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グンマ県、海を買う  作者:


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30/43

直後に「しまった」

 ほんの少しだけ、時間をさかのぼる。


 東京とうきょう都知事とちじ都庁とちょうで、パソコン画面をながめていた。


 れい秘密ひみつ兵器へいきはまだ使っていない。使えばかならず勝てるのだ。


 なので、今回のオークションでは終盤しゅうばん近くになるまで、何もせずにのんびり見ているつもりだった。


 けれども、ここにきて心境しんきょうの変化がある。


 都知事の視線しせんの先、パソコン画面にならんでいるのは、次のような文字もじだ。


 ――見たか東京、鳥取大勝利!


 ――見たか東京、鳥取大勝利!


 ――見たか東京、鳥取大勝利!


 ――見たか東京、鳥取大勝利!


 ――見たか東京、鳥取大勝利!


 その数はどんどんえている。


 こういうものを見せられて、都知事の胸中きょうちゅうおだやかではなかった。


(これって、挑発ちょうはつしている? いや、ここは大人おとな対応たいおうをですね)


 冷静れいせいになろうとつとめるが、さらなる書きみが目にまる。


 ――首都しゅとわってやってもいいぞ! by鳥取県民


 その瞬間しゅんかん脳裏のうりかぶ。鳥取とっとり砂丘さきゅうに立つ国会こっかい議事堂ぎじどう


 都知事はついさけんでしまった。


「今すぐ秘密兵器を起動きどうさせてください!」


 直後に「しまった」と思った。


 前回の『フロンティア・オークション』でまなんだはずだ。あまりに圧倒的あっとうてきすぎる勝ち方はくないと。


 しかし、めるもなく、白衣はくい姿すがたの男たちが言う。


「都知事、正常せいじょうに起動しました」


「あ・・・・・・」


 パソコン画面上では一頭いっとうサラブレッドが、ものすごいいきおいで疾走しっそうしている。『1ドルドル』ずつなのに、おそろしい速さだ。


 当然とうぜん、ネット上も気づく。


 ――やばい! 東京が動いたぞ!


 ――このスピード、異常いじょうすぎるだろ!


 ――今回も容赦ようしゃなさすぎ!


 ――それでこそ、俺たちのラスボス!


(やめてー!)


 さらには、こんな書き込みまで。


 ――海はわたさん! 絶対ぜったいにな! by東京都民


(そういうのも、やめてーーーーーー!)


 機械きかい一旦いったん止めるように指示しじするが、


「できません。そういう仕様しようです。勝つまで止まりません。もっとスピードを上げることなら可能ですが」


「・・・・・・」


 都知事は心の中であやまる。もはや打てる手はない。


 たぶん、ネット上で活動中の絵師イラストレーターさんたちにまたもや、たくさん描かれてしまうのだろう。『東京ラスボスくん』や『東京ラスボスちゃん』のイラストを。


(少しは手加減てかげん、ヘルプミー!)


 しかし、他県のみなさんから見れば、手加減していないのは東京こっちの方だと思う。この事実じじつに、都知事はあたまかかえた。


 こうして『フロンティア・オークション』では、東京都の馬が暴走ぼうそうする。


 これにたいしてネット上では、


 ――東京の動き、何かおかしくないか?


 ――いいや、これが東京の平常へいじょう運転うんてんだろ。


 ――すごい連打れんだ速度だけど、『1ドルドル』ずつしか入札にゅうさつしていないような。


 ――っぽいな。これってつまり、あそんでいるってことか。


 ――それでこそ、俺たちのラスボス!


(やめてーーーーーーーーーーーーーーー!)


 画面上には早くも、『第四段階解禁』の文字もじだ。ここから先は、『10000ドルドル』ずつのみ上げが可能になる。


 だが、すでに絶望ぜつぼう支配しはいしていた。二〇近い県が「棄権リタイア」を表明ひょうめいしている。


 このまま東京都の暴走を、だれも止めることができないのか?


 しかし、まだ希望きぼうのこっていた。


 同時刻どうじこくべつの場所。


いそいだ方が良さそうだな」


「ああ。早く東京を止めるぞ」


 あの男たちが秘密裏ひみつり特殊とくしゅ作戦さくせん実行じっこうしていた。


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