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発音  作者: みるく
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5/10

氷と呼ばれた王子

その人は、氷とも王子ともゼロスとも呼ばれていた。

さつきは、彼女を氷先輩と読んでいた。

彼女は所謂クールでボーイッシュな先輩で、周りから人気があった。

阿呆のような戦いが、日夜下級生の間で行われていた。


レンタルショップで鈴木の好きなアーティストのCDを借りたら気に入ったので、さつきがそう告げると鈴木は冷たかった。

何か最近冷たいな。

そして、香織は聞いた。

「五月雨さんの声、キンキンして耳障りなんだよね」

どん、と彫刻刀をさつきが木に突き立てた。

無言でさつきは保健室に行き、次の授業をサボった。

優美ではない友達が、さつきの残した教科書を持って、ベッドサイドにやってきた。

何も、言わなかった。

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