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魔王だけど勇者と言い張る!!  作者: 田舎ボーイ
第二章 王都編
18/23

剣王 ソルト

更新遅れてすみません。

 俺たちは話し合いを終えるとそのまま食事になった。

 食事はというとなかなかの豪華なもので、普通の人たちからすれば誕生日と勘違いするぐらいだ。

 やはり、この家はなかなかの貴族らしい。


 俺は食事を終え、自分の家の3倍近くの風呂に入り、実家のリビングほどの用意された部屋にララに案内され就寝に入った。


 次の日の朝


 「アラン様、朝ですよ。お目覚めになって下さい。」


 俺の目覚めた目先には2つの大きな山があった。

 

 「あれ?富士山が2つ?」


 「フジサン?何寝ぼけていらっしゃるのですか?アラン様、おはようございます。朝食が出来上がりそうなのでお顔をお洗いになって大広間にいらっしゃって下さいね。」


 ララである。


 「あ、おはようララ。分かったすぐ行くよ。」


 俺が顔を洗って大広間に行くとテーブルを囲んで椅子に座っているロバート、マリー、マルコ、エルザの4人が座っていた。


 「ちょっと!あなた新参者のくせに一番遅いとかありえないわよ!」


 「まぁまぁエルザ、アランくんは昨日この家に来たばかりで疲れてるんだよ。勘弁してあげなさい。アランくんおはよう。」


 「「おはよう、アラン」」


 「お祖父さん、お祖母さん、マルコさん、エルザ姉さんおはようございます。エルザ姉さんすみません、明日は気をつけます。」


 「分かったら良いのよ!私の隣に座らせたあげるわ。早く座りなさい。」


 俺はエルザの隣に座り、運ばれてきた料理を食べ始める。

 料理はトーストに目玉焼き、ウィンナーもどき、スクランブルエッグとごく普通の朝食だったが、使われている食材が高価なのか大変美味だ。


 「それでアラン、これから王都でどうするつもりなのだ?」


 「お祖父様、これからのことはそれほど考えていないのです。この王都という町がどのような街なのかを知るために来ただけですので、何もなければ早々に帰りますし、何かあればここに長い間置いてもらおうとも思っております。」


 「そうかそうか。それでは今日はどうするのじゃ?」


 「今日は自分の師匠であるウィルさんの所に挨拶しに行こうと思います。」


 「おぉ、お主ウィルの弟子であったのか。それは挨拶に行かんとな。ララとヤムにウィルの所まで連れて行ってもいなさい。」


 「はい、分かりました。」


 俺は正直方向音痴なとこがあるから嬉しかった。

 千里眼を使えば直ぐに見つかるかもしれないが、優秀な魔法を使える者たちなら探知される恐れがあるため使えない。

 千里眼は魔王や呪術師などの闇の魔法を得意とする職業にしか使えないとされており、目をつけられる恐れがあるからだ。


 「次にエルザ、今年の大魔闘会は自信あるか?」


 「もちろんですお祖父様。今年こそ優勝して我らセシル家の名を轟かせて見せます!」


 「はっはっは!それは頼もしいのぉ。だからと言って無理はいかんぞ、残り2週間きっちりと体のケアを怠るでないぞ。」


 「はい、分かりました!」


 「あの?お祖父様、大魔闘会とは何なのですか?」


 「あぁそうだったのぉ、アランは知らんでおったな。大魔闘会というのはの・・・・」


 それからロバートの説明を聞くと、大魔闘会というのは国が開く14歳以下での武力を競う大会だそうだ。

 だいたい毎年全国から5000人近くが参加するらしい、この大会で結果を残せば国から学校へ通う補助金が出たり、運が良ければ将来王国で出世コースへと繋がる役職を約束されたりするそうだ。

 だから毎年こぞって参加するようである。

 しかも、優勝賞金は金貨100枚である。

 まぁ、要するに国が若い才能を発見する為の大会だと言っても良いようだ。

 何故14歳以下なのかというと14歳までに才能に芽が出ない人は統計的に見て将来優秀にならないようだ。

 もちろん、例外も存在すると思うが国としてはそんな例外はごく一部なのでどうでもいいのだろう。

 去年、エルザは11歳にして本戦に出場しベスト16であったらしい。

 

 「なら私も出れるんですよねお祖父様?」


 俺のこの発言に一同が食事の手をの止めた。

 どうやらまずいことを言ったらしい。


 「いや、流石にアランはまだ8歳だならな。怪我をしてしまう。だいたい参加するのは11歳か12歳くらいからだ。昔の勇者アステルが10歳の若さで優勝した最年少記録もあるがそれは例外だ。」


 「そうですか、分かりました。」


 「当たり前よ!例え出たところで貴方は予選負けでしょうけどね!」


 エルザが俺に対して煽ってくるが無視する。

 

 まぁ、そんなことを話しながら朝食を終え俺はウィルの滞在している宿にララとヤムに案内してもらう。


 「よぉ!アラン!久しぶりだな!」


 「師匠!お久しぶりです!手紙を見て来ました。魔法剣の方ありがとうございます!」


 「あぁ、別に構わないぜ。まぁ、何だそこ座れよ。色々話すこともあるだろ。」


 そう言われるままに俺はウィルの座っている席の前の席に座る。

 ララとヤムは宿の外で待っているようだ。

 

 「で?この街でお前は何をするつもりなの?」


 「はい、具体的なことは考えてないんですが、今魔法と剣技の方に壁を感じていまして、それを越えるために何かないかこれから探す予定です。」


 「そうか。で職業レベルの方はどうなってんの?」


 「はい、中級職の魔王になりました。」


 「おぉ、そうか。んじゃこれ渡した方が良いな。」


 そう言うとウィルは俺に勇者と書かれたプレートを手渡してきた。


 「まぁ、何だ。偽物が見習い勇者だと強すぎて怪しまれるだろ。これからも職業レベルが上がってらいつでも俺に言いにこいよ。変えてやるからよ。」


 「はい、ありがとうございます。」


 「ってかさっき、壁を感じるって言ってたな。多分それはお前の職業レベルがまだ中級職だから魔法に関してはもう伸び代がないんだよ。それでもお前の魔法はそこらへんの最上級職ぐらいのレベルなんだがな。」


 「それじゃあどうしたらいいんでしょうか?」


 「あぁ、多分だがまだ剣技の方が伸び代があるのが原因だろうな。だからお前はまだ上級職になれないんだろう。まぁ、それでも才能で上級職に上がれないだけかもしれないけどな。」


 「そうですか。それじゃあこの王都で剣術を教えてくれる方はいますか?天真一刀流剣術をお願いします。」


 「あぁ、お前天真一刀流か。そりゃエイダの息子だからな仕方ないか。んーいるにはいるんだがな・・・・」


 ウィルは何か眉間にしわを寄せて困った表情だ。


 「どうしたんですか師匠?」


 「そいつはよ、腕は確かなんだけど金がねーと教えれんとか言って上流貴族にしか剣を教えようとしないんだよな。」


 「そうなんですか。それでも一回会ってみたいですね。どういう方なんですか?」


 「名前はソルト・マッケイ、剣王だ。俺とは昔学校で同級生だった男なんだが、プライドが高いし俺とはそりが合わなかったやつだな。一回会いに行ってみるか?」


 「はい!是非!」


 多少、嫌味な人でも剣王だというなら腕はいいんだろう。

 教えてもらってるときは我慢すればいいだけの話だ。

 これからの精進のためにもな。


 それから、宿を出てソルトがすんでいる住居に向かう。

 ララとヤムには他に行くところが出来たので家の方に帰ってもらうことにした。

 

 ソルトが住んでいる家はかなりの豪邸で、ロバートほどではないが上流貴族並みの大きさを誇る家であった。

 ソルトの家に着くとそこには使用人が数人おり、俺とウィルはソルトが来るまでここで待って欲しいと待合室で待たされることになった。

 

 それから10分ぐらいした頃だろうかソルトらしき人物が待合室に入ってきた。

 髪色は青色で無償髭を生やしており、正直に言うと顔はブサイクに入る部類であろう。


 「何だウィル、俺に用があると聞いたんだが?お前にしては珍しいな。」


 「あぁ、ソルト、久しぶりだな。まぁ、用ってのは頼みなんだがなこの子に剣の指導をしてくれないか?」


 「はぁ?何でだよ。俺だって他に教えなきゃいけないような奴がいるんだぞ。」


 「そこをなんとか頼む!」


 それからソルトは考え込んだ末に口を開く。


 「俺としてもな優秀な奴に教えたいわけだよ。わかる?だからよそうだなぁ、今度の大魔闘会で優勝したら教えてやってもいいぞ。もちろん授業料は優勝賞金の金貨100枚だ。」


 「貴様!ふざけるな!まだ、アランは8歳なんだぞ。それに金貨100枚だといい加減にしろよ!」


 俺は小さな声でアランに耳打ちをする。


 「師匠、大丈夫ですよ。俺には魔法がありますし大概のやつには負けない自信もあります。あと大魔闘会までの間師匠が俺に対して対人用に指導してくれればいいんですよ!」


 「あぁ、そうだったな。それならいいか、でも金貨100枚なんて本当にいいのか?」


 「はい、腐っても剣王なる男から教えてもらえるなら痛くない金額です。」


 「そうか、それならわかった。」


 「よし!分かった!その提案受けてやろうソルト!」


 「お?そうかそうかそれじゃあ今度の大魔闘会頑張れよ坊主。」


 「はい、頑張ります。」


 「それじゃあ俺たちはここら辺で帰るわ。またなソルト。」


 「あぁ、それではまた。」


 それから俺たちは使用人に家の出口まで案内される。

 俺たちがソルトの家の扉を開けようとした瞬間、ソルトが思いついように俺たちに言い放った。


 「あぁ、言い忘れてたが坊主お前魔法使えるんだったら禁止だからな。俺が見たいのは剣の才能だからなズルすんじゃねーぞ。」


 「「え?」」


 俺たちは衝撃の一言にただ固まるだけであった。

 


 

だいたいこれから一週間更新でいこうと思います。早くできた場合は早く載せます。

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