アリエッタ 王国の中央へ
さあ、準備が整いました。
「お父様。お城をお願いしますね」
「あなた。お願いしますね」
「ああ、3人が本当に行ってしまうのか…」
えっと…。
3人目はエリーかな?
本当にしつこいお父様ですね。
お母様も一緒に行くのが面白いです。
笑顔でお父様に手を振っています。
何故だが離婚したみたいに見えます。
目の錯覚でしょうか?
お母様は侍女達と別の馬車です。
私とエリーは同じ馬車です。
馬車が全部で何台あるのかしら?
人も物も大きく動くから仕方がないですが凄い光景です。
「エリー、行きましょう」
「はい。アリー王女様」
ふふふ、その堅苦しい王女様という肩書が遂に取れるわ。
エリーも女王になればお互い対等ですからね。
楽しみだわ。
孤児院の皆も一緒に移動ね。
最初の1年はあまり環境が変わらないでしょうね。
住む場所が変わった事に少しだけ戸惑うでしょうが問題はありませんね。
各領にいる文官が集めた民の情報を整理して導かなければいけません。
まだまだやる事がたくさんありますね。
止まる事は出来そうもありません。
王都の人もあまりの光景に驚いているわね。
あなた達はそこで見ていなさい。
この国を根元から変えて見せる。
国の中心はお城でも王都でもない。
私とエリーよ。
それを教えてあげましょう。
気が付いた時にはもう遅いわよ。
エリーと出会ってから長いようであっという間の日々だったわ。
これからも一緒だから、どんな日々になるのかしら。
中央の名前を考えてあるけど、そういば発表するのを忘れていたわ。
「エリー、中央の名前を発表していないけどいつにする?」
「アリー王女様が女王になると宣言する時で良いのではないですか?」
「それもそうね。一度中央に全ての民を集めて発表ね」
「はい。そんなに人口はいないと思いますので集める事は可能でしょう」
「領民はいままで搾取され続けて来たから家も用意してあげる必要があるわね」
「はい。その方が移動も受け入れてくれますから家の用意が出来てからですね」
「王都には検問が必用でしょうね」
「はい。孤児と領民の差別が酷いですから、しっかりと選別する必要があります」
「まずは身分の差別を無くす事から始めましょう」
「はい。その為の教育です。勉強は努力出来ますから」
「勉強が得意な子は残って研究や教師や文官を目指しても良いからね。運動が得意な子は騎士を目指しても良い。やっぱり自由が一番よ。皆がそれに馴染むまで時間がかかるわね。最初の移動についてはこちらが管理してしまっているから、そこは自由では無いわね」
「そうですね。最初に自由はありませんが民の生活が安定し収入が増えれば自由になります。そこまで導く必要がありますが、そこを越えたら素敵な国になりますよ」
「特区を作り補助金を出す事で食糧に関連する仕事に就く人を一定数維持する。そこはある程度の管理が必用かもしれないけど、研究が進めば食糧も安定するはずだからあまり心配する必要はないかもしれないわね」
「はい。王国は気候も安定していますし、山に囲まれていて自然も豊かです。自然を残して発展していくのを少しだけ管理すれば問題は無いです」
「農業特区と畜産業特区、他に特区は無いけど土地それぞれに家を建てて良い場所、お店を建てて良い場所などを決めてあるから問題は無いでしょう」
「せっかく諜報部があるのですから小さな問題を把握しやすいです。しっかりと問題を潰していけば何も心配はいりませんね」
「そうね。後はなんとかしましょう。私達なら何とか出来る。問題が起きても解決出来るわ」
「勿論です。アリー王女様に解決出来ない問題などありませんから」
「見えて来たわね。中央トリエイト。ふふ、あえて国名を付ければ嫌でも意識するでしょう」
「そうですね。国名を付ける事により、中心が何処にあるのか誰でも理解出来ます」
「分かっているわね、エリー。堅苦しい【他人行儀】な王女様は私達が家に入るまでよ」
「勿論です。アリー王女様。約束は守ります」
本当にそうかしら?
絶対にアリー様とか呼ぶわよ。
様も付けて欲しくないのよね。
一応念を押しておきましょう。
「エリー、当然だけど様も必要無いからね」
「え?そ、それは、と、当然ですよ!」
大丈夫かしら?
完全に焦りが見えたわ。
最初に会った時の事を思い出したのかしら。
「「お帰りなさいませ、アリー女王様、エリー女王様」」
「ただいま。アンナ、アンネ」
「ただいま。アンナさん、アンネさん」
私はアンナを見る。
敬称が必要無い事を言いなさいと念を送る。
伝わるかしら。
伝わってこの思い。
「エリー女王様。私達使用人にさんは必要ありません。この国でエリー女王様が敬称を付ける必要があるのは王妃様と国王様だけです、本来であれば1つの国に女王様と国王様がいるのは不自然ですが仕方が無い事ですので、そこはあまり考えずにおきましょう」
「分かりました。アンナ」
お母様を呼び捨てにしたら多分死にますから。
そこは仕方が無い事でしょう。
アンナのお陰で私達の呼び方が決定されました。
「さあ。エリー王国の改革を始めましょう!」
「は、はい。アリー、さ、さあ始めましょう!」
面白いわね、今の。
無理やり繋げた感じがします。
流石のエリーも緊張しているのね。
慣れです。
1年もすれば自然に呼び合うでしょう。
私が王国を改革する一番の理由って…。
友達のエリーにアリーと呼ばれたいだけかもしれないわ。
アリーの本音です。
他人行儀に呼ばれたくないだけです。




