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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第二部 第一章:一難去ってまた一難。またまた事件です。
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第四話:不穏な影4

私達の視線を受け止めた真琴さんは意を決したようにゆっくりと口を開いた。

「その人物について、心当たりがある」

「心当たり?」

こくり、と頷く真琴さんの顔色は非常に悪い。一体どうしたというのか。

「例の件の事後処理を進める中で分かったことがある」

真琴さんのいう例の件、というのは九条深琴と対峙した時のことだろう。九条深琴との件については身内が引き起こした一件だということで、九条家から事後処理の申し出を受けていた。一連の出来事についてまとめて精査し、御三家に仕える魔術師達に真相を伝えるためである。

「深琴が生前、ある魔術師と接触していたことが分かった」

「それについては私の方からご説明致しましょう」

真琴さんの言葉を武藤さんが引き継いだ。

「九条深琴はある魔術師の影響を受けて禁忌に手を染めたようなのです。その魔術師は赤羽尊。御三家の魔術師ではありませんが、御三家の魔術師に匹敵する魔力を持った強力な魔術の使い手です。過激過ぎる思想の持ち主で、周囲の魔術師達から敵視され、魔術師界そのものから追放されたと聞いていたのですが……」

「その赤羽って魔術師が深琴さんに接触した理由は?」

「詳しくは分かりませんが、調べたところ赤羽には悪い噂が絶えないのです。人の不幸を見るのが好きだとか、自分が楽しい気分になれるなら、どんな汚い手でも使うだとか。その噂から察するにおそらく九条深琴は赤羽に唆されたのでしょう。九条深琴は一族を追放されたことで自分を見失っていました。そんな時に赤羽と出会い、こういわれた」

「御三家の魔術師達に復讐できるいい方法を教えてやる?」

私の言葉に武藤さんが頷く。確かに私達が対峙した時、深琴さんは正気ではなかった。一族を追放され、絶望していたところにそう囁かれれば、その話に乗っかってしまったとしても不思議ではない。

「深琴さんの不幸を見て楽しむためにわざとけしかけた?」

「はい。その可能性はあります。もしくは、自分を追いやった魔術師界そのものに復讐するためではないかと。それと、事件に遭った関係者の中から有力な証言も得られました。事件の直前、藤の花の柄が入った羽織を着た男を見かけたと」

「藤の花?」

未玖さんの疑問に武藤さんがすぐさま答える。

「過去に、赤羽と名乗る男が藤の花が描かれた羽織を身に纏っていたという証言があります。それが確かなら、一連の事件の黒幕は赤羽尊の可能性が非常に高い」

「それが真相だとするのなら、この町に悪徳を極めた史上最悪の魔術師が居座ってるってことになるわね」

未玖さんの声音や表情からは静かな怒りが感じ取れる。相当お怒りのようだが、怒りを抑えているのは私も同じだ。

「待て。九条家のかつての過激な思想を植え付けたのが赤羽ではなかったか?暁人から聞いたことがある」

それまで黙って話を聞いた琥珀が突然口を開いた。すると、真琴さんは苦渋に満ちた表情でこう答える。

「そういう噂が九条家内で流れていることは確かだ。俺も真相については分からない。だが、九条家の先代主が赤羽に出会い、いかに強い魔術師で在るかを重視したその思想に共感し、過剰に強さを求めるようになったと、そう一族の者から聞いたことがある」

「とんだ下衆野郎だな」

琥珀が吐き捨てるように言う。気持ちは分かるが、なにも人の膝の上で悪態つかなくても。

「ということは、赤羽を見つけない限りこの一連の事件に終わりはないってことですね?」

私がそういえば、武藤さんは真剣な眼差しで頷いた。

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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