魔神の城編4話
4話
「ノノ・ナンム……。あっちの食堂の用心棒だった」
「ええ、そう。来てない?」
「やっぱりね、あれが。店の客にからまれて、外に出たっきり帰ってこないよ」
「え、いつ?!」
「少し前かな……。あ〜もしかしてあの連中に食い逃げされた!」
店主らしいオバさんが、駆け出し裏口のドアを開けた。
ボクたちも追いかけて裏口から外に。
「あら、からんでたヤローたちが……」
黒フードマントで顔を隠したヤツラが倒れてる。
「あらら。死んではいないね」
ドナさんが5体、ひとりづつ確かめた。
フードの下はヒト族ではない顔の連中だ。
ソコにはノノ・ナンムは居なかった。
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「おねえさん、ノノ・ナンムは食い逃げしたの?」
「後でわかったのよ、彼女はテーブルにお金を置いて行ったの」
「ピポ、勇者はな食い逃げとかしないんだ」
「でも、ノノ・ナンム·は、いつ出るのさぁおねえさん」
「ガキども黙って聞け! 勇者ってーのは、なかなか出ないんだよ」
「物語じゃ出どころが肝心だ。勇者ってぇのはここぞと、いうところで現れる。ガキども、このおねえちゃんは話し方が上手いんだ」
「ありがとう。オジ様」
「姐ちゃん、誰がオジ様だよ、そいつはただの墓掘り屋だし、まだ若ぞーだ!」
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ドナさんは倒れてる男のふところから、カネ袋を取り。
「女将、こいつらの代金よ」
店のオバさんに袋を投げた。
「こんだけ有れば、足りるよ」
と、袋を受け取り中を見たオバさんが。金貨を取りドナさんに投げ返した。
「ドナさん、ノノ・ナンムさんて、暴れ者なんですか? 向こうの店でも店内で暴れて用心棒をクビになったとか」
「いや、ノノは、あたしより争い事が嫌いだけど、ちょっとばかし気が短い。怒らすと怖いんだ。ホラ、言ったろ凶将軍の剣のせいさ。アレ持ってるとさらに。それにさ、よくならず者にからまれるんだ。そのとき一言でも気に入らない言葉が出たら……。普段はあたしより静かで優しい女だよ。あの剣は呪われてるんだよ」
ドナさんが、そのまま裏通りを走って路地を見つけながら。
「居ないわねぇ。どこ行ったのかしら」
「おい、一つ目の姐ちゃんどきな」
見るからにヒト族ではない顔の三人が路地から現れてドナさんに剣を突きつけた。
「なんだ、あんたら? 剣、突きつけて、どけって野蛮ね」
「おっと、槍は立てたままだ、動くな。ほお〜一つ目の姐ちゃん、イイっ体してんな。ようが、すんだら遊ばなえか」
「誰が、おまえみたいなブサイクと」
剣をドナさんに突きつけてるヤツの両脇から同じ様な顔の男が二人、ボクたちの方に。
「おい、ガキどもイイもん持ってんだってな、その袋の中の物を出しな」
「おーいガキども、出さないと一つ目の姐ちゃんの目に刺しちゃうよ。一つしかないからねぇ見えなくなったら大変だぞぉ」
「まったく。このドナ様も、なめられたもんだね」
ドナは、立ててる槍の下を蹴って、両手持ちにし。槍の尻で剣の男の腹を突いた。
男は後方に突き飛ばされた。
クルッと槍を持ちかえたドナは槍先を男の顔に。
「槍は、剣より長い。お前も単眼にしてやろうか」
「一つ目の姐ちゃん、ガキどもの命はねーぞ!」
「あ、そっちも人質か。だけどさ、コッチのブサイクはあんたらの兄弟?」
「ああ、そうだ長兄だ。姐ちゃんも知ってるだろ、俺たちはガイリー兄弟だ!」
「ああ、なるほどお前らがならず者界で一番のブサイク兄弟か。言っとくけど、そのガキどもは、あたしと縁もゆかりもない他人だ。人質の価値なんてないよ」
「ああ、じゃ殺ってもいいんだな。兄貴、悪いな俺たち、このガキども殺ってネロ石を手に入れて、ここを去る」
「はあっ! てめぇら、二人……。兄のオレを見捨てるのか」
「あんた、いい弟を持ったな、じゃ遠慮なく。バカ弟ども! いいかぁ兄貴殺ったら今度はお前らだ逃さないからね。おまえらの首に賞金がかかってるよなぁ」
「バカヤロー。兄貴が、そう簡単にやられるかよ。一つ目の姐ちゃん」
そのとき、彼らの後ろから現れた何者かに二人は棒のような物で手と腹を突かれて持っていた剣のが飛ばされた。
そしてヒザ裏を突かれて地面に。
「グッ、てめえは!」
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「ついに出たね、おねえさん。ノノ・ナンムだよね!」
「みんな、わかってんだよガキ、黙って聞きな!」
「あ〜。残念ね、現れたのは棒を持ったデカ耳で丸い目のあの男ターナンだ」
「ピポ、違うじゃないの……」
「な〜んてね、冗談よ」
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「ノノ、ドコに行ってたんだよ。探したよ」
「あのね、ドナ。そこの店で山ブタのスープの飲んだら、腹壊してさぁ。店から出て手短に五人をのして、そこの便所に駆け込んだんだよ。出てきたら、あんたらが……」
つづく




