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グンマ県、海を買う  作者:


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14/43

これは海を目指す戦い(その五)

「いただきます!」


 はらごしらえをしておこう。腹がってはいくさができぬ。


 グンマ県知事けんちじは『きまんじゅう』をくちにすると、ついつい一句いっく



  一念いちねんで 味噌みそだれ きまんじゅう



 濃厚のうこう味噌みそだれと、したまんじゅうが、絶妙ぜつみょうあじわいをみ出している。


 しかも、くしさっているので、オークションの動向どうこうを見ながらでも食べやすい。


(グンマが海を手にしたあかつきには、浜辺はまべの売店で『焼きまんじゅう』を出すのもいいな)


 そんなことを考えていると、秘書ひしょがにやにやしながら、


「点数をおつけしても、よろしいでしょうか?」


 グンマ県知事は「しまった」と思った。


 次から川柳せんりゅうむ時には、この秘書が近くにいないことを、絶対ぜったい確認かくにんしなければ。そうめていたのに、うっかりしていた。


「え、えーと、点数をつけるのは今回、遠慮えんりょしてもらえるかな」


「わかりました。では、がましいことかもしれませんが、私だったらさっきの川柳、『突き刺す味噌みそだれ』ではなく、『突き刺すグンマの』にします。こっちの方がいきおいがあります」


「あ、はい・・・・・・」


 しばらく川柳はひかえよう。少なくとも、この秘書が近くにいる時には。


 グンマ県知事は『焼きまんじゅう』を食べながら、パソコン画面を見つめる。


 アニメーションの競馬場けいばじょうでは、山梨やまなし県と栃木とちぎ県と長野ながの県がり合っている。


 もうすぐ『5000ポンディー』だ。そこから先は『第三段階解禁』。『500ポンディー』ずつの入札にゅうさつが可能になる。


 グンマ県知事は『焼きまんじゅう』を食べ終わった。「ごちそうさま」をする。


 三県がほとんど同時に、『5000ポンディー』をえた。さらにレースが加速かそくする。


(あの県はまだ動かないのか)


 今回のオークションにおいて、グンマ最大のライバルになるであろう存在そんざい


 いまだに姿すがたを見せていない。だが、参戦さんせんしてこないのは考えにくい。


 そろそろ中盤ちゅうばんせんだ。


(どのタイミングで動いてくる?)


 グンマ県知事は考える。


(もしも自分なら・・・・・・)


 このまま終盤までかくれていることはしない。


 入札にゅうさつ金額きんがくの『第四段階解禁』。それが最後の『解禁』だ。


 そこから先は、『10000ポンディー』ずつの入札が可能になる。


(そのあとすぐにグンマが、独走どくそう状態じょうたいきずくことができれば・・・・・・)


 あの県が必死にボタン連打れんだをしたところで、たぶんこちらにいつけない。


 今回の『フロンティア・オークション』には、『十分間ルール』が存在する。グンマは十分間、首位しゅい維持いじすればいいのだ。それで勝てる。


 ただし、これと同じことは、相手にも当てはまる。ぎゃく展開てんかいもあり得るのだ。グンマがいくらボタン連打をしたところで、あの県に追いつけないという展開も。


 グンマにとっても、あの県にとっても、相手に大きくリードされてはこま状況じょうきょうだ。


 この先の展開を、グンマ県知事は次のように予想する。


(こちらが動けば、相手も動く。相手が動けば、こちらも動く)


 パソコン画面では、三県がはげしく競り合っていた。


 およそ一分後、先頭集団が『30000ポンディー』を超える。


 画面に表示される『第四段階解禁』の文字もじ。ここから先は、『10000ポンディー』ずつのみ上げが可能だ。


 次の瞬間しゅんかん一頭いっとうサラブレッドがグンマの真横をけていった。


「やはり、このタイミングで動くか」


 今回のオークションにおいて、グンマ最大のライバルになるであろう存在。


 埼玉さいたま県、発進!


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