それぞれの仕事
「クソっ!なんなんだこいつはっ!」
カーデンは発狂していた。
黒騎士に向けあらゆる攻撃魔法を放ってはみたものの直撃したのかしてないのかすらよくわからない状況に。
直撃したと思ったら火球は燃えることなく消え、氷柱も凍らせること無く、風の刃は黒騎士を切り刻むこと無くどこかに消えていく。
これではダメージを与えているのかすら定かでない。
「これならどーだっ!!」
カーデンは雷撃を四方から浴びせる。
「……」
「どーだっ!黒焦げになって…しまった!最初から真っ黒なのだから黒焦げになったかどーかわからではないかっ!」
「……」
「まさかの逆ギレっ!?」
ついミュゼがツッコミを入れてしまうほどに。
もー誰にどーキレてたらいーのかもわからなくなっているカーデン。
「私の魔法の威力なら、どんなに硬い鎧だろーと中の人間は黒焦げになって死ぬ程の威力だぞっ!今までそーならなかった者は誰1人としていなかったっ!」
カーデンの発狂は止まらない。
自分自身の実力に対して自分が疑いを持ってしまった事に対してプライドが許さないのだ。
「まてっカーデン王。もしかしたら魔法が効かないのは、あの不気味な鎧の能力かもしれないぞ」
「あの黒いだけの鎧にそんな力がっ!?」
カーデンの様子を見てゲイバルトが声をかける。
2人は黒騎士について各々考察する。
しかし、2人が考え出した答えのような、そんな効果も能力も黒騎士は持っていない…いや、持っているとと言えば持っているがそれは性質によるもの。
なにしろあれは鎧でも無く、金属、物体ですらないのだから。
あえて黒騎士を例えて言うなら玉の集合体。
極々小さな粒が集まり形を成しているだけ。
その集合体は全てを飲み込んでしまう。
有から無へ変換してしまう性質を持ち、敵からしたら悪質極まりない力。
実際にそこに存在はしているがけっして捕らえることのできない存在であり、そんな存在に攻撃を当てようと言うのが土台無理な話。
自分の意思をもち、オーリスの話を理解するだけの
知能も持ち合わせた生命体に限りなく近い存在。
魔物で分類するなら、シャドーやゴースト系統に当たらなくもないが、それをはるかに超えた上位的存在。
ちなみに、オーリス自身も白騎士と黒騎士が何なのかまったく理解はしておらず、考えようともした事がない。
ただ、自分が楽するために使える者を使っているだけ。
今までの説明をまとめると、よーは得体の知れない存在。
それが黒騎士の正体である。
「いきら考えてもアレがなんなのかわからないが、感覚としてはシャドー系統の魔物の可能性はないだろうか」
ゲイバルトの戦闘経験が別の可能性を見出し、答えに近づく。
「そーかっ!なるほどっ!!それなら魔法が…いや、ゲイバルト王。それは流石にないだろ。シャドー系統の魔物ならむしろ魔法しか通じないはずでは?」
「確かにそーだが、すでにアレは私達の理解をはるかに超えている。物理が効かない相手がいるのだから、魔法が効かない相手も世界のどこかにいるはず。だとすれば、魔法が効かないのなら物理的な攻撃こそ効果があると考えるのが筋。魔法も物理攻撃も通じない相手など人間、魔物含めこの世に存在するわけがないのだから」
「こじつけにも聞こえますが…そー言われてみればそのようにも思えますね」
ゲイバルトがカーデンの前に出て剣を構えて、取り巻きも一緒に前にでた。
それを見て黒騎士は左手の盾を構えた。
構えた盾が徐々に大きくなっているように人間達には見えた。
実際大きくなっているので間違いではない。
最初は直径30センチ程の小さな盾が今では縦150センチ、横幅80センチの人が隠れることのできる程大きくなり人間と黒騎士の間を隔てた。
「数で負けているから守りに走ったか?それならっ!!」
ゲイバルトを先頭に次々と黒騎士に剣を突き立てる人間達。
それは見事に命中し、黒騎士に攻撃した皆が手応えを
感じた。
「グボァッ…なぜ…剣が体に…」
ゲイバルト含め皆が感じだった手応えは味方の兵の体に剣を突き刺した感触だった。
「剣をすり抜け…いや、剣が突き出した箇所はバラバラって事は…お前の体から出てきた剣はどこからきたというのだっ!!?」
「なぜ俺の剣が…俺の腹に突き刺さ…さって…い…る…」
ゲイバルトの腹に自身の黄金に輝く剣がブスリと腹部を貫通している。
他の兵士も自分の剣なのかそれとも他の兵士の剣なのかはわからないが頭部、頸部、胸部、腹部のいずれかを剣が貫通していた。
血を吐きもがきながら兵は死んだが、ゲイバルトだけはかろうじて息があるのをカーデンは知っていたが、逃げた。
自分の命惜しさに同盟を組んだ王、正確には先ほどまで組んでいた王を見捨ててその場から逃げたのだ。
「カー…デン…貴様っ…っ」
腹部を圧迫し出血を抑えようとするが血は流れ出てくる。
逃げたカーデンを追う事は無く、膝をついた顔面蒼白のゲイバルトを黒騎士は何も言わず見下ろすのだった。
その頃、外はタイラントの活躍により?ほぼ鎮静し幾多の死体がゴロゴロと転がり、瀕死の兵は捕らえられていた。
「ふぅー。これで外は片付いたかな?」
「ファウス様、もーおしまいですか?」
「終わり終わり。さすがに疲れたよ」
「なんなら隣の国もやっちゃってきますけどいかがいたしましょう?」
「阿保かっ!さすがに俺の独断で行ってこいなんて言えないからっ!」
「そーですか…それではまた是非活躍の場があればお呼びください。ペコッ」
タイラントはしょんぼりと肩を落とし再びローブを纏うと一礼して帰って行った。
「この魔道具さんは、呼びたい相手を選べないんだけどな…」
外が片付き、内はと言うと。
「さぁー殺しなさいっ!自分を殺して最後としなさいっ!」
アゲハの洗脳により敵国の兵同士で互いを殺し合わせた後、残った兵を自害させていた。
「ふぅー。魔族側の対応としてはこんなものかな?ウプッ…まだ吐き気が…私、こんな事するために魔族側に付いたつもりなかったのにーっ!…ゲロロロロッ」
アゲハひ気持ちも胃の中身も吐き出し、片付けの最後を汚くかざっていた。
そして残るは城内。
オーリスは黒騎士の反応がある場所に向けて歩いていた。
「アイツら動くなって言ったのに。黒騎士さんいるから死んではいないみたいだけど…ん?」
前方から汗まみれ、土まみれになりながらカーデンが走ってこちらに向かってくる。
「なっ!?今度は魔族っ!?」
オーリスを見るや進行方向を変え別の通路に曲がった。
「あの見た目…とりあえず捕まえるか」
オーリスは壁と通路を無視してカーデンに一直線に向かった。
必死に逃げるガーデンの横の壁から突然腕が飛び出てカーデンの首を捕まえた。
「どこぞの誰さんかは知らないけど、多分敵国の偉い人だろ?」
「やめろー!離せー!」
「五月蝿いなぁー。掴まえにきたんだから離すわけないだろ?お前は離せと言った相手を逃したか事あるか?」
腕も戻そうとすると、カーデンのテンプルに壁が直撃し気を失った。
「あっ!!壁あるの忘れてたっ!えっ…もしかして殺っちゃった!?」
慌てて壁を突き破りカーデンに往復ビンタをする。
「死ぬなっ!!…ビシバシ、ビシバシ、ビシバシ」
カーデンの顔は頬骨が分散され、顎はくだかれ、頬は腫れ上がり顔を見て誰なのか判断できないほど変形させるオーリス。
「あっ…落ち着いて考えれば回復させたらいーだけじゃないか」
心音は聞こえる。
生きているのは確実。
騒がれるのは面倒だからとカーデンを治療する事なく引きずりながら黒騎士達のもとに向かうオーリスだった。
何だかんだ地元を満喫しました(笑)
嘘つきな猫です。
明日帰るのか、、、。そして勉強の日々が、、、。
仕方ないので諦めよう(笑)
オーリスには諦めず序列をあげてもらいたいものです(^○^)(笑)
なので、これからもよろしくお願いしまーす!




