第16章 ― 古城での戦い (上)
二本の柱から赤いエネルギーが放たれ、巨大なエネルギーの帯によって互いに繋がっていた。
そのエネルギーの流れは、古都コーロアからランドマーク72まで伸び、夜空の上で渦を巻きながら、まるで空間そのものが引き裂かれたかのように見えていた。
古都コーロアの外では、すでに人々が全員外へ逃げ出していた。
ミンもバーティーおばさんのところまで走ってきた。
しかし、ヴァン・ティエンがまだ中にいることに気づくと、彼は振り返り、再び城の中へ走ろうとした。
ミンが叫ぶ。
「兄さんがまだ中にいる!」
ミンが中へ飛び込もうとした瞬間、バーティーおばさんが彼を引き止めた。
「ダメ!」
ミンは必死にもがく。
「離して!」
しかし、おばさんの力はとても強かった。
ミンはただ、古城のほうを見つめながら、無力に叫ぶことしかできなかった。
「兄さぁぁぁん……!」
古城の中では、ドアン・ティエットが崩れた城壁の上に立っていた。
彼はヴァン・ティエンを見つめ、軽く笑う。
「また会ったな……」
「……ヴァン・ティエン」
ヴァン・ティエンは彼を睨む。
「何をするつもりだ?」
ドアン・ティエットは軽く肩をすくめた。
「何でもない……」
「ただの、ちょっとした実験だ」
彼は装置へ視線を向ける。
しかし、すぐに目を細めた。
「どうやら……まだエネルギーが足りないようだな」
ヴァン・ティエンはすぐに怒鳴った。
「その柱を今すぐ外せ!」
ドアン・ティエットは彼を見る。
「お前は何者だ……」
「俺に命令できるほどの存在なのか?」
ヴァン・ティエンの目が冷たくなる。
「なら……」
「俺が自分で壊す」
ドアン・ティエットは少し眉を上げた。
「ほう?」
「なら、やってみろ」
ヴァン・ティエンは拳を強く握った。
首にかかった十字架のネックレスが、ゆっくりと光り始める。
彼は助走をつけた。
そして――
シュッ!
空中へ飛び上がり、エネルギーの柱へ一直線に向かっていく。
だが――
バシッ!
一つの影が彼の前を塞いだ。
ドアン・ティエットだった。
彼は笑いながら、強烈な蹴りを放つ。
バキッ!
蹴りがヴァン・ティエンの腹部へ直撃する。
ドォン!
彼の身体は城壁へ叩き飛ばされ、石の破片が周囲へ飛び散った。
瓦礫の中で、ヴァン・ティエンはゆっくりと立ち上がる。
口元から血が流れる。
彼の目が冷たくなる。
そして、低く呟いた。
「5%……」
次の瞬間――
青いエネルギーが彼の身体の周囲で爆発する。
シュッ!
ヴァン・ティエンの姿が消えた。
一瞬後、彼はドアン・ティエットの目の前に現れる。
ドスッ!
強烈な拳が腹部へ叩き込まれた。
ドォン!
ドアン・ティエットの身体は吹き飛び、いくつもの城壁を転がりながら、ようやく止まった。
しかし、彼もすぐに立ち上がった。
そして、低く笑う。
「なら……俺も本気で戦うとしよう」
「Iron Breaker――Red Impact!」
彼が突進する。
赤く燃え上がる戦槌。
ヴァン・ティエンも拳を繰り出す。
二人は何度も互いに攻撃を繰り出した。
ヴァン・ティエンが拳を放つ。
ドアン・ティエットが戦槌を振り下ろす。
ドォン!
二つの力がぶつかり合い、衝撃波が古城中の砂埃と石の破片を吹き飛ばす。
ヴァン・ティエンが身体を回転させる。
バキッ!
ドアン・ティエットの腹部へ蹴りを叩き込む。
彼の身体が後方へ吹き飛ぶ。
ドォン!
しかし、ドアン・ティエットはすぐに立ち上がった。
次の瞬間、彼はヴァン・ティエンの背後へ瞬間移動し、戦槌を振り下ろす。
キィン!
ヴァン・ティエンはそれを受け止めた。
だが、戦槌の凄まじい力によって、彼の身体は地面へ押し付けられる。
ドォン!
地面が大きくひび割れる。
ヴァン・ティエンは痛みを感じた。
口元から血が流れる。
彼は口元の血を軽く拭い、ドアン・ティエットを見上げる。
首のネックレスも、さらに強く光り始めていた。
彼は突進する。
二つの技が激突し、まばゆい光が辺りを包み込む。
街の外では、一人の市民が空を指差した。
「見ろ!」
古都コーロアの空。
青と赤、二本の光が何度も激しくぶつかり合っている。
キィィン!
ドスッ!
ザシュッ!
古い城壁が次々とひび割れていく。
その時、ヴァン・ティエンがドアン・ティエットの腹部を蹴った。
バキッ!
ドアン・ティエットの身体が遠くへ吹き飛ぶ。
しかし、彼はすぐに体勢を立て直した。
そして、再び攻撃しようとした――その時。
装置から警告音が鳴った。
「エネルギー充填率……100%」
ドアン・ティエットはそれを見ると、微笑んだ。
「時間だ」
ヴァン・ティエンは眉をひそめる。
「時間だと?」
ドアン・ティエットは彼を見る。
「すぐに分かる」




