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最強の悪女の仕立て方。~不幸な結婚をしたくないので、悪役令嬢を目指しているのに、なぜかイケメン皇子その他大勢に愛され、困惑しつつも学園生活を満喫していますわ!  作者: いか墨ドルチェ
第三章 学園の華は、何といっても悪女と学園祭ですわ

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第99話 通りすがりのスーパーヒーローの素顔ですわ。

 波乱に満ちたイケメン・美女の選定選挙も無事に終わり、ジャーナリズムクラブでは、急ピッチで取材・編集作業を行っていた。


 誰が誰に取材に行くのかは、通常、3年生がそれぞれ取材したい相手を選んだうえで、それ以外はくじ引きで決めている。のだが、ジュスティーヌはくじを引かせてもらえず、レナードの取材を担当させられることになった。あのハチャメチャ男の相手をできる人は少ないので、妥当な判断だと言えよう。


 もう一人分はくじを引かせてもらえたのだが、なんとフレデリクを当ててしまった。


「姫様、くじ引き直しますか? なんとなく気まずくないですか?」


 会長のハッサンが気を使ってくれたが、ジュスティーヌは悪役令嬢である。自分を嫌っている皇子であろうと恐れはしない。


「まさか! このわたくしは優男皇子の一人や二人恐れるものですか!」

「さすがは我らのジュスティーヌ姫様!」


 なんとなく1位を逃したフレデリクのインタビューに行きにくいと思い、他の生徒を選んだ3年生たちは、少し後悔した。優男皇子VS悪女姫という取り合わせによる、絶対に面白い何かがみられるのだろうから。


 インタビューで質問する内容は、『イケメン・美女名鑑』ということで、読者が知りたいと思う情報を中心にテンプレート化されているので、基本的にはそれにそったインタビューとなる。お決まりだが、好みのタイプの異性や、休日の過ごし方、今、はまっているもの、この先取り組んでみたいこと、ファンへの一言である。


 まずはインタビューの予約を取る。フレデリクは「忙しい」としてなかなか時間を取ってくれなかった。一方のレナードは即応じてくれた。応じてくれたというか離してくれなかったというか……。


「では、スターレナード、最初の質問なのですが、あなたはどのような女性を好まれますか?」

「妻!」

「あの、もう少し具体的に。例えば、優しい人とか、おしとやかな人とかそんな感じでお願いしますわ」


 ジュスティーヌは敢て自分とは真逆なイメージの性格をあげてみた。


「男を殴ったり蹴飛ばすのが得意な、食いしん坊の魔法少女にして、ワイロを贈ることをこよなく愛する、俺のことをスターレナードと愛情込めて呼んでくれるプリティーな妻」


 えっと……。スターレナードの中でのわたしのイメージってそんなん!? わたしのこと、意外とよく見てるのね、この人。


 レナードの中で自分のイメージが美化されているものだとばかり思っていたので、この答えは意外だった。


「えー、では次の質問ですが」


 ジュスティーヌと一緒に来た3年男子の先輩が質問をしようとする。


「お前には何も話すことはない!」

「スターレナード、そうおっしゃらずに、ここはひとつ、わたくしの顔を立てると思ってお話してくださいませ」

「ラブリーベイビーな妻がそこまで俺のイケボをずっと永遠に、とめどなく聞いていたいというのであればしかたがない。何でも答えてやろうではないか!」

「では、レナード殿下、普段お休みの日にはどのように過ごされていますか?」

「当然、ダイヤモンドよりも輝ける妻と、朝も昼も夜も絶え間なく永遠の愛を語り合っているに決まっているだろうが!」


 いや、語り合ったことないですが……。少なくともわたしは……。


「えっと、スターレナード。そういえば少し前に一緒に冒険に行きましたわよね? あとはお魚も一緒に食べましたわ!」

「そうだったな、戦いの女神である妻と共に次々と襲い来る数多の敵をなぎ倒し、この世に切なる平和をもたらさんとすべく、険しくとも茨の道を行くのが、この通りすがりのスーパースターにして鬼神と恐れられしレナードの役目なのだ!」

「要するに冒険に行ったということですわ」

「は、はあ……」


 ちなみに、あの時のレナードは、敵をなぎ倒すどころか、ただ各種の毒に侵されていただけのような気がするのだが……。


「では、次の質問です。スターレナードが今はまっているものとか、好きなものは何ですの?」

「妻!」


 もう少し詳しくつっこみたいところろではあるが、なんせ取材対象が彼であることを考えると、これで十分だろう。


「この先、取り組みたいことがあればお聞かせください」

「そそそそ、そんなこと!! 愛する妻の前でおいそれと暴露できるかああああ!! お前は言えるのか! 愛する人の前でそんな破廉恥なことを言えるのかあああ!!」

「す、すみません! 俺もたぶん無理です。絶対に言えません!」


 スターレナードのしたいこと、わたしには到底聞かせられない破廉恥なことなんだ……。怖くてこれ以上つっこんで聞けない……。


「えー、では最後に、この記事の読者に一言、メッセージをお願いしますわ」

「最後? 最後だなんて言わないでくれ、愛しの妻よ! 俺はまだまだ話したいことがたくさんあるぞ!」

「そういえば、スターレナードはこの前の魔物討伐では大活躍でしたわよね?」

「もちろんだ! 通りすがりの謎のヒーローとしては、この世のあらゆる穢れから愛する妻を守るべく、諸悪の根源と対峙せねばならないのだ」

「そのためには、もっともっと強くなりたいとお思いですわよね?」

「もちろんだ! 特に! 俺の癒しの天使に近づくあのいやらしい大悪魔にして憎き大罪人、悪の権化、あいつを必ずや叩きのめしてみせる!」

「こんなところでしょうかね? ありがとうございます、スターレナード!」


 最後の方はほぼ誘導尋問と化していた。一緒にインタビューにきた先輩には、「あの猛獣のような男をよく制御している」と感心・感動されたジュスティーヌだった。

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