バレからの戦慄
「…そんな事の為だけにわざわざきたのですか!?」
アオスは呆れた。
「お…お…お前は男だぁー!!」
アオスの反応とは違いアマドはイースを抱きしめた。
「オーリス、これは冗談か何かでしょ?」
「えっ…そー思いたい気持ちはわかります。けど、どーやら本気らしいと言うかなんと言うか…」
「アオス様っ!私は本気です!本気で父親を倒し私は彼女と一緒になりたいのです!!」
「………そーですか。その心意気は汲みますが結論から言ってそれは…」
「それは!?」
「無理です。諦めなさい」
イースはアオスに言い返す!
「いえ、無理じゃありません!ねっ、オーリスさん!貴方はそー言ってくれましたよね!」
「そー…だったか?」
オーリスは顔を背けた。
「でも貴方の年齢的に言ったらまだお嫁さんを今すぐ貰い受かる訳でもないでしょ?」
「いーえ、私は今すぐにでもあの子を貰い受けたいのです!私のこれからを全て捧げ彼女だけに愛を注ぎたいのです!」
「あらまぁー」
アオスはオーリスを見て言う。
「こんな小さな子が好きな子のために必死になっているというのに、どこかの誰かは未だに女性に興味が湧かないでいるなんてなんて嘆かわしい事なんでしょうね。ね、オーリス」
「個人差があるので誰のことを言っているかわからないですけどそれは確かにそーかもしれませんね」
オーリスは他人事のように納得しもっともらしい返事をアオスに返した。
「仕方ないからオーリスの時のよーに基本は教えてあげられるけどそれを覚えた所で絶対にベルゼには勝てないしあなたの願いは叶わないわよ」
「そんな…ではどーしたら父に勝てるのですか!?」
「そんですねー。単純にあなた自身が長い年月をかけて強くなるか、ベルゼが老いるのを待つかしかないわね」
「嫌です!私は今すぐ父に勝ちたいのです!」
「あなたが命を代価にしたとしてもそれは100%不可能。それは自分自身がベルゼを近くでみているのだからわかっているでしょ」
「………」
イースは黙った、しかし諦めようとはしなかった。
「イース…仕方ない。諦め…」
アオスが困り顔をしているとアマドが口を出してきた。
「横から割り込んですまないがあまり私の妻を虐めないでくれるかい?」
「す、すみません。そんなつもりは…」
「あっすまない、怖がらせるつもりはなかったのだが」
イースが萎縮した。
「話を聞いていると君は父親のベルゼに勝ちたいんだよね?」
「はい!」
「なんのために?」
「だから、愛する彼女と一緒になるためにです!」
「うんうん。好きな女性に一途であり続けるの大変結構な事。つまりは父親に勝つのが目的ではなく好きな子と一緒に居るのが目的であくまでベルゼを倒すのは好きな子と一緒に居るための手段でしかないって事だと思うのだけどどーだろう?」
「確かに父に勝たないとあの子と一緒には居られないのでだから私は父に勝たなければならないのです!」
「なら、彼女と一緒に居られるなら別にベルゼに勝たなくてもいーんじゃないかな?」
イースは考え答えが出た。
「確かに…そー言われたらそーですね!」
「ベルゼには勝てない、だからと言って好きな子と一緒にはいられないとは限らないわけだ」
「そーか…別に父に勝たなくてもいーのか!!…けど、どーやって父を納得させたらいーのでしょうか…」
「あっ…それは…そーだなー…どーしたらいいかなー、なっオーリス」
「…そーですね。どーしましょうか」
オーリスは手を顔に当て上を向いた。
「どーしたオーリス?そんな顔して?」
アマドはオーリスが残念そーにしているのが見えた。
「なんでもありませんよ…」
オーリスは心の中で叫んだ。
せっかくいー感じでイースが諦めかけてたのに、よけーなことするなよ!!
何の為にここまで連れてきたと思ってんだ!
イースをベルゼに勝たせる為?
そんなわけあるか!!
勝てないことなんて最初からわかってんだよ!!
だからこそ最終手段的な感じでここに連れてきて俺ではない誰かの言葉で無理、不可能、諦めろの言葉を浴びせてさっさとコイツを追いかえそーとしたのに!
何真面目な答え出してんだよオッさん!!!
口には出さなかったがオーリスはそんな事を思っていた。
オーリスのシナリオではこーだ。
①イースを鍛え家から逃げるタイミングを伺う。
↓
②自分では無理な雰囲気を出しより強者の所に連れて行く。
↓
③領地を離れるので仕事がサボれる。ヒャッホー!
↓
④人生の先輩から無理だなら諦めろと諭して貰う。
↓
⑤イースが諦めベルゼの所に帰る。
↓
⑥オーリスは誰の目を機にする事なく自由が手に入る。ヒャッホー!!
となる予定だったがアマドの余計な助言により④までは順調だったが⑤の予定が限りなく薄くなった。
薄くなったどころかむしろ「帰らない」と言う最悪のシナリオへと変わってしまった。
そんなったら仕方ない。
「勝たなくてもいいならもーここにいる必要が無くなったな。よし、イース帰るぞ」
考え込んでいるアオスを見てオーリスはイースの腕を引っ張り入って来たドアに向かった。
こんな危険な場所からは即エスケープしないと何を言われるかわかったもんじゃない。
イースを引きずりドアノブに手を掛ける。
「お待ちなさい。オーリス」
アオスからのちょっと待ったコールが発動。
しかし、オーリスは止まらない。
ドアノブを捻り部屋からの脱出を試みた。
ドアを開け部屋から出ようとしたが見えない壁に阻まれ部屋の外へ一歩もでられなかった。
「冷たっ!?氷!?氷の障壁!?なんでっ!?なんで障壁なんかこんな所に!?………!!!」
オーリスは危険を察知し即座に障壁の突破を試みる。
本気で殴る、蹴る、そして体当たりしたが障壁はビクともしない。
仕方ないとドアごと障壁を打ち破ろうと腕に炎を纏わせぶち抜く…。
事ができなかった。
「これで破れないとなると…やっぱり…」
オーリスは恐る恐る振り返るとそこには鬼の形相、まさにクィーンデスオーガのような顔をしたアオスが仁王立ちしていた。
「あなた如きのささいな魔力で私の障壁を突破できるわけないでしょ」
「くそっ!」
「危ない危ない。今回は一瞬騙されそーになりましたけど、どーせこんな事だろーと思ってましたよ。まったく…」
「えっ!?えっ!?えっ!?オーリスさん!これはどーゆー事ですか!?」
イースはアオスのオーラに負けパニックに陥った。
「あなたは利用されたのよ」
「私が?なぜ?」
「どーせ仕事が嫌になってこの子を理由に領地から出てきたのでしょ」
「そーなんですか!?オーリスさん!?」
「ついでに私にこの子を諭してもらって帰らせ1人で何処かにサボりに行くつもりだったよーだけど残念。どーやら今回もお仕置きが必要なようね」
アオスの右腕に透明な長い一本の長い蔓が巻きつく。
「勿体ない。いー酒を開けたのに凍ってしまっては飲めないじゃないか。シャリシャリッゴックン」
その蔓からは冷気が上がり部屋の温度を急激に低下させた。
オーリスとイースは白い息を吐きながら震える。
その震えの原因は恐怖なのか寒さからなのかは本人しか知らない。
「落ち着いて下さい!アオス姉様!これには深い事情が!!」
「言い訳ならお仕置きが終わってから聞きますよ。オーリス!!」
「仕方ない!イース!協力してこの場を…?おい!イース!!起きろイース!!こんな所で寝たら死ぬぞっ!!」
イースは寝ていない。
ただあまりの出来事に失神していただけだった。
「そーね。あなたには起きたまま死んでもらうくらいが丁度良さそうね」
アオスは床まで伸びた蔓をしならせて凍りついた笑顔でオーリスを見つめていた。
またまた投稿まで時間が空いてしまいました。
サボってたわけじゃありませんが、すみません。
嘘つきな猫です。
もうすぐ末サボの初投稿から1年が経とうとしている事に最近気づきました笑
あっと言う前の1年。ブックマや評価、感想が貰えず挫けそうになった時も正直ありましたがなんとか投稿し続けられたのも読んでくれる読者がいたからだと思っております。
初ブックマ、初感想の時の感動を忘れずに今後も頑張っていきたいと思いますので今後も宜しくお願いします!
ついでに空いた理由としては新作書いてました笑
明日の昼から投稿していくのでよければそちらもお願いします!




