南西方面司令部
ニューギニア島では日本陸軍とアメリカやオーストラリアで構成された連合国軍が戦っている。
ニューギニア戦線の連合国司令部は豪州にあった。
※オーストラリア ブリスベン 連合国南西方面太平洋軍総司令部※
オーストラリア東岸の都市、ブリスベン。
およそ100万の米兵が駐屯する豪州。
豪州本土とその周辺を管轄する連合国軍の本部がここブリスベンに置かれていた。
連合国南西太平洋方面軍最高司令官のマックアーサーはその一室で戦況の変化を憂慮している。
フィリピンを脱出し、オーストラリア戦線への転進を経た彼は、いずれ再びフィリピンを我が手の内に入れようと、ここでその機会を窺っていた。
「━━━ガダルカナルでの日本軍をどう思う?」
「...今まで以上に強力だったと思います。
まさかあれだけ強固な航空戦力を誇ったガダルカナルが再び敵の手に渡るとは思いもしませんでした。
ガダルカナルが墜ちた今、我らオーストラリアは最早このニューギニア島を死守する以外に道はありません」
オーストラリア軍大将トマスの声には悲切な危機感が浮かんでいる。
トマス大将はマックアーサーの下に置かれた南西太平洋方面連合国陸軍の長でもあった。
「ブナを落とそうにも制空権がないとどうにも上手くいかん。
━━━戦況は最悪と言ってもいいだろう...」
マックアーサーは既にフィリピンで米軍を敗北へと誘った敗戦の将である。
米国本土では情報統制が敷かれ、マックアーサーは“英雄”へと祀り上げられていたが、フィリピンに続きニューギニア戦線でも失態を繰返せば彼の将来が暗澹たるものになることはまず間違いない。
彼の脳裏は不安で占められていた。
一方、ブナの日本軍は先日の補給が済ませてから活気を取り戻していた。
それは物資が届き残量に余裕が出来たことも勿論だが、帝国軍の新兵器によって敵機が次々と撃破されたため敵の空襲の頻度が下がったことに起因するものであった。
(アメリカの戦艦や空母も、今はこの海域からほぼいなくなってしまった。最早アメリカにはオーストラリアを守る力はないのかもしれない...)
トマス大将は先のガダルカナル沖海戦での米軍の惨敗を見て、祖国の行く末を案じている。
オーストラリア軍は実のところ単独では自国さえ守れないほどの装備しかない。
ここポートモレスビーが陥落すれば日本軍が豪州本土へと攻め寄せてくるのは正に時間の問題だと深刻に危惧していた。
(それにしても日本は航空戦力の拡充を始めたらしい...)
今に殲滅されようとしている戦場と連絡できる満足な手段がないため、自衛隊の戦闘機についてこの時点の彼らはまだ多くを知らなかった。
━━━そこへ報せが入る。
「ジャクソン飛行場からの急報です!!!!」
「━━━━なんだ!!!?」
「日本軍から攻撃を受けていると!!」
そこへまた別の士官が入ってくる。
「ワード飛行場、デュラン飛行場からも攻撃を受けているとの報告が!!!」
日本によるニューギニア島の連合国飛行場への攻撃作戦が始まった。




