本編への準備
彼を痩せさせるためにはどのようにしなければならないのか。
兵藤昇ダイエット計画表を作成するために脇家克巳はPC教室にいた。いろんなダイエット情報を手に入れ尚且つ、確実に効果があるもの。その中にはダイエットサプリメントというものがあるがあれはダメだ変にお金がかかるし、そもそも期待できる代物ではない。食事制限をかけるには家の事情にも入らないといけない。それは脇役として失格だ。本の1行にも出てきてはならない。それが脇役である。
克巳はまず兵藤に接近するためライトノベルを昨日から読み漁りなんとなくの予備知識、ネットで考察を理解し友達だけどもあんまり仲良くない変な立ち位置を手に入れることに成功した。
そう。まずは主人公に遠すぎないけど近くもない。立ち位置をうまく作ることから始める。脇役は交通人Aとは違い歩くだけでは仕事にならない。伏線を回収するためのシーンを無理くり作ることや、プロポーズの際に通行人が通らないようにそのスポットの交通整理や、味方をギリギリで守るために時間を調整するなど本当に主人公より気を遣う役なのだ。
話は戻り、ダイエット計画だが、まず彼、兵藤昇は足があまり良くない。昔怪我をしてしまって長い運動はできないようだ。しかしながら彼は歩くことは普通にできるようになっている。ジョギング程度なら大丈夫だろう。
そして、太り始めたのは中学に入る前からのようでもともと太っているわけではない。運動量と食事の量がマッチしてなかっただけであるということがわかる。
それならば、「お前その体型は来栖ミルネ(某小説のヒロインであり、兵藤の一番の推し)の理想体型との異なりが半端ねぇぞ」の言葉でダイエットを促し、5月にある体育祭の学校伝統よさこいソーランを全力でさせる。
俺が辿り着いたダイエット方法。それはとにかくいろんな部位を動かし汗をかかし、筋肉をつける幼稚園児でも秒で思いつくようなパワープレイダイエット方法だった。
もちろんこれだけではダメだ。彼は足に負担を長くはかけれない。あまりしたくはないが彼の見る動画サイトの広告を全てダイエット関係にさせる。そのために今までの多くの経験から学んだ簡単なパソコン操作で兵藤昇で動画サイトにログインし当然のようにダイエット法の動画を再生しまくった。もちろん後で再生履歴は消した。これで広告が流れる。あとサプリメントも買っておいた。明日俺の泊まっているホテルに届く。
残り一ヶ月で別人のようなボディーを、最悪でも超メタボ体型から小太りまで減量し、抱かれたいランキングワースト1位から抜け出す。それからがスタート。
克巳はダイエット計画表を印刷し、カバンに収め、そしてカバンの中に入った一冊の白い本を取り出した。
そこには一ヶ月後から始まるストーリーが書き込まれている。
「1ヶ月後彼は運命的な出会いを果たし、恋愛コメディーが始まる」
この本は克巳が10歳の頃から持っている。なぜそれを持っていて、誰から渡さたのか、拾ったのか…。それまでの記憶はない。自分の居場所のない世界からのスタートだった。
ただわかるのはこのシナリオ通りにことを進めなければこの世界線は崩壊すると言うこと。
関わった事のない人たちの幸せが崩壊し、幸せになるはずだった主人公やヒロインは行方不明になる。そして暗転し、終了する。
その時一体何が起こったのか10歳の克巳にはわからなかった。ただ、その時育てようとしてくれた知らないおばさんもお兄さんも消えてしまったと言うことがわかった。
それからはシナリオを完成させることだけを考えるようになった。もう誰も失わないために、崩壊しないためには自分が生きていくためにはシナリオを完結させなければいけないんだと理解した。
「ハッピーエンドならいいな…」
克巳はそう呟いてシナリオをしまい、PC教室を後にした。
パワープレイのダイエットが始まります。




