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第38話 秘密組織・平和防衛隊に新メンバー加入ですわ!

沢山ブックマーク、評価、リアクションをありがとうございます!

非常に励みになります。

これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。

 朝、ジュスティーヌの公式ファンクラブ”PJL8”が結成されたのだが、放課後にはそれが”PJL12”となっていた。そして、翌朝、寮の前では14人の女子が待ち構えていた。アカネを加えて15人、つまりは”PJL1()5()”である。


 こうなってくるともう後の数字はいらないんじゃないかという気もしてくる。


 ファンクラブ会員は、知識技術科に通う平民の女性生徒が中心だが、文化芸術科所属の貴族の令嬢も加入している。


 彼女たちの活動内容は、宣言した通り追っかけである。さすがに授業の教室にまで現れたりはしないが、朝は寮の前に整列し、お昼はカフェテリアで隣の席を陣取り食事をし、実習授業の際にはかなりの確率で見学に来て「ジュスティーヌひめさまあ!」と黄色い歓声をあげていた。


 クラスメイトの男子たちはかわいいお姫様を女子たちに盗られた気分で、若干複雑だった。


 彼女たちの行動が目立つものだから、ついにビビアンが「ズルい! あたしも入りたい!!」と言って加入し、オリビア先輩も「姫様の情報は誰よりも私が把握していたいの!」と加入。ほかジャーナリズムクラブのメンバーも加入しだして、気が付いたら”PJL2()1()”になった。


 そして、この人数に毎日監視――ではなく追っかけられるようになって困ったことがひとつ。それは秘密組織・平和防衛隊の活動が()()()に行えないということだ。


 ジュスティーヌは平和防衛隊の活動日の前日、意を決して”PJL2()3()”のメンバーに声かけを行った。


「実はわたくし、同じクラスの男子たちと魔法少女として平和防衛活動を行っていますの。もし、みなさんも興味があったらお手伝いしてくれないかしら?」

「さすがは我らが姫、いえ、魔法少女マジカール様! もちろんお手伝いしたいです!」


 アンは二つ返事で答える。


「アン、いつの間に、わたくしが魔法少女マジカールだと知ったの!?」

「もちろん、姫様があの酔っ払いを撃退された日からです! 実は私、あの近くの料理店でアルバイトしているんです! だからマジカール様誕生の瞬間をこの目でみていました!」

「アン、ずるい!! 私も見たかった!」

「私も知っていました。実は同郷の幼馴染がレッドレンジャーさせてもらっているので」


 すでに彼女たちの活動は秘密裏ではなかった。


「姫様、あたしも魔法少女になりたいです! あたしだったら結構いい戦力になると思うし」


 ビビアンも魔法少女に憧れているみたいだ。そう、魔法少女になることは、すべての女子の憧れなのだ!


「では、情報収集は我々ジャーナリズムクラブメンバーにお任せください!」

「私たち、知識技術科のメンバーで皆さんの変身衣装を改良させてください! それとゆくゆくは通信機器や新武器の開発なんかもしたいです!」

「わたくしたち、文化芸術科はお忙しい姫様に代わって刺繍をがんばりますわ」


 ビビアンをはじめ、オリビア先輩たちも積極的に平和防衛活動に協力してくれるようだ。


 そして、彼女たちはジュスティーヌのファンなだけあって、秘密組織とか魔法少女などに全く偏見がない、現在進行形で永遠の中二病な素晴らしい面々だった。


 活動日当日の放課後、学生会館の地下にあるただの倉庫――ではなく防衛活動指令室の前に行くと、ストレートの髪を肩まで伸ばした眼鏡の見知らぬ男が一人立っていた。


 誰、これ? 初めてみる人だけど??


「お誘い頂き感謝いたします。ジュスティーヌ姫。インテーリ王国第二王子のジーニアスと申します。以後お見知りおきを」


 招いた? わたしが? この人を??


「ねえ、セディ、わたしがこの人を招いたみたいなんだけど、なんか知ってる?」

「いや、なぜ招いた張本人が知らない人を俺が知っていると思うんですか……」

「君! 少し姫君と距離が近いのではないか! 適切な距離を保ちたまえ!」


 インテリ眼鏡が眼鏡に指を添えながら、セドリックを叱責する。


「いいんですの! セディはわたくしにとって、とても大切な……」


 とても大切ななんだ!? 兄か? 親友か? もしかして恋人!? という空気が流れる。


「ペットみたいな存在なのだから」


 ジュスティーヌがセドリックを庇った。本当に庇ったのだろうか……? という空気が流れる。


「そうだ、俺は姫様にとってはペットのような存在なんだ!」


 自らがペットであることを堂々と宣言するセドリック。「えっ、セドリック先輩って、爽やかイケメンなのに、まさかのドM!?」とビビアンは内心でビビる。


 そう、セドリックは知っていた。


 ジュスティーヌにとって、ペット、つまり森の動物たちは多くの時間を共に過ごしたかけがえのない存在であることを。


 彼女にとって動物たちは、兄や父よりもずっと身近で大切なのだ。特にグリズリーのポーちゃんとは、幼いころから何度も相撲を取り、一緒に体を鍛え上げてきたのだ。ポーちゃんとは熱い友情の絆で結ばれていて、ジュスティーヌは学園に来る時、ポーちゃんを模したぬいぐるみを連れてきたぐらいなのだ。


 と言っても、その事情を知っているのは、この場ではジュスティーヌとセドリックだけなのだが。


「ははっ、何だ貴様は姫君の愛玩動物か! 愛玩動物ならば愛玩動物らしく」


 愛玩動物らしく振る舞え! と言おうとして天才王子はやめる。


 その脳裏に、姫と自他ともに認めるペットの男が「お手! おかわり! よくできまちた、おりこちゃんでしゅね。なでなで」とじゃれあっている許しがたい光景が浮かぶ。ペットと主人の絆というのは思いのほか深く、身体的な接触(スキンシップ)も多いのだ。


「まあ、よい。とにかくこれから私と姫はこちらで逢引をする予定なのだ。君らは下がりたまえ!」


 何かに気が付いたアカネがジュスティーヌにこそっと話しかける。


「姫様、この方、姫様にお手紙を送られた方の一人で、魔法少女になりたい王子殿下では?」


 ああ、そういえばそんな奇特な王子がいたっけ。いろいろありすぎてこの人の存在を完全に忘れていたわ!


 自分でここに呼び寄せておきながら、その存在をど忘れしていたジュスティーヌであった。

本日も読んでいただきありがとうございました!

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