降る子供
オーリスは荷造りを終えたみんなの元に戻りこっそり村を出た。
その頃、騒ぎはファメラの一言で収まりつつあった。
「もー犯人捜しはよい!」
「なりませんっ!!これから旦那さんを貰う身であるファメラ様の裸姿見たとあっては死罪以外ありません!」
「多分私の見間違い。そこらの小動物だったようだ」
「…本当ですか?あれほど騒いでいたのに…」
「私がよいと言ったら、よいのだ!!」
「はっ、では捜索隊にもそのように、お伝えします、」
「さて、そろそろオーリス達も帰る頃みたいだし、そんな事で騒ぐのでなく皆で楽しく騒ごうではないか!」
「では、宴の準備をさせてておきます」
「よろしく頼む」
「あれー?」
オチャがキョロキョロしながらファメラ元に近寄る。
「どーしたのだオチャ?」
「いやー、オーリス達の気配が全く感じなくなったのでファメラ様なら何か知っているかと思って」
「オーリス達がいないのか!?」
「グリの気配も感じないのでまたどこかにお出掛けしたんですかね?」
ファメラはオーリスが寝泊まりしていた部屋に走って向かいドアを開けたがそこには置き手紙1枚置かれているだけで他には何もなかった。
ファメラへ
帰る!
オーリス
書かれていたのはそれだけだった。
「アイツめ!少しは感謝させろ!!」
「オーリスは多分そーゆーのが苦手なんですよ、きっと」
「ならせめて…」
ファメラ矢は少し悲しい顔をした。
「多分またふらっと会いに来たりしますよ。オーリスですから」
「そーだな。これもまたあいつらしか。仕方ない、オーリス達がいない分も皆で騒ごうではないか!」
「はいっ!!」
手紙を仕舞おうと折りたたむと裏にも文字が。
俺のとこに来たら歓迎してやるから!
世話になった!
「……………」
俺のとこに(嫁に)来たら…
「こ、これはまさか…プロポーズでは…!?」
ファメラは盛大に勘違いをした。
「どーしました?」
「なっ、なんでもないっ!!」
そんな勘違いをさせたとも微塵も思っていないオーリスはのんびりと歩いていた。
「いやー、助かった!マジで!」
「感謝しろよ」
「感謝してるってっ!今度癒し所のサキちゃんが魔王に会ってみたいって言ってたから合コンしよーぜっ!」
「しないから…」
「まぁーまぁー、ディアがいるのは知ってるけど魔王なんだから色々手を出しても誰も文句は言わないだろ!」
陽気にオーリスと肩を組みファウス声を上げて笑う。
「しかし、荷物がこんなにあったら流石にグリは飛べないし、分担して持って飛ぶか?」
「まぁー帰りくらいのんびり帰ってもいーだろ。やることやって帰るんだし!」
本来の目的は遥か彼方のどこかに消えていた。
「途中の谷越えする時はさすがに飛ぶだろ?」
「そーだった。その時は荷物持ち手伝ってくれよ」
「これで貸し借りなしなっ!」
「そんなわけあるかっ!お前の命の重さはこの荷物程度の重さしかないのかっ!?」
「こんなに俺の心臓が重いわけないだろっ!重量的に言ったら…これより軽いな!」
「リアルな重さじゃねーよ!!」
「冗談だよ冗談。いっつ、デビルジョーク」
オーリスはファウスの尻を蹴飛ばした。
「痛ったっ!!」
いつものようにくだらない事を話しながら谷付近まで道なりを歩く。
「そー言えば谷の底を探検するとか言ってたけどどーする?」
ファウスはオーリスに質問した。
「しばらく家に帰ってないし、底なんかに夢や希望があるわけじゃないから無しでいーだろ」
「そっかー。それは残念」
「行きたいなら行ってきていーぞ」
「いーのか?」
「いーぞ別に、待ってないけどな」
「置いてくのかよっ!」
谷までたどり着くとグリから荷物を降ろしてオーリスは半分ファウスに渡し、もう半分もファウスに渡した。
「なんでだよっ!!」
「なにがだ?」
「いや、どんな間違いだよっ!!」
「間違い?何を言っているんだファウス君。これは貸し1つ分な!」
「………クソッー!」
ファウスは文句を言いながら荷物を谷の向こう側へ運ぶ。
「こんなので貸しぞ1つ消えるんだからむしろ感謝してもらいたいくらいだ。さて、向こう側に着いたら飯にでもするか!」
「それなら私がお肉探してきますっ!!」
「私もお供しますぞ!」
タメトスを背中に乗せたままグリはスピードを上げ谷の向こう側に消えていった。
「なー、オーリス」
「なんだ?」
「なんか向こうの方で争ってるの見えるか?」
「人間同士が争ってるのは、見えなくはない」
「みえてんじゃねーか!」
「だからなんだ?」
「いや、なんで争うのかなって前からから思ってたんだよな。そんな時間があるなら俺は美女といーことしてたい!オーリスもそー思わないか?」
「ファウスのいってるいー事をしたいわけじゃないけど、同感だな。俺はのんびり、ぐったりしたいっ!」
「だよなー!!」
「どうせ争うなら魔族と争えばいーのに無駄な事してるなアイツら。男が死ぬぶんなら幾らでも死んでくれて構わないけどな!」
「おいっ!その被害が俺のとこに来たらどーすんだよっ!」
「それは置いといて、よくよく考えたら何だかんだ勝手に人間国と同盟結んだ上に、間接的に3国を支配下においたわけで、今回は中々の功績立てたんじゃね?」
「おー、言われてみれば確かにそーだな」
「定例会議で報告したら、序列もだいぶ上がる気がするけどどーだろ?」
「報告?俺が?そんなのしないぞ。序列が上がって面倒な仕事を押し付けられたくないからな!むしろ末席に戻れるなら戻りたいくらいだし。戻ったらまたフフルさんに何て文句言われるかわからないから戻らないけど」
相変わらずオーリスは序列に興味を示さなかった。
谷を渡たり終え、グリとタメトスの帰りを火を焚きながら待っていると喚き声が聞こえてきた。
「離せって!!お父様に言いつけるぞっ!!」
「……なんだあれ?」
「おーい。また厄介なのが来たみたいだぞー」
「オーリス様ー!!なんか魔族の子供が魔物に囲まれていたので連れて来ましたー!」
「クギャーッ!!」
「ギャッギャッ!!」
「グフッグフッ」
グリの後ろには大量のワイバーンの群れが迫っていた。
「肉探しにいって!どーしたらこんな事になるんだよっ!!」
「離せっ!でっかい鳥っ!俺様を誰だと!!」
子供は暴れていた。
「はいはい。助けてあげたと言うのに。恩知らずもいーとこですね。まったく親の顔が見てみたいものです。そこまで言うなら離しますからね。オーリス様っ!後はお願いします!私はアイツら捕まえてくるので!!…ポイッ」
グリは掴んでいた足を離すと、子供は真っ直ぐに地面に向けて落下する。
「俺はあっち、オーリスはそっちって事で!ここは任せたぜ!」
ファウスはグリの後を追い勢いよく飛び出す。
「はぁー…またか…」
オーリスは空中で子供をキャッチした。
「誰だお前。こんなとこでなにしてんだ?」
「五月蝿いっ!お前こそ誰だっ!?」
ちょっとだけオーリスはイラッとした。
「文句言うならこの手を離してもいーんだぞ」
「………」
手を離す気は無かったがオーリスは子供を黙らせるために脅した。
「やれるもんならやってみろっ!!その時は…」
「はいっ!」
オーリスは手を離した。
「ふざけんなぁーーーっ!!!!」
意外と早く登校出来ました笑笑
嘘尽きな猫です。
次回から新章始めたいと思いますのでよければ今後ともよろしくお願いしますね!
ブックマ、感想、評価よろしくお願いしまーす!




