表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
硝子玉の宇宙、箱庭の娘たち【旧版】  作者: 硝子玉の宇宙
箱庭の娘たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
62/135

第62話-あなたたちは、人間じゃない

61話の続き!

前回で会議が決裂した外部組織。

それでも、どうしても箱庭の娘たちのデータが欲しかった。

もちろん、プライドを取り戻すためっていう感情的な理由もあったみたい。

エルの魔法が発動するおはなし。


数か月後。


第六管制星系で、再び魔力災害の兆候が観測された。


最初の報告は、星系維持組織からではなく、監理局の遠隔観測網から上がった。


外縁鉱物惑星の地下層。

低軌道上の旧式魔術衛星。

廃棄された祈祷施設跡。

三つの地点で、同時に微弱な精神魔力の反応が発生している。


単発ならば、珍しいだけの異常だった。


しかし、三点が同期していた。


しかも、その同期波形は過去の記録と似ていた。


惑星監理局、情報班。

アカシックレコード・オフライン管理室。


ロジーは、頭上のデバイスから幾重にも展開した記録窓を睨んでいた。


「似てる」


彼女の声は、いつもの騒がしさより少し低い。


「二十七件。いや、待って。派生を含めるなら三十一件。全部、初期波形は小さい。でも対応を間違えると、瞬間的に増幅するやつ」


分析官が隣で端末を操作する。


「一致率は?」


「表面波形だけなら五十八パーセント。だけど、発生地点の配置と魔力圧の上がり方が気持ち悪いくらい似てる」


「気持ち悪い、では報告書に書けません」


「じゃあ、“既知災害群の前兆構造に対して、偶然一致として扱うには不自然な相関がある”」


分析官は、わずかに眉を上げた。


「採用」


ロジーは胸を張る余裕もなく、次の記録窓を開いた。


「これ、初動を間違えるとだめ。普通に封止杭を打つと、地下層が反発する。先に精神魔力の抜け道を作らないと、圧が逃げ場を失って都市部に噴く」


作戦統括官が、会議卓の向こうで腕を組んだ。


「通常班だけで足りるか」


ロジーは即答しなかった。


その沈黙で、部屋の空気が重くなった。


レトは会議室の端で、両手をぎゅっと握っていた。

淡緑の髪を左側で結んだワンサイドテールが、わずかに揺れる。

青いキューブの髪飾りが、照明を受けて小さく光った。


「わたし、行けるよ」


その声は明るい。


けれど、軽くはなかった。


「必要なら、わたしが行く。地下の空間をずらして、魔力の逃げ道を作れると思う」


ロジーが、レトを見た。


「うん。レトの空間魔術が必要になるかも。だけど、最初から出したらだめ。似てる記録だと、強い魔力が入った瞬間に反応が変わる場合がある」


「じゃあ、わたしは待機?」


「待機。すぐ出られる待機」


「うん!」


レトは強く頷いた。


その隣で、エルは椅子に座って、資料を見ているようで見ていなかった。


白髪の毛先の淡いピンクが、肩口でふわりと揺れる。

黄金に近い瞳は、投影資料ではなく、卓上に映る小さな惑星模型を眺めていた。


ジェレミーが言った。


「エル」


「ん」


「今回、最終手段として君の魔法行使も検討対象に入る」


会議室の空気が、また一段変わった。


エルは、ゆっくり顔を上げた。


「あたし、行く?」


「行く。ただし、魔法は使わない前提だ。使う場合は、私または副長、上位委員会承認、現場の生命保護条件が揃った場合に限る」


エルは少し考えた。


「分かった。使わないために、行く」


ジェレミーは短く頷いた。


「そうだ」


副長は端末に出撃構成を入力していた。


調査班。

技術班。

情報班。

戦闘班。

医療班。

外務班。

箱庭の娘たち三名。


その編成は重い。


だが、今回の災害兆候にはそれだけの危険があった。


そして、第六管制星系には、もう一つの問題がある。


外部組織。


数か月前、監理局はこの星系維持組織との共同戦線を廃棄した。箱庭の娘たちを兵器、資源、研究対象として扱う価値観が、資料と言動に露呈したからだった。


その後、星系維持組織は公式に謝罪こそしなかったものの、危険な幹部の更迭を発表した。


責任者の交代。

研究統括権限の整理。

監理局との接触窓口の刷新。

特殊人員への接触禁止の受け入れ。


文面だけなら、改善はあった。


少なくとも、監理局が再び現地へ入る程度には。


だが、副長はその報告を最初から信用していなかった。


出撃前の廊下で、ジェレミーが言った。


「確認は」


副長は笑みを浮かべたまま答える。


「表向きは済んでいます。元作戦局長は災害資源調整監へ異動。元研究統括官は星系災害史編纂室の顧問。どちらも実務権限なし、という建前です」


「実態は」


「人事決裁権はありません。ですが、予算配分、研究班の人員配置、現地防衛隊への非公式助言、災害対策部門への影響力は残っています」


ジェレミーの目が細くなった。


「更迭ではないな」


「配置換えです」


副長の声は、いつも通り穏やかだった。


「彼らは失脚したふりをした。あるいは、組織全体がそう見せた。こちらが再び現地へ入るように」


「罠の可能性は」


「あります」


「上位委員会には」


「共有済みです。ただ、兆候そのものは本物です。放置はできません」


ジェレミーは、少しだけ視線を伏せた。


「分かっている」


副長は、笑っていた。


だが、その笑みの奥にある温度は低かった。


「局長。今回、相手が線を越えた場合は」


「手続きを取れ」


「はい」


「感情で動くな」


副長は、わずかに肩をすくめた。


「努力します」


ジェレミーは、副長を見た。


副長は笑みを崩さなかった。


「冗談です。手続きは通します。感情が混じることと、手続きを曲げることは別ですから」


「そうだ」


ジェレミーは短く言った。


「だから君に任せる」


副長は、ほんの一瞬だけ目を細めた。


「承知しました」


現地滞在基地は、鉱物惑星の衛星軌道上に設置された臨時監理局区画だった。


星系維持組織が提供した施設ではない。


監理局が自前で展開した、移動式の封鎖拠点。


外壁は灰白色。

内部は狭く、無駄がない。

調査班の解析室、技術班の機材庫、医療班の臨時処置室、戦闘班の待機室、箱庭の娘たち用の休息区画。


エルは、窓のある小さな観測室を気に入った。


そこからは、鉱物惑星の夜側が見える。

地表の都市光は少ない。

代わりに、鉱脈に沿った淡い魔力光が、黒い地表に細い線を描いていた。


「きれいだね」


エルは言った。


レトは窓に顔を近づけた。


「でも、危ない光なんだよね?」


「うん。たぶん、苦しそうな光」


ロジーはデバイスを操作しながら答えた。


「地表から見ると綺麗だけど、地下では圧が上がってる。人間の街に噴いたら、みんな変な夢を起きたまま見るみたいになる」


レトは眉を下げた。


「それは、いやだね」


「いやだね」


エルは、窓の外を見たまま言った。


「人間、夢を見るのは好き?」


ロジーは少し考えた。


「楽しい夢なら好き。怖い夢は嫌。起きてるのに勝手に夢を見せられるのは、かなり嫌」


「そっか」


エルは頷いた。


「じゃあ、止める」


レトはぱっと笑った。


「うん! 止めよう!」


ロジーも笑う。


「まずは私の解析! レトは待機! エルは魔法使わない係!」


「使わない係」


エルは、その言い方が気に入ったように小さく繰り返した。


その数時間後。


すべてが分断された。


始まりは、通信異常だった。


外部回線ではない。

監理局拠点内部の、短距離通信。


調査班から技術班への定時報告が、一秒遅れた。


情報班の支援職員が、その遅れを検知した。


「内部回線、遅延」


次の瞬間、廊下の照明が青白く明滅した。


作戦統括官が顔を上げる。


「全区画、遮断確認!」


返答はなかった。


基地全体が、見えない硝子の箱に細かく分けられたように切断された。


空間分断魔術。


基地そのものを破壊するのではない。

廊下、隔壁、扉、通信経路、視線、音、移動座標をずらし、隣にいるはずの相手を別の閉鎖空間へ押し込める。


監理局の技術班なら、いずれ解除できる。


だが、時間はかかる。


その時間を稼ぐための魔術だった。


戦闘班の待機室に、警報音が響いた。


レトは即座に立ち上がった。


「敵!?」


近接戦闘員が武器を取る。


「まだ判断するな。内部侵入だ」


遊撃補佐員が扉へ走った。


扉は開かなかった。


いや、開いた。


開いた先が、廊下ではなかった。


黒い壁のような空間が広がっている。

三歩先がない。

空間が折り畳まれている。


「分断されてる」


遊撃補佐員が言った。


レトの周囲に、青白い硝子短剣が浮かんだ。


「わたし、抜ける!」


「待て、レト」


近接戦闘員が止めるより早く、壁面が破られた。


外からではない。


内側の床に、事前に仕込まれていた術式が開いた。


黒い装備の人影が、複数。


星系維持組織の実働部隊。


監理局の識別には、そう表示された。


敵性存在ではない。

魔物でもない。

人間。


その瞬間、レトの短剣の軌道が止まった。


「……人間?」


その一瞬で、拘束術式が起動した。


青い鎖のような光が床から跳ね上がり、レトの腕、脚、首元を絡め取る。


レトは反射的に硝子を砕こうとした。


だが、相手の顔が見えた。


若い兵士だった。


怖がっている。


それでも命令通りに動いている、人間だった。


レトの目が揺れた。


「だめ」


小さく、そう言った。


「人間に、刺しちゃだめ」


鎖が締まった。


レトの膝が床につく。


近接戦闘員が怒号を上げて飛び込んだ。

重装隊員が盾を展開する。

遊撃補佐員がレトへ伸びる拘束術式を切り裂こうとする。


だが、敵は監理局を研究していた。


レトが人間相手に一瞬止まること。

戦闘班がレトを庇うこと。

非致死制圧を選ぶこと。


全部、計算に入っていた。


別区画。


情報解析室。


ロジーは、デバイスを押さえていた。


「やだ」


最初に起きたのは、痛みではなかった。


遅延。


頭上のデバイスが、ほんの半拍、思考補助を遅らせた。


ロジーの顔から血の気が引いた。


「やだ、待って、待って、いま、私、次なに、えっと、記録、記録しなきゃ、違う、避難、連絡、局長、レト、エル、あれ、今どこ、ここ、ここどこ」


情報班の職員が叫ぶ。


「ロジーのデバイスに干渉!」


敵は通信侵入をしていなかった。


ハッキングではない。


もっと単純で、もっと悪質だった。


壁面から射出された細い物理針が、ロジーのデバイス外殻に接触していた。魔力信号ではなく、微細振動と局所磁場で、デバイスの制御リズムを狂わせている。


ロジーの脳は壊れている。


デバイスは、その壊れた脳がロジーとして日常を送るための外部補助だ。


そこへ物理的に触れた。


思考を直接殴るようなものだった。


「ロジー、見るな!」


情報班職員が彼女の前に出る。


「だい、じょうぶ、私、大丈夫、記録、記録開始、記録、き、ろく、あれ、文字、文字どこ、私の、私、わたし、私って、えっと」


ロジーの声がほどけていく。


言葉が繋がらない。


意味が逃げる。


彼女は両手で頭上のデバイスを掴もうとしたが、届かない。

デバイスは小刻みに震え、警告灯を赤く点滅させていた。


「やだ、やだ、やだ、私、まだ、分かる、分かってる、分かってるから、消えないで」


敵の一人が言った。


「対象二、思考低下確認。拘束へ移行」


その言葉を聞いた情報班職員の顔が、明確に変わった。


「対象?」


彼は、普段穏やかな記録整理官だった。


怒鳴ることは少ない。

ロジーの騒がしさにも、いつも静かに付き合っている。


その彼が、低く言った。


「今、誰を対象と言った」


敵は答えなかった。


拘束術式が走る。


情報班職員はロジーを抱えるようにして伏せた。


術式が背中を撃った。


彼は呻いたが、ロジーを離さなかった。


「ロジー、聞こえますか」


「きこ、聞こえる、聞こえる、たぶん」


「私の声だけ追ってください。ここは監理局拠点。あなたはロジー。情報班。デバイスに遅延。まだ繋がっています」


「まだ、繋がってる?」


「はい」


「私、いる?」


「います」


「記録、できてる?」


「今はしなくていい」


ロジーの目に、涙が浮かんだ。


「しないと、消えちゃう」


「消えません。私が覚えています」


その直後、二人の周囲を拘束術式が包んだ。


情報班職員は、最後までロジーの耳元で言い続けた。


「あなたはロジーです。ここにいます。消えていません」


観測室。


エルは、一人だった。


最初の警報は聞こえなかった。


空間分断魔術が、音を切っていたからだ。


エルは窓際に座り、鉱物惑星の夜側を眺めていた。


地表の魔力光が、さっきより少しだけ乱れている。

細い線が震え、時々、泡のような光が膨らむ。


「苦しそう」


エルは呟いた。


背後で、扉が開いた。


いや、扉の形をした空間が剥がれた。


黒い装備の人影が、五人。

さらに後ろに、術式支援の影。


エルは振り返った。


「なに?」


敵は答えなかった。


一人が、拘束術式を起動した。


白い輪がエルの足元に広がる。


エルはそれを見下ろした。


「これ、あたしを止めるやつ?」


返答の代わりに、衝撃が来た。


非致死性の魔力弾。


肩に当たった。


エルの小さな身体が、壁にぶつかった。


痛みはあった。


だが、エルはすぐに悲鳴を上げなかった。


肩を押さえ、首を傾げる。


「いまの、なに?」


敵の一人が、わずかに息を呑んだ。


事態を理解していない。


その反応が、かえって彼らを苛立たせた。


「対象三、反応鈍い。追加拘束」


二発目。


今度は脚に当たった。


エルが床に膝をつく。


そこで、ようやく理解が追いついた。


これは遊びではない。

実験でもない。

人間が、エルに攻撃している。


エルは、ゆっくり顔を上げた。


「レトは?」


敵は近づいてくる。


「ロジーは?」


誰も答えない。


「職員さんたちは?」


返答はない。


エルの瞳が、少しだけ遠くを見た。


魔法を使うつもりはなかった。


使わない係だった。


でも、確認するだけなら。


見るだけなら。


エルの意識が、静かに広がった。


術式ではない。

探査魔術でもない。

通信でも、記録参照でもない。


エルが、硝子玉の宇宙の内側を見る。


そこにあるものを、自分の身体の痛みのように確かめる。


レト。


床に膝をつき、拘束術式に縛られている。

青白い硝子短剣は浮かんでいるのに、撃てない。

人間を傷つけてはいけないと、自分で自分を止めている。


ロジー。


デバイスが震えている。

思考がほどけている。

情報班職員に抱えられながら、必死に自分が消えていないことを確かめている。


戦闘班。


傷ついている。

それでも殺さないように戦っている。


医療班。


処置室の扉をこじ開けようとしている敵を、器具台で押し返している。


外務班。


通信を奪われないよう、血のついた手で端末を握っている。


作戦統括官。


閉鎖された指揮区画で、分断術式の構造を叫ぶように読み上げている。


死者はいない。


まだ、いない。


でも、みんな傷つけられている。


エルは、立ち上がった。


肩から血が落ちた。


赤かった。


エルはそれを見た。


それから、前にいる人間たちを見た。


「あたしは」


声は小さかった。


けれど、部屋全体が聞いた。


「あたしは、人間のことが好き」


敵は動きを止めなかった。


拘束術式が、エルの腕に絡む。


エルは、その術式を見た。


「でも、これはなに?」


誰も答えない。


「人間は、レトを痛くしない」


空気が、変わった。


「人間は、ロジーを壊さない」


窓の外の星が、遠くなったように見えた。


「人間は、職員さんたちを傷つけて、記録を取ろうとしない」


エルの声は、泣いていなかった。


怒鳴ってもいなかった。


だからこそ、異様だった。


「だから」


彼女は結論を出した。


「あたしには、分からない」


拘束術式が砕けた。


音はしなかった。


ただ、世界の方が、エルの理解に合わせて形を変え始めた。


「きっと、あなたたちは、人間じゃない」


魔法が顕れた。


観測室にいた実働部隊の顔から、表情が消えた。


皮膚が裂けたわけではない。

血が噴いたわけでもない。

肉体が壊れたわけでもない。


もっと根本的なものが外された。


名前。


声。


迷い。


命令に従う理由。


自分が人間であるという、輪郭。


彼らの身体が、半透明の硝子人形のように変わっていく。中には心臓の鼓動に似た光が残っている。死んではいない。苦しんでもいない。


ただ、人間として扱われていない。


武器が床に落ちた。


一人が口を開こうとしたが、声ではなく、命令文がこぼれた。


対象三拘束。記録取得。上位指示維持。


エルは、それを聞いた。


「ほら」


彼女は、静かに言った。


「人間の言葉じゃない」


魔法は観測室だけで止まらなかった。


基地内にいた実働部隊へ広がる。


空間分断魔術の術者。

ロジーのデバイスに物理干渉を仕掛けた者。

レトへ拘束術式を放った者。

監理局職員を負傷させた者。


全員が、同じように止まっていく。


透明な硝子の人形。

命令を保存した器。

人間の形をした、作戦の道具。


そして、魔法はさらに奥へ伸びた。


指示系統へ。


隠された通信回線。

偽装された災害対策室。

更迭されたはずの元幹部たちがいる、地下司令室。


元研究統括官は、端末の前で立ち上がった。


「何だ、これは」


自分の声が、文字列になって床に落ちた。


何だ、これは。


彼は喉を押さえた。


次の瞬間、彼の身体から色が抜け始めた。


元作戦局長が叫ぼうとする。


「緊急遮断を――」


声は命令文になった。


緊急遮断を実行。証拠記録を破棄。災害兆候を第二段階へ移行。


その場にいた者たちが、互いを見た。


彼らは初めて理解した。


エルを知らなかったのではない。


彼らは、知らないものを利用しようとした。


その結果、知らないものに見られた。


人間としてではなく。


加害の構造として。


エルの魔法は、彼らを殺さなかった。


殺す必要がなかった。


人間でないなら、処理すればいい。

危険な装置なら、停止すればいい。

命令文の塊なら、封印すればいい。


エルの中で、それは優しい結論だった。


レトとロジーと職員たちが、これ以上傷つかないための、いちばん簡単な方法。


だからこそ、最悪だった。


ジェレミー・クリエットは、分断された通路を走っていた。


手には、ハンドガン一丁。


基地内の空間は、正常な地図を失っていた。

一歩先が十メートル先に繋がり、右の扉が背後の廊下へ戻り、天井の照明が床に映る。


だが、ジェレミーは迷わなかった。


魔術師ではない。

空間術者でもない。

それでも、彼は戦場の歪みを読む。


銃声が鳴る。


弾丸は敵ではなく、術式の節へ撃ち込まれた。


正確に。

必要な数だけ。

一発ごとに、分断空間の角が剥がれていく。


副長の声が、内部回線の残骸から飛んだ。


「局長、エルの魔法が指示系統へ到達しています」


「死者は」


「現時点で確認なし。ですが、実働部隊および指示者の存在定義が変質中。人間判定の剥奪に近い」


ジェレミーの表情は変わらなかった。


「エルの位置は」


「観測室。単独。負傷あり」


ジェレミーの足が速くなった。


副長は続ける。


「レトとロジーは救出班が向かっています。私は上位委員会と接続中。指示者が第二段階を起動しようとした場合、排除承認を取ります」


「取れ」


「はい」


通信が切れた。


ジェレミーは最後の分断壁の前で止まった。


向こう側に、エルがいる。


壁は透明ではない。

だが、気配はあった。


冷たい。


静かな。


人間を好きな少女が、人間をやめさせようとしている気配。


ジェレミーはハンドガンを構えた。


撃った。


弾丸は壁を壊さなかった。


壁に刻まれた術式の一点だけを穿ち、空間の噛み合わせを外した。


観測室への道が開く。


ジェレミーは入った。


そこには、硝子人形のようになった兵士たちが立ち尽くしていた。


その中央で、エルが空を見ていた。


肩から血を流し、脚にも傷がある。

顔はいつも通りに見えた。

ふわふわしていて、淡々としていて、泣いていない。


だが、手が震えていた。


小さく。


どうしようもなく。


ジェレミーは銃を下ろした。


「エル」


エルは、ゆっくり振り返った。


「ジェレミー」


その声も、いつも通りだった。


「来たんだ」


「ああ」


「レト、痛かった」


「知っている」


「ロジー、分からなくなってた」


「知っている」


「職員さんたち、血が出てた」


「知っている」


エルは、硝子人形たちを見た。


「あたし、人間のことが好き」


「ああ」


「でも、これ、人間じゃない」


ジェレミーは、まっすぐエルを見た。


「人間だ」


エルの瞳が、わずかに揺れた。


「違うよ。人間は、あんなことしない」


「する」


ジェレミーの声は、静かだった。


「人間は間違える。傷つける。奪う。命令に隠れる。合理性で誰かを損耗表に入れる。怖いことをする」


エルは、少しだけ首を振った。


「じゃあ、あたしの好きな人間と違う」


「違う人間だ」


「そんなの、いや」


「それでも人間だ」


エルの手の震えが強くなった。


「人間だったら、戻したら、また傷つける」


「それは私たちが止める」


「またレトが痛くなる」


「止める」


「ロジーが壊れる」


「止める」


「職員さんが死ぬかもしれない」


「その前に止める」


「ジェレミーも、傷つく」


ジェレミーは、そこで少しだけ沈黙した。


そして言った。


「それでも、君が人間をやめさせてはいけない」


エルは黙った。


「君が人間を好きでいたいなら、人間を人間のまま止めろ。罰するにしても、裁くにしても、殺すにしても、人間として扱え」


エルの目が、ほんの少し見開かれた。


「殺すのは、いいの?」


「いい、ではない」


ジェレミーは近づいた。


周囲の硝子人形たちは動かない。


「必要なら、私たちが責任を持って行う。手続きを通し、記録を残し、理由を背負う。君が怖かったから、分からなかったから、人間じゃないことにして消す。それは違う」


エルは、俯いた。


「怖かった?」


その声は、自分でその言葉の意味を確かめるようだった。


ジェレミーは、エルの前で膝をついた。


目線を合わせる。


「怖かっただろう」


エルは泣いていなかった。


涙はない。

表情も崩れない。


それでも、身体は震えていた。


「あたし、分からなかった」


「ああ」


「人間が、なんで、あんなことするのか」


「ああ」


「レトが、撃てなかった」


「あいつは、人間だと分かったから止まった」


「ロジーが、消えそうだった」


「消えていない」


「職員さんたち、痛かった」


「全員、帰す」


エルは、ジェレミーの袖を掴んだ。


弱い力だった。


「戻したら、人間になる?」


「元から人間だ」


「戻しても、傷つけたことはなくならない?」


「なくならない」


「じゃあ、どうするの」


「裁く」


「裁く」


エルは、その言葉を小さく繰り返した。


「人間として?」


「人間として」


長い沈黙。


それから、エルは小さく頷いた。


「分かった」


魔法がほどけた。


硝子人形たちに、色が戻る。


肌。

声。

呼吸。

恐怖。

罪悪感。

命令への服従。

保身。

悪意。


人間の輪郭が戻る。


戻った瞬間、実働部隊は全員、床に崩れ落ちた。


死んではいない。

だが、もう立てなかった。


エルの膝も崩れかけた。


ジェレミーが抱き止めた。


エルは、しがみつかなかった。


ただ、されるがままに抱き締められていた。


ジェレミーは、責めなかった。


「怖かったな」


その一言で、エルの震えが一度だけ大きくなった。


泣かない。


泣き方が、まだ分からないような顔だった。


それでも、ジェレミーは抱き締め続けた。


「もういい。ここは私が引き受ける」


エルは、ジェレミーの肩口で小さく言った。


「人間に戻した」


「ああ」


「あたし、できた?」


「できた」


「じゃあ、次は、ジェレミーが止めて」


「分かった」


レトは、戦闘班に救われた。


重装隊員の盾が拘束術式を受け止め、遊撃補佐員がレトの腕に絡んだ術式を切り、近接戦闘員が敵兵を床へ叩き伏せた。


殺してはいない。


だが、二度とその場で立ち上がれないほど、正確に無力化した。


レトは、床に座り込んだままだった。


硝子短剣は消えている。


「わたし」


声が震えていた。


「止まっちゃった」


近接戦闘員は、膝をついてレトの拘束具を外した。


「止まったな」


「人間だったから」


「ああ」


「でも、職員さんたち、怪我した」


「したな」


レトの目に涙が溜まる。


「わたしが、すぐ動けたら」


近接戦闘員は、乱暴に言わなかった。


ただ、短く言った。


「人間だと分かって止まったんだろ」


「うん」


「それは、お前が教えられたことを守ったってことだ」


「でも」


「次にどうするかは、帰ってから訓練する。今は帰還だ」


レトは、唇を噛んだ。


「お兄さんのところ、行きたい」


「行ける。だが先に医療班だ」


「うん」


レトは頷いた。


泣きながら、それでも立った。


ロジーも救われた。


デバイスへの物理針は、技術班が切除した。

思考補助はすぐには安定しない。


ロジーは医療班の簡易ベッドで、毛布にくるまれていた。


頭上のデバイスは、淡い光を取り戻している。

だが、いつものような高速ホログラムは出ていない。


「私、ログ飛んだ?」


彼女は最初にそう聞いた。


記録整理官が、隣で答えた。


「一部、欠落があります」


ロジーの顔が歪んだ。


「やだ」


「ですが、私が覚えています」


ロジーは、彼を見た。


「ほんと?」


「はい」


「私、変なこと言った?」


「言いました」


「なに?」


「あなたはロジーです、と何度も確認しました」


ロジーは毛布を握った。


「そっか」


「はい」


「私、いた?」


「いました」


ロジーは、少しだけ息を吐いた。


「じゃあ、あとで記録して」


「本人確認後、非公開分類で」


ロジーは、弱々しく笑った。


「ちゃんとしてる」


「情報班ですから」


その言葉で、ロジーはようやく目を閉じた。


地下司令室。


元幹部たちは、人間に戻っていた。


だからこそ、次の命令を出せた。


「第二段階を起動しろ」


元作戦局長は、震える手で端末を掴んでいた。


エルの魔法から戻された恐怖で、顔は青白い。

それでも、彼は止まらなかった。


証拠を消すため。

監理局を巻き込んで災害化し、すべてを混乱へ流すため。

自分たちの失敗を、災害のせいにするため。


元研究統括官も、同じだった。


「記録を破棄しろ。災害兆候が自然増幅したように見せる。監理局が介入失敗した形に――」


その時、部屋の照明が消えた。


非常灯が点くより早く、副長が立っていた。


金髪。

細身の長身。

いつもの薄い笑み。


場違いなほど、静かな姿だった。


「残念ですが」


副長は言った。


「すべて記録済みです」


元作戦局長が凍りついた。


「なぜ、ここに」


「空間分断魔術は、監理局拠点内では時間稼ぎになりました。しかし、外部司令室の遮断は甘い。あなた方は監理局の特殊人員ばかり研究して、監理班を軽視しすぎた」


副長の手元には、小さな通信端末があった。


上位委員会緊急承認。


表示は簡潔だった。


第六管制星系人為的魔力災害誘発事件。

指示者群による第二段階災害起動の即時危険を確認。

拘束不能、証拠破棄および広域被害拡大の恐れあり。

惑星監理局副長による先制排除を承認。


元研究統括官が叫んだ。


「待て、我々は星系のために――」


「いいえ」


副長の笑みは消えなかった。


「あなた方は、箱庭の娘たちをもう一度おびき出すために、人為的に災害を育てた。監理局職員を襲撃し、ロジーのデバイスに干渉し、レトの倫理教育を利用し、エルの反応を観測しようとした」


彼は一歩進んだ。


「そして今、証拠隠滅のために第二段階を起動しようとしている」


「拘束すればいいだろう!」


元作戦局長が叫んだ。


副長は、静かに首を振った。


「拘束術式を起動した瞬間、あなたの足元の端末が災害増幅を実行する。生命反応停止でも同じ。だから、停止手順を先に奪いました」


元作戦局長の顔が歪む。


副長は続けた。


「あなた方の仕込みは、もう無効です」


元研究統括官が後ずさった。


「なら、殺す必要は――」


「あります」


副長の声は、変わらなかった。


「あなた方は、戻せばまたやる。役職を変えても、権限を残した。更迭されたふりをした。謝罪も反省もせず、次の機会を待った。そして今回、実行した」


その目が、ほんのわずかに冷たくなる。


「監理局は、三度目を許しません」


微小な魔力針が、空気に生まれた。


肉眼ではほとんど見えない。


細く、静かで、無駄がない。


副長の暗殺術式。


怒りに任せたものではない。

叫びも、見せしめも、拷問もない。


承認。

対象確認。

周辺被害評価。

証拠保全。

退路封鎖。

そして、排除。


精密すぎる殺意だった。


元作戦局長が最後に見たのは、副長の笑顔だった。


「これは報復ではありません」


副長は言った。


「宇宙維持上の処理です」


針が走った。


数秒後。


地下司令室の指示者群は、全員沈黙した。


副長は、すぐに端末へ報告を送った。


先制排除完了。

第二段階起動阻止。

証拠記録保全。

周辺被害なし。


送信。


それから、副長は一度だけ目を閉じた。


感情はあった。


当然、あった。


レトが人間相手に止まることを利用したこと。

ロジーの壊れた脳を支えるデバイスへ触れたこと。

エルに、人間を嫌わせるような光景を見せたこと。


それらへの怒りが、ないはずがない。


だが、副長はその怒りを理由にはしなかった。


理由は、書類に残るものだけでよい。


彼は目を開け、いつもの笑みを戻した。


「局長」


通信を繋ぐ。


「こちらは終わりました」


少し遅れて、ジェレミーの声が返った。


「エルは止めた」


副長は、初めてわずかに息を吐いた。


「それは何よりです」


「レトとロジーは」


「救出済みです。医療班が対応中」


「死者は」


「監理局側、なし。外部実働部隊も生存。指示者群は、上位委員会承認に基づき排除しました」


短い沈黙。


ジェレミーが言った。


「戻れ」


「はい」


副長は通信を切った。


地下司令室には、もう命令を出す者はいない。


端末には、彼らが仕組んだ人為的魔力災害の全記録が残されている。


箱庭の娘たちを引きずり出すために、惑星を危険に晒した記録。

監理局職員を襲撃した記録。

レト、ロジー、エルの反応を観測対象として分類した記録。

第二段階起動による証拠隠滅計画。


すべて残る。


ロジーが見なくても。

ロジーが記録できなかった時間でも。


監理局が記録する。


副長は、最後に部屋を振り返った。


「理解したふりをするな、と言ったでしょうに」


その声は、誰にも届かなかった。


帰還後。


監理局の医療区画は静かだった。


レトは、包帯を巻かれてベッドの端に座っていた。

ロジーは隣のベッドで、デバイスの再同期を受けている。

エルは少し離れた椅子に座り、毛布を肩にかけられていた。


三人は、ほとんど喋らなかった。


職員たちも、無理に励まさない。


軽い言葉で終わる出来事ではなかったからだ。


ジェレミーが入ってくると、レトはぱっと顔を上げた。


「お兄さん」


声は小さかった。


ジェレミーはレトの前に立つ。


「よく帰った」


それだけで、レトの顔が歪んだ。


「わたし、人間って分かって、止まっちゃった」


「聞いた」


「職員さんたち、怪我した」


「それも聞いた」


「わたし、だめだった?」


ジェレミーは、即座に答えた。


「だめではない」


レトは、ぽろぽろ泣き出した。


ジェレミーは続けた。


「次にどうするかは訓練する。だが、人間だと分かって止まったことを、私は責めない」


レトは、泣きながら頷いた。


「うん」


ロジーが、毛布の中から小さく手を上げた。


「局長」


「ロジー」


「私、ちょっと分からなくなった」


「ああ」


「でも、戻った」


「戻っている」


「ログ、欠けた」


「補完する」


「私が記録できなかったのに?」


「監理局が記録した」


ロジーは、目を丸くした。


それから、少しだけ笑った。


「じゃあ、私、消えてないね」


「消えていない」


ロジーは、デバイスの光を見上げた。


「そっか」


その声は、いつものロジーよりずっと静かだった。


最後に、エルが言った。


「ジェレミー」


ジェレミーは振り返る。


エルは毛布を握っていた。


「人間に戻した」


「ああ」


「でも、戻した人間は、死んだ?」


レトが息を止めた。


ロジーも目を開いた。


ジェレミーは、嘘をつかなかった。


「実働部隊は生きている。指示者は、副長が排除した」


エルは、しばらく考えた。


「人間として?」


「人間として」


「記録した?」


「した」


「理由も?」


「残る」


エルは、小さく頷いた。


「じゃあ、あたしが人間じゃないことにしなくても、止まる?」


ジェレミーは言った。


「止める」


エルは、その言葉を受け取るように目を閉じた。


「分かった」


その日、エルは泣かなかった。


レトは泣いた。

ロジーは少しだけ泣いた。

エルは泣かなかった。


ただ、眠るまでずっと、毛布の端を握っていた。


ジェレミーはその横にいた。


副長は少し遅れて医療区画に戻ってきた。


血はついていない。

服も乱れていない。

いつもの笑みもある。


だが、ロジーが彼を見て、小さく言った。


「副長、怒ってる?」


副長は足を止めた。


「怒っていませんよ」


レトが涙目で見上げる。


「ほんと?」


副長は、少しだけ笑みを深くした。


「手続きは済ませました」


ロジーは毛布を握ったまま、ぼそっと言った。


「それ、怒ってる大人の言い方だ」


副長は否定しなかった。


ジェレミーも何も言わなかった。


エルだけが、副長を見ていた。


「副長は、人間?」


副長は穏やかに答えた。


「ええ。困ったことに」


エルは少し考えてから言った。


「じゃあ、怒っても人間」


副長は、ほんの一瞬だけ目を丸くした。


それから、静かに頭を下げた。


「はい。怒っても、人間です」


その言葉を、エルは覚えた。


事件後、第六管制星系維持組織は、上位委員会の直接監査下に置かれた。


人為的魔力災害の誘発。

監理局拠点への武力襲撃。

箱庭の娘たちへの計画的接触。

ロジーのデバイスへの物理干渉。

レトの倫理教育を利用した拘束。

エルの魔法反応を誘発する意図。

証拠隠滅目的の第二段階災害起動未遂。


それらは、政治問題では済まなかった。


組織は解体されなかった。


だが、中枢は切除された。


権限系統は監理局と上位委員会の監査下で再構築され、特殊存在に関する研究部門は閉鎖された。過去に提出された魔力生命体戦力資源化に関する全資料は、禁書管理担当と倫理監査主任の共同管理下へ移された。


監理局内部には、新しい研修項目が追加された。


人間を人間として止めること。


副長が作った項目だった。


講義の冒頭、彼はこう言う。


「敵が人間である場合、難易度は上がります。殺せないからではありません。殺すとしても、人間として扱わなければならないからです」


新人たちは、その言葉の意味をすぐには理解できない。


それでよい。


理解したふりをされるより、ずっとよい。


監理局は、記録を残す。

判断を残す。

失敗を残す。

震えを残す。


レトが止まったこと。

ロジーがほどけかけたこと。

エルが人間を人間ではないものにしかけたこと。

ジェレミーがそれを止めたこと。

副長が、承認を得て指示者を殺したこと。


全部、残る。


誰かを責め続けるためではない。


次に、同じことを繰り返さないために。


そして、箱庭の娘たちが人間を好きでいられるように。


硝子玉の宇宙は、今日も続いている。


その内側で、人間は間違える。

傷つける。

奪う。

嘘をつく。

合理性の名で誰かを壊そうとする。


それでも、監理局は人間を人間として止める。


箱庭の娘たちを兵器にしないために。

人間を怪物に逃がさないために。

エルが、人間を好きだと言える世界を、まだ終わらせないために。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の活動場所です! 総合リンクです! TiktokやYouTube、lineスタンプなどの総合リンクになってます!! よかったらみに来てくださいね! 箱庭の娘たちのイラストや動画をAI生成していますっ(*´▽`*) おはなしが気に入ってくださったら、評価やリアクション、ブックマークなどしてくださると、とっても嬉しいです(≧∀≦*)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ