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第二十六話:秘策1

※続きです。

一通り話を聞き終えたところで、私と琥珀は一時退散することにした。今後の対策を練らなくてはならない。

来た時と同様、歩いて帰ろうとする私に変化を解いた琥珀がこちらを見下ろしていった。

「今日は疲れただろう。特別に乗せて帰ってやる」

「えっ!?ってことは、行きも本当は歩かなくてすんだってこと!?」

「やかましいわ。私は必要以上に甘やかす主義ではない」

「へぇ~。じゃあ、私もそれを見習ってウイスキー出す量減らそうかな」

「うっ……」

私がじとりと見つめると、琥珀は言葉を詰まらせた。

「細かい話は後だ。早く乗れ」

「あっ、誤魔化したな」

そんなことを言いつつ、私は琥珀の背中に乗る。

「もふもふ……」

「お前はそればっかりだな……」

琥珀の背に身を委ねながら、私は考える。九条真琴に立ち向かう方法を。


時計店に着く前に私は以前教えてもらった連絡先に連絡を入れた。

「未玖さん?千暁ですが。相談したいことがあるんです」

夜の帳がすっかり落ちた頃。夜が更けつつあるにも関わらず、未玖さんは時計店の近くまで来てくれた。

「すみません。急に呼び出して」

「大丈夫よ。それより、相談って?」

近くのガードレールに腰を落ち着かせながら、私は九条真琴のことを話した。

全てを聞き終えると未玖さんは苦悶の表情を浮かべた。

「また、厄介なことを引き起こしてくれているわね。あいつは」

「このまま、あの人の好きにさせる訳にはいきません」

「同感よ。そんな強引かつ勝手なことをされては魔術師界の秩序も乱れ兼ねないわ。私も協力する」

「ありがとうございます」

「なにかいい案は浮かんでいるのか?」

足元にいる琥珀が私を見上げる。

「それなんだけど……今のツキミ様は川の水の神聖な力を得て延命してるっていってたじゃない?もし、その代わりになるようななにかがあればツキミ様の力を戻すことはできるのかな?」

「確かに……できなくはないと思うが」

「可能性があるとすれば、魔力ね」

「魔力?」

未玖さんが頷く。

「えぇ。多大な魔力を注ぎ込むことができれば可能性はあるかもしれない」

ただ。と未玖さんは続ける。

「私の能力は結界を操ることなの。いわば、防御に特化した術。強度のある結界を作り出すだけの魔力はあっても、たかが知れてるわ。神の力を取り戻すだけの魔力には匹敵しない」

参った、と頭を抱える未玖さんの横で、私の頭の中にたった一つの方法が浮かび上がる。

「結界を作ることができるんですよね?」

「え?えぇ……」

「琥珀、未玖さん。九条真琴を止める方法があるかもしれません」

※第三章、佳境に入ります。

次回更新は明日です。

Copyright(C)2023-音愛

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