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末席魔王。オーリス・ロイスは今日もサボりたい。  作者: 嘘つきな猫
第4章 人間と魔族 編
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終焉と復興

「あーっ!いたいたっ!」


黒騎士とその後ろに隠れているミュゼとジョルジュの姿を見てオーリスは手を振る。


もう片方の手にはカーデンを引きずったまま。


「誰こいつ?」


黒騎士の目の前に這いつくばるゲイバルト。


「魔…族…」

「そーです。私が魔族です」


「グヘェッ」


オーリスはゲイバルトの踏みつけ跪いている黒騎士の肩を叩いて労をねぎらった。


「オーリス様っ!その血、怪我でもしてるのですかっ!?」

「これは…俺のじゃないから大丈夫」

「心配したのですからねっ!!」

「おっ、おいっ!!汚いから抱きつくなってっ!」


ミュゼはオーリスの汚れを気にすることなく強く抱きしめた。


「ちょっ。ジョルジュに話があるからどいてくれぇ」

「いやですぅーー。」


オーリスは自分から離れようとしないミュゼを必死に引き剥がそうとした。


「これ、ミュゼ。オーリス殿が困っているではないか…その引きずって居るのはカーデン王?なのか?」


「ん?コイツの事か?」


カーデンをジョルジュの前に放り投げる。


「こっちに逃げて来たから取り敢えず高価そうな服だし偉い奴だと思って捕まえてきた」


ジョルジュは腫れ上がったカーデンの顔を見たが正直誰なのかわからなかったが、着ている物からカーデンと判断した。


「カーデン王って言うのか。それでこっちの死に損ないは誰なんだ?」

「そいつはゲイバルト王」

「こっちも王様かよっ!しかも死にかけてるしっ!!」


オーリスは大急ぎでゲイバルトを回復させる。


「黒騎士さん!こーゆー相手は生かしておいてくれないとっ!」

「…?」


「でも、オーリス様。黒騎士さんには殺せって命令してませんでしたか?」

「あー…そんな命令したような気は…するけど。そこは忖度的な事してくれてもいーのでは?」

「…?」


黒騎士から返事はなく、静かに首を横にされた。


「はいはい。どーせ俺が悪いんですよね。そーですよね。知ってますよー!」

「あっ。オーリス様がいじけたっ!」


ゲイバルトとカーデンを回復させ2人を正座させ事情を聞き出す。


「旗が3つあったし、お前らの他にも王が後は1人いるんだろ?」

「えぇ……っ!…おがっ!!!」



その返事を聞きカーデンの顔面に前蹴りをかまし背後の壁にめり込ませた。


「なぁー。立場わかってる?俺にどれだけの苦労をかけたと思ってんだ?謝罪しろ。そーだ俺にお詫びは無いのかっ!」

「そー、言われましても…」


「はぁ?こーゆー時は金だろ金っ!もっているだろ!?」


オーリスは一国の王を恐喝する。


「手持ちはこれくらいしか…」


ゲイバルトは懐にある小銭袋をオーリスに差し出した。

その袋の中には白金貨が137枚ほどあった。

白金貨を見てオーリスは叫ぶ。


「こんなコインが100枚程度あったところで何が買えんだよっ!!」


「えっ…結構色々買える金額だと…」


ゲイバルトは混乱した。

この魔族は一体なにを買おうとしているのかと。


ビルバット帝国ではクラスタ王国と同じ通貨が使用されおり、白金貨1枚で金貨10枚分の価値がある。

金貨1枚の価値がおよそ10000ゴールドなのでゲイバルトが差し出した金額は1370万ゴールドとなるが、オーリスからみたらただの100程度のコインにしか見えず、その価値がわからなかった。


「俺が欲しいのはこんなコインじゃないっ!」


オーリスは白金貨の入った袋を外に投げ捨てた。


「俺が欲しいのはゴールド?って言うお金!王様ならあるだろ?3800ゴールドくらいっ!」


「えっ!?」

「はいっ!?」

「オーリス様…」


その場にいた人間は提示した金額を聞き気が抜けた。


「もーいや。金ないなら用も無いしな」

「えっ?えっ?あっ!いやっ!?ちょっと!?」


ゲイバルトの言葉は無視して襟首を掴みミュゼの見えない場所まで行き白金貨の袋と同じく外に放り投げた。


「おわぁっ!?」

「ん?」


外から聞き覚えのある声がしたのでオーリスは窓から顔をだす。


「おー。ファウスとグリか。そっちは片付いたのか?」


「片付いたけど、なんかコイツが空から降ってきたから一応捕まえたけど。こいつ飛び降りでもしたのか?」

「やっとみつけましたよオーリス様」


グリの背中に乗ったファウスの手には先ほど投げ捨てたゲイバルトがいた。


オーリスはゲイバルトを投げ捨てた経緯を話すとファウスはため息をついた。


「あのなオーリス君。きみは人間が使っているお金を知っていますか?」

「この国だとゴールドだろ?ルブを使おうとして断られたからそれくらい知ってるっ!」


「ならそのゴールドはどんな色や形をしていてどの位の価値があるかは知ってますか…」

「あー…そー言われてみたら見た事ないし知らん!」


ファウスがグリにある物を取りに行かせる。


「はい。これね。これは何でしょうか?」

「さっきのコイン」


「そんなわけあるかっ!王様が無価値なコインなんて持ち歩くわけ無いだろっ!!これは白金貨って言って金貨の10倍の価値があるお金だよっ!つまり、お前が欲しがってるゴールドがこれっ!!」


オーリスは白金貨を1枚取り何を思ったか潰した。


「何してんだよっ!!」

「えっ?なんか柔らかいなーって思って」


「だろーな!材質が白金だから柔らかいに決まってるだろっ!いや、お前の握力なら大体どんな物でも柔らかいだろーよっ!!」


こんなコイン1枚に本当にそんな価値があるのかと疑問を持ちながらオーリスは白金貨を元に戻した。


「とりあえずこれがあればクラスタ王国で買い物できるってことね」

「色々省略し過ぎだけど、そーゆー事。久々にお前と会話して疲れたわ…」


オーリスはファウスの丁寧な説明を聞くとゲイバルトに近づいた。


「ならこれでチャラって事にしてやるな!」

「はぁい??」


顔面蒼白のゲイバルトの肩を叩いて満足そうにオーリスは笑った。


そしてまた突拍子もない事を言い出す。

オーリスは離れたジョルジュに向かって叫ぶ。


「ジョルジュっ!お金が手に入っし、ロハスに怒られそうだからやっぱこの国いらないわっ!さっきの話は無しでっ!」


「えぇー!?オーリス殿はそれでいーのか!?」

「こんなボロボロな国もらってもなっ。それより金だっ!」


「いらないと言うならこちらはそれでよいが。魔族の領土拡大や序列のための支配はいーのか?なにより一大決心した私の気持ちは!?」

「面倒だしいらないわ。支配するならお前が今まで通りやれば?それにお前の気持ちなんていらんっ!」


「まぁーいいけどよ。それを聞いたらまたフフルさんが家飛び出してくんじゃないか?」


ファウスがオーリスの肩を叩いてうな垂れた。


「大丈夫大丈夫っ!さすがのフフルさんもここまで見えてるわけないし!」


オーリスは自信ありげに笑い、その声がこの戦争の終わりを告げるものになった。


それから捕らえた2人の王をオーリスは脅した。

特に何をする訳でもなく、魔力を全身に纏、両者の首を絞めながら。

再び何処かの国と戦争を起こしたら真っ先に殺しに行くとだけ伝えた。


当然、両者の意思に反して戦争が起こったとしても殺しに行くから、死にたくないなら戦争を起こすなとも忠告した。


それから捕虜を全員解放し、クラスタ王国の復興のため馬車馬の如く働かせた。


「働けっ!働けっ!死ぬまで働けっ!…死んだら駄目だから死ぬ手前まで働けっ!!」


アゲハが鞭をビシバシ振りながら復興の指示を出している。


生き残った他国の兵だけでは足りないので、ビルバットとサルータからも増援を送らせ手伝わせる事で人数と魔法にモノを言わせ猛スピードでクラスタ王国復興が進む。

それから2週間が経つ頃には半分程復興し終える事ができた。


そして死んでいった者達を国を挙げて供養する式が開かれる事になった。

当然、オーリス達も変装しその場に参列する。


「こんな事する意味…」

「いーからお前は黙ってろよっ!」


ファウスに後頭部を抑えられオーリスは大人しく地面

を不満げに見つめていた。


滞りなく式は進み、ジョルジュが国王とし民集に再度、そして強く涙を流しながら平和を約束している姿の時だけはオーリスも大人しくしていた。


式が終わりそろそろいーかと城を出ようとオーリスは外に出かける。

もちろんファウスの魔法で変装して。


門の前には見た事のある騎士が剣を地面につき刺し立っていた。


「おー。爺さん生きてたか!」

「当然、まだまだ若いものには負けませぬよ!オーリス殿は今度はどちらに?」

「見回り的な、買い物的な?」

「そーでしたか。復興が進んでいるとはいえ店を出している場所は少ないとは思いますが、気をつけて!」


爺さんに別れを告げ、街に出ると前までの活気とまではいかないがそれなりに賑わっていた。


「ここもそろそろだな」


目的の場所を確認し城に帰ろうとした時だった。

復興に励む中にアイツらが働いていたのが目に入った。


「おっ。頑張ってるな!」

「オ、オーリス様っ!」


ゲイバルトとカーデンが一生懸命レンガを積み重ね作業に励んでいた。


「まだいたのか?働くのもいーけど、そろそろ邪魔だからさっさと自分の国に帰って殺されないように気をつけて生活していーぞ。あっ、でも兵は置いてけよ。完全修復するまでこき使うから。終わったら殺す…」


「殺すのはっ!」

「どーかオーリス様っ!」


「ゲイバルト国王…」

「カーデン様…」


「なんかまともな国王になってるし…」

「どーかっ!!」


「別に殺す事なく追い出すって言いたかったんだけど…わかったから。そんな事、俺もしないし、ましてジョルジュがするとも思えないしな」


「ご慈悲に感謝を…」

「感謝を…」



両者は自国に帰ると再び同盟を結び共同して軍事強化を進めた結果、どこからも攻められず、どこにも攻め込まない事を国の理念として掲げ繁栄し続ける事になる。


戦争を起こした事により長き平和を手に入れたのだ。


ラバブ国は?

そこまでオーリスが気にするわけがない。


国王不在と知ったどっかの国の誰かさんが攻め込み滅んだとか滅ばなかったとか。


最終的にはクラスタ王国含め、ビルバット帝国、サルータ共和国、ラバブ国の4国を一気に支配獲得する権利をオーリスは放棄した。


その代わりにビルバット帝国、サルータ共和国はクラスタ王国の支配下に置かられる事になったようだ。


次の日、のんびりと城内で朝食を取っているとミュゼが駆け寄って来るのが見えた。


「あっ!オーリス様やった見つけました!」

「どーした?ミュゼ?」


「お父様がこれにサインしてもらってこいと!」


ミュゼが出した書類を読みもせずサインしよーとしたがミュゼの様子が変だったので一応なんの書類か確認するとそこには…。


婚姻届


と、あった。

オーリスは無言でその紙を破り捨てた。


「チッ」

「えっ?」


ミュゼの方向から舌打ちが聞こえた気がしたがミュゼはニコニコ笑っているだけだった。


「あっ!ごめんなさいっ!こっちの書類でしたわ!」


再度渡された書類にはしっかりと何度も目を通したが、ロイス領との永遠の友好条約に関することしかなかったのでコレにはサインしたのだった。


これによってクラスタ王国とロイス領はなぜか同盟を裏で結ぶことになり、後々問題になるのだがその時またオーリスはこの事を忘れていたのだった。


朝食を終えるとオーリスは動きだす。


「さてと!条件は揃った!そろそろ本題の仕事をしますかっ!」



書き足し書き足していたら長くなりました(°_°)


嘘つきな猫です。


新作書いてみたけど同時並行で、書くのって難しいとさっき気がつきました∑(゜Д゜)

でも、頑張ります!


長くなりましたが、そろそろ人国編も終わりになりそうです!

この次はもちろん未定です(笑)


これからもオーリスとよけれ新作の魔道具こあらも宜しくお願いしまーす!

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