表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
発音  作者: みるく
10/10

Happy Birthday to You

「優美さんって、誕生日いつ?」

「12月23日」

「そう、天皇誕生日だから覚えやすいね」

「それ、前にも言ってた」


 この時のさつきの心中を察してほしい。


 さつきは、まめな女である。携帯電話というものをほぼ同時に持った二人は、さつきは優美が選んだ曲を優美の着信音に設定して、彼女たちはごくたまにメールのやりとりをしていた。


 恐ろしいのは、28歳、つまり高校を卒業して10年後の誕生日も、さつきは0時になった瞬間に送れるように文章を推敲し、日付が変わるのを待って送信ボタンを押した。


 優美から、今回は早く返事が来た。

 曰く、もうさつきから誕生日にメールが来るのが楽しみで、朝いそいそとパソコンを立ち上げたというのである。そう、優美は仕事用の携帯しか今は持っていなかった。


 にやにやして、さつきは、絶対に来ない自分への誕生日メールの代わりに、大切に、書かれたメールを読み返す。

 流石に元文芸部、某最高学府の文学部は違うねえ。

 さつきはそう独り言ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ