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ゲイルゴーラ4

本日の分。

「おおおおおっ! これは凄い!」と感動した青年の声。

土壁が無くなると、現れたのは薄汚れた服を着た2人の男の子だった。2人ともレーイより背が低く、年齢は10歳前後であろうか。

大人であれば、その程度の体格に体当たりされても蹌踉けないだろうが、レーイも見た目はまだ子供で、背も14歳にしては小さい。

「では、返してもらおう」

レーイが手を差し出す。

2人の子供は素直に従い、ずた袋と貨幣が入った袋をレーイに渡す。

「それで、この後はどうする?」と青年。

「どうする、とは?」

「この子供たちを衛士に引き渡すつもりはあるかい?」

青年の言葉に子供たちはびくりと肩を振るわせ、それから互いに視線を交わし、逃げる算段を始める。

「荷物も財布も戻ったし、特に被害はないから、これで幕引きで構わない」とレーイ。

「まあ、盗まれた君が言うんなら、僕もそれで構わないが……」

ほっと胸をなで下ろした子供たちは、

「じ、じゃあ、俺たちは、これで……」

と言ったかと思うとおもむろに走り出し、あっと言う間に姿を消してしまう。

「まったく、逃げ足の速い」

青年が呆れたように頭を掻いた。

レーイは「そうでなくては泥棒は務まるまい」と呟いてふっと笑みを浮かべた。

青年は、おかしなことを言うものだと不思議そうにレーイを見つめる。その視線に気付いたレーイは、

「わたしは果物屋に戻らなくてはならないが、助っ人殿はどうする?」

と訪ねた。

「ああ、付き合うよ。で、その後、魔術について教えて欲しいんだけど……?」

「許されている範囲なら話すのはやぶさかではない」

青年は「やった!」と叫んで、飛び上がらんばかりに喜ぶ。

その様子を見て、レーイも青年のことを不思議な人間だと思った。

「まだ名乗っていなかったね。俺はエライアス。エライアス・ノーンと言う。仕事は物書きだ。よろしく」

エライアスと名乗った青年は人の良さげな笑みを浮かべて手を差し出す。

「カヴァリエリの徒レーイ・カムネリアと言う。こちらこそよろしく」

そう応じてレーイは差し出された手を握り返した。

「カムネリア‼ 君はカムネリア神国の関係者なのか?」

エライアスの声は驚きのあまり大きくなっている。

「神国というのは知らないが、カムネリア出身なのは確かだ」

「おおおおっ!」

何が彼の心に響いたのか判らないが、エライアスは感動したようにそう叫んだ。目尻には涙を浮かべている。よほど嬉しいのだろう、「ついてるっ! 俺はついてる!」と何度も、噛みしめるように呟いた。

「それで、エライアス殿、そろそろ戻りたいのだが?」

「ああ、そうだね。いこうか。それから、俺のことはエライアスと呼び捨てで結構」

「了解した。それならわたしのことも呼び捨てにして欲しい」

「承知した」

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