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亡国の天才魔術師レルゲンの成り上がり~孤独だった俺を救ったのは、命がけで護った敵国の王女でした~【19万pv作リライト版】  作者: 雪白ましろ
第三部 異世界召喚編

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133/213

133話 空中都市メテオラ

 飛行船の発着場には、クラウドホルス騒動の影響なのか、かなりの数の人が並んでいた。

 全員が初めての観光地であるメテオラに到着し、早速上着を羽織るくらいには空気が澄んでいながらも冷え込んでいた。


 街の様子は白い遺跡を一部切り取ったような構造となっており、中央通りから十字に細い道が複数に伸びている。

 外周付近には途中で折れているような先端になっている柱がまばらに建ち、落下防止の柵が景観を壊さない程度に設置されている。


 今レルゲンたちがいるのは中央の浮島。

 下には巨大な浮遊魔石が遺跡部分と一体になっているが、他にも小さな島がいくつか浮いている。気になってスカイにレルゲンが尋ねた。


「この付近に浮いている島は、中央の浮島の下部にある浮遊魔石の引力によって、直接魔力を流し込む事なく浮いているのですよ。この浮遊魔石は超貴重な魔石として認定されていますので、危険を冒してまで削って盗もうとする輩がいるほどなのです。レルゲンさんたちは空を飛べますので、浮遊魔石に簡単に近づけると思いますが……盗まないで下さいね? 国際的な指名手配になりますので」


「やりませんよ」


 マリーはスカイの言葉を気にも留めず、目を閉じ大きく深呼吸をして満足そうな表情をしている。


「うーん! 空気がおいしいー!」


 マリーに釣られて他の皆も同じように深呼吸をして、気分を落ち着ける。


「まずはみんな何がしたい?」


「お腹空いた!」

「観光!」


 と意見が二つに分かれる。

 話を聞いていたスカイが、レルゲンを呼んで提案してくれた。


「観光されながら、出店でお腹を満たしてはどうでしょうか?」


「「賛成!」」


 と全員が口を揃えて賛同するので、今日は中央の浮島を巡りながらゆっくり観光し、お腹を満たすことに。


 セレスティアは柱に触れながら、歴史に思いを馳せていた。


「この石柱は、一体いつ頃から建っているのでしょうか……?」


「資料が少ないので何とも言えない部分はありますが、一説では数千年もの間この浮島にそびえ立っているとの研究結果がありますよ。材質で調べるそうです」


「なるほど……数千年もの間、この島は浮き続けているのですね」


 セレスティアが額を柱に当てながら目を閉じて、歴史を感じ取っている。

 この石柱に魔力は流れていない。

 しかし、脈々と受け継がれてきた風情ある雰囲気が、額を通じて流れ込んでくるようで、今まで高まり続けていた神経が落ち着いていくのを実感していた。


 カノンも歴史的な建造物に大変興味があるようで、セレスティアの手を引いてどんどんとレルゲンたちから離れていく。


「セレス姉! 次はあっちにいこう! 早く早く!」


「わかりました。今日はやけに元気ですね」


 ミリィと召子は観光よりも食べる事に夢中のようで、串が刺さった焼き肉を頬張っている。

 口がしょっぱくなったら氷を専用の機械で削った塊に、甘い果汁がかかった物を口の中に一気に流し込み、頭がキーンと痛くなって顔をしかめながらも楽しんでいた。


「召子さん! この氷の食べ物は前にも食べたことがあるんですか?」


「これは多分かき氷っていう、私がいた世界にもあった食べ物だと思います。久しぶりの元いた世界の料理に触れられて、ちょっと感動です……」


「これが召子さんがいた世界の食べ物……!」


 ――この世界の料理も美味しいものが沢山あるけど、もっと母国の味を再現した料理を自分で作ってみても面白いかも?


 フェンが焼き肉を欲しがっていたので、召子はタレがかかっていない部分を渡すと、夢中になって食べ進めている。


 負けじと二人が一気にかき氷を口いっぱいに放り込み、頭を押さえながらも食べる手は止まらなかった。


 マリーはレルゲンとディシア、三人で纏まって歩いて浮島から見える下に広がる雲海を眺めていた。


 レルゲンが買ってきた串焼きをマリーとディシアに渡し、近くのベンチに腰掛ける。


「ありがと」


「ありがとうございます」


 三人で串焼きを食べていると、普段こういった物は食べたことがないのか、ディシアが「美味しい……」と言いながら食べ進める。


 横で見ていたレルゲンとマリーは、年相応な反応を見せるディシアを見て少し微笑み、柵に肘をついてリラックスしていた。


「まさかこんないい所があるとはな」


「でしょう? 来るまでが大変なだけで、来ちゃえば都なのよね。レルゲンもここまでの飛行お疲れ様」


「ああ、このくらいの距離なら全然問題ないから、これはまたここに来てもいいかもな」


 食べ終わったディシアが、レルゲンに向かって改めてお礼をする。


「私を拾って下さるだけでなく、こんなところにまで連れて行ってくれて、本当にありがとうございます」


「いいんだ。皆の頑張りがあってからこその今があるんだから。この七日間は存分に楽しもう」


 各々が楽しんでくれる旅行になればいいなと、レルゲンは爽やかな風を浴びながら考えていた。

読んで下さってありがとうございます!

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よろしくお願いしますー!

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