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乞食姫と呼ばれた王女  作者: 大介
第2章 王立学園1年生

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アリエッタ 学園生活

突然エリーが噴水に飛び込みました。


私は周りの貴族を見ます。

エリーを見て喜んでいる貴族がいますね。

彼女が何かをしたのでしょう。


ここで脅しても良いですが…。


せっかくです。

私も噴水に飛び込みましょう。


今まで一緒に水遊びはした事がありませんからね。

エリーと水を掛けあいながら楽しんでいたのですがエリーが途中で止めました。


「今日はこのまま帰りましょう。授業も受けられませんしアリー王女様が心配です」

「そうなの?じゃあエリーの言う通り帰りましょうか」


心配している見たいです。

何があるのでしょうか。


ああ、こういう事ですか…。

熱にうなされる事になりました。


お母様が笑っています。

「噴水に飛び込んで水遊びするには少し早いんじゃないのかしら?」


お父様は怒っている様です。

「エリーに水を掛けた貴族を粛正するか?」


確かにまだ少し肌寒い季節ですからね。

水遊びは早いでしょう。


でも、他に方法が無かったのですから仕方がありません。


この熱もエリーを守ったと思えば楽なものです。

ただし、3日間も苦しむとは思いませんでした。


やっと回復して学園に通える様になりました。


エリーがとても心配していますね。

「すみません。私が噴水に飛び込んでしまったせいです」

「気にしなくて良いのよ。それに楽しめたじゃない。何かあったら言ってね」


本当に気にしなくて良いのですよ。

エリーの心が輝いているなら、私はそれで良いのです。


つまらない嫌がらせがエリーに毎日続きます。

エリーが怪我をしたり、心が濁るような事がなければ良いのですが…。


貴族達は他にする事が無いのですか?

あまりの頭の悪さに呆れてしまいます。


ある時、普段貴族の嫌がらせに何も反応しないエリーが激怒しました。

エリーの心は激怒してもとても綺麗ですが、それどころではありません。


「エリー大丈夫?何かあった?」

「少し馬鹿にされてしまいまして、怒りそうになってしまいました」


絶対に嘘です。

感情を見る必要もありません。

そんな程度でエリーがあそこまで激怒する訳がありません。


私はお城に戻り報告を聞きます。

恐らく何かあったのでしょう。


少し離れているエリーゼには分からないと思いました。

「ディアナ。何故エリーが激怒したのか教えて下さい」


ディアナも報告を躊躇っているようです。

「ゴミ拾いが大好きな乞食姫に拾われた生ゴミは直ぐに出てけ。と言われました」


エリーが生ゴミと言われて激怒したのでしょうか?

何故か違う気がします。


お母様が声をかけてくれます。

「エリーはあなたが侮辱されたから激怒したのでしょう。アリーは何とも思っていない様ですが、エリーにはとても酷い言葉に聞こえたのですね」

「孤児達を生ゴミと表現する貴族に怒りは覚えますが、私が乞食姫と呼ばれた事に激怒したのですか?」


「ええ、きっとそうよ。あの子は優しくて強いから、自分が馬鹿にされるだけでは簡単には怒らないでしょう。でも、あなたまで馬鹿にされたから怒ったのよ。エリーはその後どうしたと思う?アリーを守りたいから強くなりたいとセバスにお願いしているのよ。本気で訓練するつもりよ。あなたはそれだけエリーから愛されていたと言う事よ」

「エリーとは友達です。そんな事を私は望まないのに…」


「彼女の意志を尊重しなさい。そして、あなたは自覚しなさい。孤児達から見たあなたは、どのように映るのかをもっと考えなさい。分かりましたね?」

「はい。私の考えが足りない事が良く分かりました」


私には分からない事ばかりです。

エリーが私の為に怒ってくれたのは素直に嬉しいのですが、孤児からみた私ですか…。


今まで考えた事も無かったです。

自分がどの様に見られているのかを感情でしか見ていません。

感謝されているとだけ思っていましたが、違うのでしょうか?


悩んでいると、お父様が話します。

「アリー、人の上に立つとはそういう事だ。良いか。人は感情の色だけでは判断出来ない事が多い。アリーには感謝されている様にしか見えないかもしれないが、そこには意志が含まれている。それをしっかり感じれる様になるんだ。尊敬している、役に立ちたい、付いて行きたい。他にも色々な意志がある。それを考えるようにしなさい」

「分かりました。もっと人を見る様にします」


「それで良い。アリーは人の上に立つ資格があるって事だ。人の上に立つと言う事は、皆を守ると言う事だ。人を踏むのではない。誰よりも先を歩くのだ。一番危険な場所だ。エリーはアリーがその位置にいると思ったから守れる様になりたいと考えたんだ。2人で一緒に人の上に立っても良い、しかしアリーには自分を守る力が無いだろう?だからエリーが力を付けたいと考えたんだ。何も間違っていないし感謝しておきなさい。そして簡単な言葉で伝えようとしてはいけない。行動で伝えなさい」

「分かりました。人の上に立つという事は、行動で皆に感謝を伝えれば良いのですね」


「そうだ。感謝の言葉を言うなという意味じゃない。先頭を歩いて皆をより良い生活が送れる様に導くんだ。それが人の上に立つアリーの役目だ」

「分かりました」


お母様がお父様に笑いかけています。

「偶には真面目な話も出来るのね。驚いたわ!」

「いつも真面目だわ!今はエリーに言葉をかけた貴族を粛正したくて仕方が無いわ!」


私には知らない事や、知らなければいけない事が沢山あるようです。


エリーが私の為に努力するなら、私はエリーの為に努力します。

孤児達が私の為に努力するなら、私も孤児達の為に努力します。


私が皆を導く立場だと言うなら、それに相応しい人になります。

アリーが人の見方を考える機会になりました。

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