白と黒の始まり
この物語を書こうと思った理由は自分の好みな作品を書きたいと思ったからです。内容的には強大な事件に巻き込まれる暗殺者のストーリーとなります。そういったサスペンスストーリーが好みの方はどうぞご覧ください!
そこはある時間帯になると一般の者は入れなくなる、何故ならとても表で出来るような事をしていないからだ。
「皆さん、本日の出品はこちら!まだ若くて金持ちの子です!それでは100万から始めましょうか!」
「300」
「400」
「2000」
仮面を付けた身なりの良い人達が次々と手を上げて値段が上がっていく。売り出されている少年は何も言わない、否、喋る事を許可されていないのだ。
「おっと~!2000が出ました!他に居ませんか?終了しますよ~」
誰も手を上げない、司会の言葉の後には沈黙が続いていた。
「では落札!61番の方に決まりま…」
一瞬だった、司会者は突然黙ったかと思ったら、頭部から血を流しながらその場に倒れたのだ。周りは騒然とし参加者が走って出口に出ていく。裏オークション会場は静寂が広がったと同時に天井の穴から覗いていた男は安堵した。
俺は自分の名前を知らない。東の合衆国に産まれ育ったが、両親の顔は覚えていないしどうでも良い。物心ついた頃から人から物を奪い生きてきた、寝る暇があるなら、ナイフを握れ、体を鍛えろ、大人にも負けないくらい強くなって奪えば良いと、俺の事を少し面倒見ていたおっさんも酒の空瓶で俺を殴りつけて来る、それが嫌なら力を示せば良いと、力を付けた俺はおっさんに今までの借りを全て返した、そしたらおっさんは帰って来なくなった。それから今に至るまで1人で生きて来た。年齢なんていちいち数えていないが、多分20代後半だと思う。
「今回のターゲットも無事始末完了、聞こえるか?俺だ」
「お、黒豹さん。例の依頼ですか?」
「あぁ、目標は無事始末した支払いはいつもので構わんっと、あんたらの主人に言ってろ。」
そう淡々と告げて連絡線を切った、仕事を終わらせた男は疲れたように息を吐き体を起こして自身の愛銃を仕舞い裏口から出ようとする。
「私の目標を奪い取りしてよく呑気に帰れると思ったわね?」
と、黒豹が振り返るとそこには見知らぬ白と黒色のドレスを着た女性が立っていた、私の獲物を奪ったと言わんばかりの言い掛かりをつけに来て黒豹を睨んでいる。
「ん?獲物なんて早い者勝ちだろ?俺の方が速かったそれだけだ…」
「待ちなさ~い!」
黒豹の袖を掴んで引っ張ってくる、黒豹は鬱陶しいと思いつつも軽くあしらおうとする。何故なら彼は今日はまだ何も食べていなくお腹が空いていたからだ。彼女が何かうだうだ言っているが男の耳には入らない。
「悪いが俺は空腹でそんな話に付き合う余裕はない」
「え?あんたお腹空いてるの?なら、良い店教えてあげるよ」
と、女性に連れられるがままに近くの喫茶店に来てしまった。メニュー表を見ると「当店人気No.1のお手製カレー」に目が入り、空腹のあまり思わず頼んでしまった。
「じゃあ私はコーヒー一杯でマスター」
「あいよ」
と、ジャズチックなメロディーが流れ静かな雰囲気に漂うコーヒーの香りにうっとりしてしまう黒豹、任務の時とは別人のようにまったりとしている。
「実に良い店だな…だからこそ、勿体ない」
そう言うと自身を連れてきた彼女と店主のマスター、そして店の外に警戒を張っている。
「あら?意外と警戒心は強いのね…」
店の外から黒服が複数人入って来て黒豹を中心に取り囲む、しかし、黒豹は表情を一切変えずにむしろニヤリと笑みを浮かべる。
「その程度で俺を追い詰めた気になっているなら、とんだ馬鹿だな"白猫"」
「まさかここまで気付かれてたなんてね噂以上よ黒豹、どこまで私を楽しませてくれるのかしら//」
「バーカ、お前みたいな奴と遊ぶなんてごめんだね、殺しの悪魔が」
白猫、黒豹の圧に周りの黒服達も思わず後退る。2人の空気感は誰も寄せ付けない勢いだった。殺気が部屋中に広がりマスターも怯えて裏に隠れてしまう。
「殺気漏れすぎなんだよヘタレ猫」
「そっちこそ、やる気マンマンじゃない…」
お互いにナイフを構えて間合いを取る、2人ともナイフの扱いに長けていて、尚且つ接近戦ではナイフの方が早いと両者は理解していたからだ。互いの攻撃がぶつかり合う、2人の完璧な型、技が息ぴったりに重なりあい、ナイフは両者の首もとで止まる。
「悪くないわね黒豹」
「そっちもな白猫」
「まあ、良いわ…今回はこれくらいしてあげる」
白猫はナイフをそっと締まい黒豹から離れて喫茶店の出入口ドアに手をかける。
「でも、次対峙した時は...分かってるわよね?」
「そっちこそな」
白猫は笑みを溢すとその場を黒服達と共に立ち去った。その場には静寂が広がり、黒豹は席に置いてた荷物を手に持って立ち去る。
「はぁ…本当は今頃飯を食ってゆっくりしてた筈なんだけどな~妙なトラブルに巻き込まれちまった、それに白猫、初めて会ったがとんだ頭のぶっ飛んだ奴だったな。」
そう言い残した後に店を後にする、マスターが帰って来た頃には誰も残ってはいなかったのだった。こうして妙な縁が出来てしまった黒豹と白猫、彼らはまだ知らない世界を巻き込み脅かす程の大事件に巻き込まれる事を…。
楽しんで頂けましたか?自分にとっても久しぶりの作品作りなのでテンポは早くありませんが、定期的に話を作っていく予定です、どのくらいの構成にするか決まっていません。




