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第65話 鬼ごっこがし隊のですわ。

「セディ、話があるんだけど」

「な、なんですか。あ、レナード殿下、お見事でした。おめでとうございます」

「いやいや、最強のスターである俺と美の女神である妻がお似合いだなんて、そんなことは当然のことではあるが!」


 えっと、そんなことは言ってないのですが……。というか、今ジュティがこのメンバーでここに来たってことは嫌な予感しかしないのだが……。


 セドリックも、ジュスティーヌがレナードとパーティを結成して、皇子の剣同盟に決闘を申し込んでいるところは、遠目に見ている。


「話さなくてもだいたいのことはわかりました。で、人数とメンバーは?」

「リーダーはレナード殿下で、メンバーはカイトとセディとわたしね」

「それで、皇子の剣同盟と戦うんですか!? あっちは全員Sクラスを揃えることもできるんですよ? はあーー」


 Bクラスのセドリックは大げさなぐらいに嘆いていた。しかも、こっちは変人×2と海坊主×2かよと。


「いくら、ジュティがDクラス以上の実力があって、レナード殿下がお強いからって無理だ。相手は剣の達人たちだ。俺たちでは太刀打ちできない」

「大丈夫よ。セディは耐えればいいだけだから。わたしがいっぱいバフをかけてあげるし! そういうの得意でしょ?」

「人をサンドバッグみたいに言わないでください。誰のせいでいつもボコられてると思ってるんですか」

「お二人って本当に仲がいいですよね」


 カイトがぼそりとつぶやく。それにはなぜかレナードが答える。しかも、完全に勘違いをして。


「世界を救うスーパーヒーローの俺とこの世を照らす太陽のような妻が、相思相愛なのは全くもってその通りだが! はははっ」


 確かに二人とも変人と言う点では相思相愛かも。ある意味、アルフォンス殿下よりもお似合いかもしれん。だが、やはりレナード殿下はめちゃくちゃすぎて疲れるから、姫様、できればアルフォンス殿下と結ばれてください、俺の一生のお願いです。マジで頼みます。


 そんなこんなで迎えた金曜日。今日は平和防衛隊・PDFの活動日、つまりは本気で鬼ごっこをする日である。


 地下の指令室にマジカールの衣装で登場したジュスティーヌを見て、案の定、レナードは鼻血を噴射して倒れた。


「あーあ、姫様、どうするんっすか、これ。月曜日の決闘の際には絶対にその手のヒラヒラ・フリフリした服着ないでくださいね。俺ら負け確になるんで。何だったら、俺の海坊主貸しますよ。これならば確実に大丈夫でしょう!」


 ここまで来てまだ海坊主に抵抗するセドリック。


「わかったわ。じゃあ、月曜日はあなたの衣装、借りるわ」


 いや、本気で着るのかよ!?


「ジュスティーヌ姫、よかったら、僕の衣装を貸しますよ。僕の衣装の方が新しいから綺麗だろうし」


 いや、そう言う問題じゃないだろう! しかも、それじゃ俺が汚いみたいじゃないか!? というか、カイト王子、いつの間に姫様に惚れてないか、これ? 先輩海坊主としてアドバイスするけど、絶対にやめておけって。あなたのようなまともな人がどうにかできる人じゃないからこのお姫様は。


「大丈夫ですわ、カイト。衣装は毎回クリーニングに出しているから。セディが着たのも臭わないし、汚くはないのよ」


 臭気も加わっているし。それだと俺が真の汚物みたいじゃないっすか……。


「ゴッホン。そろそろよろしいでしょうか、姫様。この天才的な(しもべ)ジーニアスが、徹底的かつ緻密に調査した結果を集約した、世界各地に伝わる鬼ごっこに関する研究レポートを発表させていただいても?」

「ああ、そういう無駄な前口上はいらないから、早くしてくれませんかね?」


 PJL3()3()リーダーであるアンがジーニアスを急かす。


「あんたが説明するとくっそ長そうだから、こっちで分担して目を通したほうが早いわ」


 同じくPJL33のジョーが、ジーニアスのやたらと分厚いレポートをぶんどると、女子たちにさっさと配布する。そして、「これとかどう?」「これ、なんていいかも」とジーニアスを放置して、手際よく会議を進める。


「ということで、私たちがおススメする鬼ごっこは、①ゾンビ鬼、②氷鬼、③ケイドロです! 慣れてきたら、この三色鬼なんて面白いと思いますね」

「それから、広場は広くて、人通りも多いので、まぁ、そう言う場所で鬼ごっこをするのも楽しくはあるでしょうが、場所を移してもう少し限られた範囲に絞るのもありかと。議事堂近くの公園ですとか、孤児院や子どもたちの学校の校庭などを使ってもいいかもしれません。そうすることで、参加できる子どもも増えるでしょうし」

「場所が変わればできる鬼ごっこの種類も増えます。例えば、指示が届くようになれば、色鬼もできますし、安全地帯を設けた島鬼や、線で区切った十字鬼のような鬼ごっこなども可能です」

「なるほど。子どもたちに提案してみましょう。今日はあなたたちも付いてきて、それぞれ今の説明をしてくれないかしら?」


 ということで、今日はPJL33の幹部でもあるアン、ジョー、ドロシーの女子3名が同行することになった。また、戦闘改め保安要員としては、ジュスティーヌ、セドリックの他、カイトとケヴィンに助っ人の先輩マイケルが広場へ向かうこととなった。騎士ライダーのケヴィンは、鬼役ではなく子どもたちの助っ人に回ってもらっても面白いかもしれない。


 鬼ごっこは、思いのほか生徒たちにも人気で皆がやりたがっていたのだ。もはや防衛隊なのか鬼ごっこ隊なのかわからなくなりつつあった。


 ちなみに、姫の覚えがめでたくなることを目指し完璧すぎるレポートをまとめ上げたジーニアスは、完全に手柄をPJL33の幹部女子たちに横取りされていた。

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