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体育祭
さつきと優美は、体育祭のグループが同じだった。
背の高い2人は、中学2年生から高校3年生まで、大将騎を支えた。
さつきは、今でも大将戦で流れる慣習のあったロッキーのテーマを聞くと血が踊る。
中学2年生のパフォーマンスの衣装は、当時流行したギンガムチェックでバルーンスカートのワンピースであった。誰がデザインしたのだろう。
優美がスカートを履いているのが珍しくて、さつきはインスタントカメラで彼女を撮った。
彼女は、ナチュラルに、そこに写った。
彼女たちの一つ上の学年は、黒いタンクトップにてんとう虫のような毒々しいオレンジ地に黒の水玉であった。
彼等は優勝し、上の学年は面子を潰されて臥薪嘗胆することとなる。
そこに、さつきの好きな先輩がいた。
よくある、女子校の「王子様」だ。




