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何人いる?  作者: 山奉行
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麻薬騒動 ~アルベルト編~

 妙な話になって来た。ゲームの中に入るとか80年代からよくある話だが、自分に降りかかるとは思わなかった。コンピュータの中に入って悪のプログラムと戦う話を映画で見た事があるが、どうやら俺の身に降りかかったのはゲームのような平行世界に転生する話のようだ。目に映るものにはドットもポリゴンもない。

 こっちの世界の話が何故向うの世界でゲームになっているのだろうか。この世界から向うの世界に行った人が俺達みたいに記憶が蘇ったり夢に見たりしてゲームを作り出したのか?ミレーユ姫はどう考えているのか一度話してみたい。


 って思考が変な方に向かっている、今考えなければいけないのはヒロイン対策だろう。イザベラは魔力高い方だし、護衛の兄さんもぼちぼち魔力があるから近寄らなければ大丈夫みたいだ。今思い出したけど彼には疱瘡の治療手伝ってもらったっけ。

 あの後少し調べてみたのだが、ヒロインの周りに居た人達のうち、外側に居た人と魔力が高めの人は家に帰ったらほぼ普通に戻っていた。そして内側に居たマチアスとか学園銃士隊のほとんどは、家に帰っても程度の差こそあれヒロイン崇拝が酷いままだった。つまり

1.魅了の魔法もしくは洗脳の魔法はヒロインの魔力から離れれば治っていく

2.魔法に掛っている度合いが深いほど治りが遅い

3.治る速度は魔力による

という事なのだろう。行き着くところまで行ってしまったら戻ってこれるかは判らないけど…裏社会にいたらしいから、そっちの人間が今どうなってるか調べる事が出来るといいんだが。


 そろそろ寝ようかと思っていたら、王城から突然使者がやって来た。

「ミレーユ姫がお倒れにになられました。アルベルト様は医師と協力して治療にあたって頂きたいとのことです」

って、ミレーユが?俺の協力が必要という事は魔法が絡んでいるって事か?


 王城の中は蜂の巣をつついたような大騒ぎだ、ミレーユの侍女が俺を見つけて声をかけてきた。

「陛下がお呼びしたお医者様がアルベルト様に相談したいとの事です」

急いでミレーユの部屋に向かうと、見覚えのある初老の医者が居た。俺の疱瘡を治療してくれたあの人だ。

 ミレーユは魔法少女の姿に変身していて、顔は苦しそうに歪み脂汗をかいている。

「いったいミレーユに何が起きてるんだ」

と俺が尋ねると、詳しく答えてくれた

「恐らくですが、ミレーユ姫は王都で今流行っている麻薬を飲まされました。『魔力解放薬』と呼ばれているもので体内の魔力を暴走状態にして酩酊感や高揚感を得られるものです。常用すると精神的な禁断症状をもたらし、暴走する魔力によって体が蝕まれていきます」

つまり、ミレーユは麻薬の禁断症状なのか?

「それは違います。ミレーユ姫の類まれな魔力が仇となって僅かな暴走状態でも体に与える悪影響が桁違いのものになってしまっているのです。依存状態になる前なら暴走している魔力に魔法陣を与えて魔力を消費させていけばいいのですが、ミレーユ姫の魔力が強すぎて城の防衛結界を発動させてもまだ魔力が余ってしまってます。アルベルト様にお願いしたいのは出来るだけ早くミレーユ姫の魔力を消費仕切れる魔法陣を作り上げて頂くことです。そうすれば一日くらいかかりますが自然に治りますから」

 なるほど。通常人間が使う魔力は体の中にあり、それを体から絞り出して魔法陣に与える事で魔法を発動させる。ところが今のミレーユは魔力が体からあふれ出てしまっていて、魔法陣を使っても魔力を消費しきれていない。そしてその余った魔力が体をむしばんでいるという事か。

 考えろ、考えろ。何か方法があるはずだ…そうだ、前世で読んだ本にあるウォーロックだ。あの方法なら問題なく魔力を消費できる。

 そうと決まったらなるべく重たい車輪と魔法陣を書く銅板が必要だ。急いで作るからミレーユ待ってろよ。

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