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何人いる?  作者: 山奉行
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エピローグ

2話連続投稿の2話目で、これで完結です

 暗く、誰も居ない道を少女が一人、前に進んでいる。

 道の周りは棘のある植物が生い茂る森で、動物の居る気配すらない。そんな中少女は前に進む、そうしなければならない事を知っているように。少女の足取りは重く、力はない。それでもなお、前に進み続ける。そうしなければならない定めだから。

 突如、少女の前に男が現れる。少女が見たことのない衣装を着た不思議な感じのする男は、微笑みながら少女に話しかける。

「ずい分と派手にやらかしてくれましたね。魂がこんなに汚れてしまっては、綺麗な魂に戻るのにどれだけかかる事やら」

「あの、ここはどこですか?なぜ、前に進まなければと思ってしまうのでしょうか」

少女の問いかけに異装の男は答える。

「ここは中陰の道、現世うつしよ常世とこよの間の道。平たく言えば、この世とあの世の間と言ったところですね。貴女もご存じのはずですよ」

 少女は気付く、自分が死んだことを。人を惑わし、人を殺し、そして人に殺されたことを。

「貴女のような人は結構居るのですよ。死の間際に強い願い、執着、怨念を抱いて輪廻転生の輪を乱してしまう人が。次の命でも前の記憶を引きずってしまう可能性がある人は、一度平行世界に行ってもらって世界への影響を減らしてもらってるのです」

「平行世界って、そんなファンタジーじゃ無いんですし」

「輪廻転生は六道あると言いますが、それぞれの道が一つづつしかないと誰が言ってましたか?まあ、バランスという物があるので平行世界に転生する人はそんなに多く無いのですが」

 少女と異装の男は前へと歩き始める。

「それで、貴方は何者なんですか?」

「私ですか、私は亡者の魂が自ら浄化させる手伝いをする者。人によっては地獄の鬼ともいいますがね」

少女は怯える

「それでは、私は地獄に落ちるのですか?」

「前の時も地獄に行った方がいいと私はあなたに申しあげたのですがね。次は上手くやると申されたので向うの世界に送り出したのです。珍しいですよ、罪をこんなに増やして戻ってくる方は」

 少女は自分の姿を見る、それは汚れてしまった魂。腐れ、穢れてしまった魂。

「では、私は地獄で罪を滅ぼすのですか?」

「いえ、地獄で行うのは苦行による魂の浄化です。人の罪は常世で償う物ではありません。ただ、魂の穢れは落とさねば来世でまた彷徨い苦しむことになります」

 そう言って男は少女の手を取る

「何をなさるのですか?」

「いえ、貴女の本当の望みである『だれかが自分の意志で手を取ってくれる』を叶えてあげようかと思いまして。執心を残して苦行を行っても意味がないですから。勿論、苦行が大変な時は話ぐらいは聞きますよ、貴女の魂が浄化されることこそが私の望みですから」


 そして少女と男は先に進んで見えなくなる。

今までご愛読ありがとうございました。

ネタバレを少々活動報告にあげてます。宜しければそちらもご覧ください。

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