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日常が崩れる音がした。

BLというよりは、軽い腐向けくらいですが気をつけてください。

何故こうなったのだろう。


えぇと。思い出せ、今日あったことを!


確か、いつもより早く起きて、機嫌が良かったから家を早く出たんだよな?


で、いつもより早かったせいで電車が満員だった…ここまでは良いはずなんだよ。


そのあと何があった…?


なんで僕は壁に手をついて…まあ世に言う壁ドンをしてるんだ?


あっそうだそうだ。


なんかめっちゃ電車が揺れて、バランス崩して壁に手着いたらそこに男が居たんだ!


そうだそうだ…って!


何冷静に考え事してんの僕⁉︎


「…あのさぁ手、邪魔なんだけど?」


おぅふ。こいつ多分愛想のかけらもないようなやつだわ。


今の一言でわかる僕天才。


「すっすいみゃせん」


うわぁ無いわぁ。


こんな場面で噛むとかかっこ悪すぎなんだけど。


僕がね!


僕はおずおずとした様子で手を離す。


そういやこいつ、憎たらしいくらいイケメンだな。


髪地味に長いな。いや、これ普通に長いわ。襟足長いわ。


まつげ長ぇな。バッサバッサじゃんか。


そしてまた電車が激しく揺れる。


「えっ?」


またもやバランスを崩した僕はもう一度壁ドンをする形になった。


もうやだ…僕学習能力無いの?皆無なの?なんで人生で2度も、しかも同じ日に男に壁ドンしてんの?もうちょいバランス力鍛えた方がいいよ…もう…


「・・・」


今度は男が睨んでくる。


やべえ…情けねえけど怖ぇ。


「すっすいません!」


よし!今度はちゃんと言えたぞ!


噛まなかったぞ!僕できる子!


次の瞬間、体がぐらついた。


ん?あれ?いま電車揺れたっけ?


まあ今はまだ壁に手ついてるし平気だろ。


んん⁈だとしたらなんでまたバランス崩してんの⁈僕⁈


その一瞬。1時間に感じられるほどスローモーションに時間が進む。


それに反して、思考は高速に進む。


そうしているうちにやっと理解した。


僕が、目の前の男に腕を引っ張られたということを。


そして、今、その男の口で僕の口が塞がれていることを。


口が離れてから、また思考を高速に進める。


…えっ⁈あれ⁈今僕キスされてなかった⁈ん?でもこいつ男だよね?男装した女子とかじゃないよね?いや、それだったらまだ嬉しいけどね?


いやそうじゃなくてさ?


てかこいつの制服…僕と一緒じゃね?でも、見たこと無いような…


「…今のは2回も俺の邪魔をしたお前への仕返しだ。じゃあな」


そう言って目の前の男は僕を見て嘲笑った。


全く。あいつどんだけ無愛想なんだよ…


そんなんじゃ、社会に出ても誰からも認められねぇぞー!バーカ!


そのまま男は出て行った。


仕返しで男にキス出来るお前は凄いと思うけども、今結構ひいたぞ。


まあもう会うこともないだろうしいい。気にするな。


今サラッとフラグ立てた気がする…


まあ気のせいだろ!なっ!


うん。いいや。気にしないで行こう。


てか、今の駅ってどこだったっけ?


「ああああ!」


僕は通り過ぎていく降りるはずだった、学校の最寄り駅の名前をただ眺めることしかできなかった。


****************


僕の名前は鶴賀敦。


顔も成績も身体能力も並みなごくごく普通の男子高校生だ。


まあ、アニオタとか言われるけど、自分では誇りだと思ってるから何も言わないでおく。


「せええええええええふ!」


「いや、うるせえよw」


今日は早く出ててよかった。


発車してすぐ気付いたおかげで、次の駅で降りることができた。


まあその後全速力で学校来たけどな!


僕の幼馴染みの三岡春樹につっこまれながらも、遅刻せずに済んだことを心の中で安堵する。


ああぁ、本当よかった…


無駄に頑張ってる皆勤が全部パァになるとこだった…


「でも敦、今日いつもより早いな。なんかあんのか?」


「いや、今日は今期のアニメの初回放送日…じゃねえや。そっちじゃないわ。あーまたやっちゃったわー」


僕はそう言いながら席につく。


春樹とは席が前後なので、春樹が後ろを向く。


「敦は本当うるせーなwで、結局なんなんだよ?」


「いや、今日いつもより早く起きただけだけど?」


そう!別に早く来たからなんかあるとかではないんだよッ!


てか、春樹来んの早えな。


そういやぁ、昔からこいつ無駄に早起きだったなぁ。


春樹は僕よりは頭がいい優等生…とまでは言わないが、順位だとだいぶ上にいる。


この学校は、全生徒数がそこそこ多い。


一学年で320人程だ。


一クラス40人で8クラス。


僕はどんぴしゃど真ん中の160くらいを彷徨う。


ちなみに春樹は30位かそれ以上。


自分で言っといてなんだが頭いいな、うん。


なんか悲しくなってきた…


「にしても、この時間ってまだ人いねえのな」


僕は僕たち2人を合わせても、10人ほどしかいない教室を見回しながら春樹に言う。


「ん?いや、それはな…」


その時、突如として廊下から騒音が聞こえて来た。


「なっなんだ⁉︎」


「あっ、きたきた」


春樹がそう言い終わったその直後


「疲れたああああああああ!」


「⁉︎」


「うるせーよwww」


廊下から現れたのは汗だくの男女たち。


「これはどういう…?」


「ああ、運動部の朝練してた連中だよ。みんなしてギリギリまで練習してるから、汗だくになって競うみたいに教室来るんだよ」


「ああ…それで」


いつも僕は今日きた時間よりも、7分程遅れてくる。


門が閉まってしまうからッ!


さっきの光景を見て納得したが、1分もしないうちにガラガラだった教室が、人で埋め尽くされてしまった。


運動神経そこそこだが、好きなわけではなく、どちらかといえば嫌いな超インドア派の僕からすると


「運動部に入って仲間たちと青春しよう!」


とでも言いそうな運動部の連中は、僕からするととても眩しく感じる。


まあパソコンばっか見てるからこうなったんだが…


「はーい!皆席ついてー!」


ガヤガヤとうるさかった教室が徐々に静かになり、やがて誰も喋らなくなった。


「今日は転校生がいます。入って今賀くん」


「はい。今賀俊です。今日からよろしく」


転校生?しかも男かあ…


いくらオタクとは言っても全くもって三次元に興味が無いわけではないんだが…


てか今の声、聞いたことある気がするなー


「あああああ!」


僕は勢いよく立ち上がり、その拍子に椅子が倒れた。


「鶴賀君煩い!何?2人知り合い?」


やめてくれ先生、冗談でもワラエナイ。


「おっおまっお前…今朝の…」


嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。


あの今朝の無愛想な髪の長いイケメンが転校生だなんて…


「お前さっきのやつか。」


「うん!知り合い見たいね。じゃあ今賀君は鶴賀君の後ろね。」


「分かりました。」


女子が騒ぎ出した。


無論、話題はこの今賀と言うやつについてだろう。当たり前だ。


認めたくは無いがこいつはイケメンと言ってもなんら過言ではないのだから。


今賀はまるで先を見据えるかの様にまっすぐ前だけみて俺の席まで来た。


あっなんだろう。無意識に手が震えだしたぞ。


「今日からよろしくな。鶴賀敦君?」


ああ、僕の日常が崩れていく音がする…


なんだか遠くから春樹の笑い声が聞こえる気がする。


でも、今の僕はそんな笑い声に反応することさえ出来ないほど脱力していた。


これだから三次元はろくなことがない。


こうして僕の慌ただしい日常が始まった。

はい。ゆるいですね。

最近いっぱい投稿しているのは、サイトのためです。

よかったらサイトも見てください。

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