かキミとは気が合いそうな気がするよ?」


真「俺もそんな気がするよ!」


那「僕はナオで良いですよ!」


真「オッケー!よろしくナオ!」


那「よろしくです!真行さん!」


郁「それじゃ…」


真「ちょっと待ってくれぃ!」


郁「どうしたのかな?」


真「実はもう一人連れてきているんだけど、ついでに呼んじゃって良いかな?俺の友達なんだけど」


那「真行さんの友達?てことはまさか…?」


郁「いいよいいよ!人数は多い方が楽しいからね!」


真「よっしゃ!じゃあ入ってきて!」


「ど〜も〜!こんばんは〜!舞で〜す!」(以下:舞)


那「またしても鋭士さんじゃないし!?」


郁「誰かと思ったらマイマイじゃないか!よく来たね、さあ座って」


舞「えへへ〜、えいちゃんじゃなくてごめんね〜」


郁「とんでもない、エー坊じゃないかと…一瞬焦って心臓が止まりそうだったよ?」


那「そこまでなんですか!?」


真「まあ、鋭士を連れてくるよりは舞ちゃんの方が断然いいよ!その方が話も弾むと思うし。親友のあいつには悪いけど、今日は味噌ラーメンで足止めしておいたよ。カップ麺だけどね!」


那「なんて酷い扱い!?本当に親友なんですか!?」


郁「ま、親友と悪友は表裏一体って言うしね?」


舞「えへへ〜、真の親友は悪友にあり。なんちゃって〜」


那「この流れだと鋭士さんの不憫さがもはや疑問に感じてしまいます」


郁「エー坊の事はこのくらいで、チャラリと始めますか?」


真&舞「オッケー!」


那「チャラリと流された!?」


郁「じゃあ、二人とも自己紹介からいってみようか」


真「よっしゃあっ!」


那「真行さん、テンション高いですね」


真「当然っ!!サブキャラはこういう所で目立っておかなければな!」


那「えっ?何か言いました?」


真「よっしゃあ、俺の名前は坂上真行!S大学工学部の2年生、20歳男!好きなものは甘い物全般で他に豚肉系料理をこよなく愛している!ちなみに豚丼に豚汁のコラボは神の領域だ!所属しているサークルはフットボール部…これはまだ未公開だったっけ?ええと、まだまだいくぞ〜!好きな女性のタイプは明るくて元気な娘なら文句なし!最近はまっている事は温泉旅行でなかでもサウナは最高だな!将来の夢は機械工学の開発者になりたいことと、夫婦円満な結婚生活ってとこかな!」


郁「マー坊はよく喋るね?」


那「そうですね、聞いていない事まで丁寧に話してくれましたね」


舞「どうしよう〜、私何話していいか分かんないよ〜?」


那「とりあえず名前とか、好きなものとかでいいですよ!」


舞「じゃあ、ええと…私は進藤舞です!S大学OA技術科の20歳女です!所属しているサークルは自転車愛好会で、メカニックやってます!好きなものは鮭とばとさきイカです!これでいいかなぁ?」


郁「はい、よく出来たねマイマイ」


那「そういえば、郁斗さんは舞さんと知り合いなんですか?」


郁「何を隠そう、彼女はウチの店の常連さんだからね」


舞「はい!いつもクリクリでいくちゃんにお世話になってまぁす!」


那「なるほどです!」


真「いくちゃん…(笑)」


郁「それじゃ、まず今日は二人からのお土産があるということで早速見てみようか。ナオちん、用意して!」


那「了解です!」


舞「えへへ〜、お土産、びっくりするよ〜?」


真「同じく!」


郁「来てもらったのに、お土産まで貰っちゃって悪いね」


那「お待たせしました!真行さんからは豚汁、舞さんからはさきイカを頂きました!」


郁「おおっ!いろんな意味でびっくりだね?」


舞「でしょ〜」


真「いい香りだ!食欲をそそるな!」


那「それでは、いただきます!」


郁&真&舞「いただきます!」


郁「まずは豚汁から……うん!美味しいね!」


那「はい!あっさりとした味がしつこくなくていいですね!」


舞「野菜もたくさん入っているから栄養もとれるね!」


真「だろ?豚汁を考えた人はまさに神だな!尊敬に値する!…ただ残念なのは、本当は豚丼と並べたいところだったんだけど予算の関係でこれだけになってしまったことが悔やまれる」


郁「マー坊、豚丼あるよ?ナオちん!」


那「はい、只今!」


真「あるんかいっ!?」


郁「ここは舞台裏だからね。何でも揃ってるのさ」


舞「凄いね〜!」


真「恐れ入った!」


那「お待たせしました!豚丼入ります!」


真「やったぁ!これぞ鉄板な組み合わせ!」


郁「それじゃ改めていただきます」


真「いくちゃん!ちょっと待ったぁ!!」


郁「何だい?」


真「食べる前にじっくり鑑賞してから、初めて口にするのが清く正しく美しい食べ方なのだ!」


那「あの〜真行さん?」


舞「どんな食べ方なんだろぅ?」


真「まずは俺が手本を見せるから見ててくれ!」


郁「わかったよ」


真「いくぞ!こうだ!」


舞「ワクワク」


真「(眼を瞑って)………………」


那「鑑賞なのに思いっきり眼を瞑ってますね?」


真「………………チッ!」


那「し、舌打ちした!?」


真「………(眼を開いて)いただきます。と、まあこんな感じだ!わかったかな?」


那「よくわからないですけど、とりあえずやってみましょうか?」


郁「そうだね。食べ方そのものは普通な感じだね」


真「とにかく豚を感じるところがポイントだ!豚の声を聞くんだ!」


舞「よぉ〜し!」


那「なんかスター○ォーズみたいですね!?」


真「じゃあいくぞ!」


全員「(眼を瞑って)………………」


全員「………………」


舞「………………ちっ!」


那「(舌打ちもしないといけないのかな?)………………」


真&郁「いただきます!」


舞「………………ちっ!」


那「………………ちっ!」


舞「いただきま〜す!」


那「………………」


郁「ハイ、そこまで!」


舞「ナオちん、食べないの?」


那「…はい」


真「豚を感じなかったのか?」


那「感じられませんでした」


真「豚の声が聞こえなかったのか!?」


那「聞こえません…」


真「まあ、そう落ち込むなって!練習すればそのうち豚を感じられる様になるさ!」


舞「そうだよナオちん!私も結構時間が掛かったけど、何とか聞こえたもん!」


那「本当ですか!?」


舞「うん!というか私、豚になりたくなっちゃった!」


那「ならないで下さい」


真「まあ、今日は初めてだから口にして豚を感じられればよしとしておくか!」


那「おみそれいたしました!」


郁「さきいかも食べてみようか」


舞「おいしいよ~、絶対気にいるよ~!」


真「もぐもぐ、おおっ!これは旨いな!」


那「ですね!噛めば噛むほど味が出てきますね!」


舞「でしょでしょ!私は部室で小腹が空いたときによく食べるんだ~」


郁「ビールに合いそうだね。」


那「出しましょうか?」


郁「ノって来たね?」


真「ビールあんの?」


郁「あるよ。ここは舞台裏だからね、ナオちん!」


那「了解です!」


真「やったぜ!」


那「ビール入ります!」


郁「サーバーも用意したから好きなだけ飲もうね!」


真&舞「いえ~い!」


那「僕はウーロン茶でいいですよ」


真「すまんな、許せよ未成年」(那秧の肩をたたいて)


那「いえいえ」


郁「では次のコーナー“真行くんと舞ちゃんに聞いてみて”にいこうか」


那&真&舞「イエ〜イ!」


郁「このコーナーは今日来てくれたゲストにあんなことやこんなことを、あらゆる方向から聞いてしまうというコーナーだよ!」


那「遠慮無用の質問攻めでも全然オッケーです!!」


真「どっからでもかかってきやがれっ!!」


舞「どきどき」


郁「じゃあ最初の質問は…P.N.最近旅人になりましたさんから」


那「旅人…しぶいっす」


郁「僕は最近登山にハマっている大学生です。そこで真行さんに質問ですが、真行さんの趣味ってなんですか?」


舞「登山だって!そういえばうちのOA科でも山登ってる子た〜くさんいるよ〜!」


那「今流行の山ガールですね!」


真「イイ趣味してるじゃん!じゃあ俺の趣味を語るか!それはズバリ釣りだぁっ!」


郁「へぇ〜、海?川?」


真「海でも川でも釣り堀でもオールマイティさ!釣れれば何でもOKだ!」


那「へぇ〜、僕は釣りやったことないですけど、初心者でも出来ますか?」


真「もちろん!」


舞「釣りの極意ってある?」


真「それももちろん!知りたいか?」


郁&那&舞「ぜひ!」


真「よっしゃあ〜!釣りってのは老若男女問わず誰でも出来る、いわばお手軽なアクティビティなんだ!」


那「初心者でも簡単に釣れますか?」


真「問題ないさ!初心者連れてって俺よりたくさん釣られてプライド傷ついたことなんてざらにあるしな!」


那「へぇ〜!」


真「極意とはまず潮の流れを読むことだな!潮の動きでプランクトンや餌とかの動きが活発になるから、動きが止まる前後の時間帯…つまり朝や夕方を狙っていくんだ!さらに、風とか波とか水温の影響も考えておくことも重要だ!釣りの極意とは平たく言えばタイミングだ!」


舞「しゅごい…」


真「あともう一つ、魚を感じるんだ!考えるな、感じるんだ!そう、月を見て自然と指を指すのに近い感覚だ!」


那「何か、燃えよ○ラゴンみたいですね?」


真「そうだ、釣りには燃えるような熱いハートが必要不可欠だ!冷めたハートじゃいくら待っても釣れないぜ!!」


那「熱過ぎる」


郁「今度みんなでいってみようか?」


那「あ、それいいですね!」


舞「わちゃし、じぇったい行きゅよ!」


真「よっしゃあ!決定だな!諸君、楽しみにしておきたまえ!」


郁「じゃあ次いくよ。ええと、P.N.真夏の逆回転さんから」


那「凄いペンネームですね!」


真「いいぞ、いいぞ、逆回転!バック宙のことか?」


郁「読むよ。私は最近この小説を読み始めた者です。舞ちゃんは学祭で軽音部のライブを観に行っていたけど、何か楽器やらないんですか?…というのも実は私は舞ちゃんのファンで、何か楽器をやって欲しいんですけど…ダメですか?」


舞「なゃ、にゃんとぉ!?」


真「舞ちゃんのさきいか、さっきからまるで減らないね!」


郁「噛み応えたっぷりだよね」


舞「そりゃもちろん!」


那「質問に答えましょうよ…」


舞「そうだったね。うーん楽器かぁ〜。確かにそう言われればやってみたい気がするけど、何やっていいかわかんない」


那「何か楽器の経験はないんですか?」


舞「一応あるよ〜。」


真「何かな?」


舞「トライアングルっ!!」


郁「…………、…………」


那「い、郁斗さんが絶句しているッ!?」


郁「いやあ、ごめんよマイマイ。トライアングルはともかく、今からみんなで何かやってみようか。」


舞「よぉし、じゃあみんなで何かやってみよう〜!」


那「何のパートやりますか?」


舞「トライ…」


真「いくちゃんはキーボードだし、ナオちんはドラムだし…」


舞「トライア…」


郁「吹奏系とかどう?」


舞「トライアン…」


真「あっ、イイネ!フルートとかどう?」


舞「じゃあフルートでいいよ〜!」


那「トライアングル、サレンダーされました(笑)」


郁「じゃあマイマイはフルートで決定ね。マー坊は何やってみる?」


真「そうだなぁ〜…、トランペットかハープかで悩むなぁ…」


那「違う意味で悩むような楽器ですね?」


郁「いいじゃないマー坊。そういうノリ悪くないよ?」


舞「間をとって三味線とかどうかなぁ?」


那「あの〜、どの辺が間なんですか?」


真「仕方ない、トランペットにするか!」


郁「決まりだね!」


那「あれ?ヴォーカルはいないんですか?」


郁「うーん、どうしようか?」


舞「じゃ私、ヴォーカル&フルートやるよっ!」


那「物理的に不可能ですよ!?」


真「じゃあ俺がヴォーカル&トランペットやってやるぜっ!」


那「いや、それも無理ですよ!?」


真「わかってるって、ただ舞ちゃんの真似しただけ!」


郁「しょうがない、じゃあオレがヴォーカル&キーボードでいくよ」


那「さすが郁斗さん!頼もしいです!」


舞「しょうがない、じゃあ私はフルート&コーラスで我慢する!」


那「舞さん…フルート一本でお願いします」


真「とりあえず、メンバーは揃ったな!で、何の曲やる?」


舞「はいっ!私、これがいいっ!」


真「……Blood Sacrifice。思いっきりメタル系…」


那「あの~、舞さん、これはどういう意味で……」


舞「ちなみに直訳すると“血の生贄”だよ」


那「いや、そうじゃなくて……」


郁「まあまあ、とりあえずやってみようか」


舞「よっしゃあっ!!」


那「いきなり気合入った!?てか、本気ですか!?」


真「しょうがない、やれるだけやってみるか」


郁「よっし、じゃあトランペットとフルートとスコア持ってきてナオちん。」


那「わかりました」


真「でも、よく考えたらギターもベースもないけど、大丈夫かこのバンド?」


郁「だいじょぶだよ」


舞「わくわく」


那「お待たせしました!」


郁「よし、じゃあ打ち合わせするよ」


真「ミーティングだな!!」


舞「ブリーフィングだねっ!!」


那「……何でもいいです」


郁「スコアをチャラっと見た限りは、パートの変更が必要になるね」


真「と言うと?」


郁「各パートの役割を命名するよ」


舞「いえっさ!」


郁「まず、ギターがマー坊」


真「おおっ!」


郁「キーボードがマイマイ」


舞「おりゃあっ!」


郁「で、ベースヴォーカルがオレ」


真&舞「うんうん」


郁「ドラムがナオちん。ツーバスで」


那「ツーバスですか!?」


郁「そう」


真「俺はトランペットでギターパートをやるってことだよね?」


郁「そうだね」


舞「私はフルートでキーボードのパートだねっ!」


郁「そうだよ」


那「僕はツインペダルじゃ駄目ですか?」


郁「それだと、ツーバスに比べて音圧が下がるからね」


那「?」


郁「要するにイイ音が出ないってことさ。詳しくはノッカにでも聞いてみて」


那「わかりました」


真「よっしゃあ!早速みんなでジャムろうぜ!!」


郁&舞「おおお~っ!!」


那「お~(なんだろう、このテンション?)」


~30分後~


郁「じゃあ合わせるよ」


真&舞&那「おっけ~い!!」


那「スリー、トゥー、ワン、Go!!」


♪♪(激しいドラムリフとベースラインに重なるけたたましいトランペット音とミスマッチなフルートサウンドが、BPM180の聞くに耐えないグルーヴで荒れ狂うオープニングを醸し出す)


Vo.郁

“宵の月が泣いているよ

 声もなくただ

 静かに涙を零す

    

 貴女の胸に突き刺した

 欲望の刃が

 紅く染まり血を零す


 貴女が僕に囁いた

 「永遠に捧げる」

 瞳から零れたそれは

 冷たくただ冷たく


 貴女を殺せば

 僕の物になる

 僕を殺せば

 貴女はきっと

 僕を忘れないでいてくれる

 

 貴女が望むなら

 何度でも僕は…


 貴女を殺す

 Blood Sacrifice”


♪(これでもかっ!てくらいのタム回しと極端にアップダウンするベースにひたすらやかましく鳴り散らすトランペットにウザいぐらいに絡みつくフルートが疲労感の残るエンディングを締める)


郁「今日はオレ達“ブラック・テイル・バタフライ”のライブに来てくれて……有難う(ヴィジュアル系なノリで)」


那「MC!?しかもバンド名勝手に決まってるし!?」


郁「今日、この場にオレが、オレ達が居れることに感謝してます」


ワアァァァー(録音された歓声の音源):以下音源


那「細かっ!?」


郁「オレの声がまだ出ているうちにメンバー紹介させて下さい」


音源 (ワアァァァー)


郁「まずはトランペットのマー坊」


音源 (ワアァァァー)


真「マー坊ってのはアレで、俺は真行ってな名前だ。イイかァーッ!!」


那「体育系だ!?」


真「俺は喋るの好きでさ、ちょっと喋くらせてくれやオイ。あのよ、いきなりだけどよ、人間って何なんだろうな?」


那「いきなりすぎ!?」


真「世の中いろんな奴いるよな。例えば、昼食は必ず味噌ラーメンな奴とか、俺の昼食の豚丼に豚汁のコラボにケチつけてくる奴とか、オレがそいつの真似してラーメンを食べようとしたら、そのラーメンが豚骨ラーメンなだけの理由でゲンが悪くなるようなやつとかな!!」


那「あの~真行さん?」


真「んで、今日もこのライブにいろんな奴呼んでんだけど、一人だけ来てねえ奴がいるんだよ」


真「てめえだよ鋭士っ!!何で出てこねえんだよ!?」


那「何でキレてるんですか!?」


真「ネタはアガっているんだよ!!てめえそんなに味噌ラーメン食いてえのか!?しかもその味噌ラーメンインスタントだろバケヤローッ!!」


那「それは真行さんのシコミじゃないですか!?」


真「この話のオチ?ねえよんなもん!俺はさっきまでトランペットの速吹きでバテてんだよ!だから回復するまで延々と喋くるからな、覚悟しとけや」


那「まじっすか!?てか速吹きって何ですか!?」


舞「ちょっと、私にも喋らせてよ~」


真「ああいいぜ。ちょっとでもシラけたら即俺が喋りとおすからな」


那「横暴な…」


舞「みんな~こんにちわ~!フルートの舞でぇす!」


音源 (ワアァァァー)


舞「あの…」


音源 (ワアァァァー)


舞「ちょ…」


音源 (ワアァァァー)


舞「…」


音源 (ワアァァァー)


舞「ぅうるすぇーーッッンだよおぉぉーーッッ!!!!」


那「キレてるし!?」


舞「黙ってろやァ、俺はデブじゃねぇ!!」


那「言ってないし!?てか人称が俺になった!?」


舞「49Kgになっちまったぜバケヤロー!!」


那「聞いてないし!?」


舞「あと1Kgで50Kgッだぁぁぁーッ!!」


那「何が言いたいんですか!?」


音源 (ワアァァァー)


舞「はい、ナオちん!」


那「どうも、那秧です」


音源 (ワアァァァー)


那「喋るの苦手なんで次行って下さい」


音源 (ワアァァァー)


郁「とまあ、こんな感じ。」


真&舞「イケるんじゃない?」


那「何処がですか!?」


真「今度から本編で俺達“ブラック・テイル・バタフライ”でデビューしようぜ!!」


郁「あっ、それはいいね」


那「いいんですか!?」


舞「ということで、私ィ~、フルートの舞がお送りしましたっ!」


郁「じゃあ次は……“ナオちんが教えちゃいます!”のコーナー!」


那&真&舞「いえ〜い!」


郁「このコーナーはこの物語“5つの雑音が交わる瞬間”のストーリーについての疑問や質問を、ナオちんが優しく解りやすく答えてくれるコーナーだよ」


真&舞「なるほどっ!」


那「どんな質問でも任せてください!!」


郁「じゃあ早速いくよ。本編ではこれまでに何度か登場してくる練習スタジオ“228倉庫”。使用料金っていくらなんですか?21話ではゴールド会員という用語まで出てきましたがその上もあるんですか?という質問だよ?」


舞「結構高そうだよね?」


那「実は結構お手頃なんですよ」


真「へえ~」


那「僕達の行く228倉庫は部屋の種類がいくつかあって、小さい部屋から大きい部屋まで完備されています。機材もちゃんと揃っています。料金は一時間2000円から4000円と部屋によって違います。僕達は5人でセッションしますので真ん中のBルーム、3000円で練習しています。2時間くらいだから、6000円ってところです。ええと5で割って一人1200円ってな感じです」


真「2時間で間に合うのか?」


那「それは、他のバンドが次々に入りますからね。完全予約制ですから、ダラダラ出来ないんですよ。それに、あまり長いとヴォーカルの咲姫さんが疲れてしまいます」


郁「計画的に時間を使うんだよね」


那「ハイ」


舞「なぁるほど」


那「あと、ゴールド会員はスタジオを利用する度にポイントが貯まっていきますので、勝手になりますよ。料金が5パーセント安くなるんですよ」


真「得々お得ってやつだな!」


那「はい。さらに貯まればプラチナ会員になれます。こちらは10パーセントoffです」


舞「ほぇ~」


那「噂では、ブラックパスみたいなカードもあるって聞いたんですけど、真相はわかりません。と、こんな感じです」


郁「じゃ、次にいくよ。ライブに備えて鋭士君はギターの調整をしていましたけど、他のメンバーの楽器も調整ってあるんですか?」


舞「超星?」


那「調整です。セッティングの事ですね。ギターだったら本編でもやっていましたけれども、ネックの反りの矯正、弦の交換、弦の高さ、ピックアップの接触不良の点検などがメインどころですね。ベースも内容はほぼ一緒です」


真「キーボードは?」


那「キーボードだと主に音作りがメインですね。ええとそんなに詳しくないですけど、音の種類や鍵盤を叩いてから音が出るまでの時間と抜いてから音が消えるまでの時間。ディケイとリリースでしたっけ?」


郁「そうだね」


那「後はイコライザーでの音圧などですかね」


舞「難しそう……」


郁「そんなことないよ、女性を口説く方がもっと難しいさ」


那「比べる対象がおかしいですよ……」


真「ドラムは?」


那「はい、ドラムはチューニングとセッティング、後はメンテナンスですね」


舞「というと?」


那「各タイコの張り……テンションっていうんですけど、これの調整で音色が変わります。きつくすると音が高くなって、緩めると低くなります。あと、大事なのがミュートです。これはドラムの余分な響きを消すことで芯の強い音を出すことができます」


真「それはどうやるんだ?」


那「いたってシンプルです。タイコの上にリング状の金属を張るだけです。リングミュートと言います。バスドラムは中に毛布を入れるだけでオーケーです。簡単ですよ」


舞「なぁるほど」


那「残りのセッティングとは、各タイコ、シンバルの位置や高さ。メンテナンスとは破損個所のチェックとか、ペダルのグリスアップ(油注し)ぐらいです」


郁「だいぶ詳しくなったね、ナオちん」


那「えへへ、じゃあ最後にヴォーカル……。これは調整というよりは自己管理と言った方がいいでしょうか?」


郁「まあそんなところだね」


那「声が命ですから、風邪をひかないようにするとかですね」


真「確かに」


那「でも咲姫さんはすごいですよ。きちんと体調管理して栄養つけてモチベーション上げてましたから」


真「だからダイエットしていたんだ」


那「さすがです」


真「鋭士とキスしてたぜ?」


那「うらやましいです」


舞「ナオちん?」


真「鋭士に平手打ちしてたぜ?」


那「うらやましいです」


郁「ナオちん?」


那「なんでもないです。と、こんなところです」


郁「ということで、残念だけどそろそろ時間がきたね。」


真「え~!?もっと喋くりたいぜ!!」


舞「私も~!」


郁「じゃあこの後場所変えて喋っちゃおうか?」


真&舞「賛成!!」


那「まじっすか!?」


舞「今夜は寝かさねぇぞコラァッッ!!」


那「いや、寝かせてください!というか何なんですかそのキャラ!?」


郁「それじゃ、今度は第3夜で会おうね」


那「楽しみにしています」


郁「では、5つの雑音(ノイズ)が交わる舞台裏、司会担当の郁斗と」


那「アシスタントの那秧と」


真「ゲストの真行とッ!!」


舞「同じくゲストの舞が」


郁&那&真&舞「お送りしましたッ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ