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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第一部 第一章:えっ?私の家系が魔術師の家系?聞いてませんけど?
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第四話:魔術師の世界1

※第四話です。少し長めです。

「……よく飲むね」

私が琥珀を召喚し、主従契約を結んだ後、常に私の傍にいられるようにと、琥珀は真っ白な猫に姿を変えた。

祖父母には倉庫の近くをさまよっていた、と嘘をついてしまったが、こうして無事に、琥珀は家に入ることを許された。もちろん、設定としては私が拾ってきて、急遽一緒に暮らすことになった猫、だ。

そしてその琥珀は今、夕食を食べ終え、ご満悦な顔でくつろいでいる。ーー私の部屋でお酒を飲みながら。

「美味いっ。この酒は美味いぞっ」

そんなことを言いながら、猫の姿でウイスキーの瓶を抱えている。それも、かなりの赤ら顔で。

「ウイスキー飲むの初めて?」

「幽世にも酒はあるが、人間界のように種類が豊富にある訳ではない。この酒は初めて飲むが実に美味い」

「それは良かった。でも、猫が大量にお酒飲んで大丈夫?あれ、というか、琥珀は猫?狼?」

「私は妖だ。人間界でいう「種別」というものは存在しない」

「へぇ」

なら、琥珀は猫と言うよりは、狼に近いのかな?魚より肉が好きだし。めっちゃ大きいし。大きすぎるけど。

そんな勝手な妄想を繰り広げていると、こちらを見つめてくる琥珀の視線に気づいた。

「どうかした?」

「お前はいける口なのだな」

その視線が右手に持ったグラスにあることに気づき、私はあぁ、と頷いた。

「うん。周囲からは意外っていわれるけど、お酒好きなんだよね。いわゆる、ザルってやつみたい」

「酒は正義だからな」

ちょっとなにをいってるのか分からないが、お酒が好きな身としては、気持ちが分かるような、分からないような。

「暁人はてんでダメだったから、つまらなかったわ」

「兄貴は逆に下戸だったからねー」

「兄妹でこうも違うものか」

「体質もあるからね」

それより。と、私は本題を口にする。琥珀と一緒にお酒を飲むのは楽しいが、聞きたいことが山ほどある。

「琥珀。魔術師って具体的にどういうものなの?」

私が問いかけると、琥珀はふむ、と頷きながら姿勢を正した。なんだかんだで真面目な妖である。

「魔術師には御三家と呼ばれる三つの一族がある」

「御三家?」

「いわば、魔術師界の重役だ。水無瀬家も御三家の一族だぞ」

それはさすがに予想外だった。私の家系、結構偉いのか。

「御三家以外の魔術師もいたが、一族の門をくぐっているかいないかで、魔術師としての価値も変わる。今や御三家の血筋でない者も御三家の一門としていずれかの一族に加わっている者が多い」

「なら、今存在する魔術師は、御三家の魔術師もしくは御三家に身を寄せる魔術師だけってことね」

「そういうことになるな。さっきも話したが、その力については、本人の素質が関わってくる。扱える魔術はそれぞれ違うし、皆が皆、同じ魔術を扱える訳ではない」

「御三家の魔術師だから強いって訳ではないってこと?」

「そうだ。魔術師としての価値、つまり評価は、出生についてはもちろん、その他に魔術師としてどれだけの経験を詰んできたかに関わってくる」

「その、経験を詰めたかどうかっていうのは、どうやって決まるの?」

「一つは妖の討伐依頼を受けることだ。人にも妖にも害をなす、邪悪な妖を討伐し、名声を高める。加えて妖を討伐すると、討伐した妖から魔力を得ることができるから一族の中での立ち位置も優位になる。討伐した妖の強さ、つまりはレベルによって得られる魔力には違いがあるがな」

なんとなく、予想はしていたが、これはかなり危険な世界に足を突っ込んでしまったかもしれない。

しかし、自分自身で決めたこと。その覚悟を奮い立たせるように、私は背筋を伸ばした。

「もう一つは、経験値を得る手段としてギルドという組織も存在する」

※続きます。少しずつ魔術師らしい話を展開できるよう更新していきたいと思います。

次回更新予定は明日です。

Copyright(C)2023-音愛

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