決まった物は仕方ない。
夜更かし最高ー!
「えっ…ファウス殿は今、なんと言ったのですか?」
人間達は一瞬、息することすら忘れてファウスの言葉に自分の耳を疑った。
「いや、だから今からここは魔族の領地って事になったよ。って報告だけど」
「それは本当なのですか?」
「人間ごときに嘘なんてつかないから」
「それは国王も、もちろん承諾済みという事か…」
「最初は渋々って感じだったけどな。まぁー心配するのも無理ないか」
「なら、我々人間は魔族の支配を受けるのかっ!?」
「国王は何を考えてんだよっ!!」
「なら私達は何の為に戦っていたというの…」
リーズは文句を言い、カルネは戦い死んでいった仲間たちの死骸をみながら崩れ落ちた。
「そー落ち込まなくても。支配されるとは言っても、その支配するのがあのオーリスだし。それに国王が変わるわけじゃない。あのオーリスが裏でジョルジュを操れる訳がないし、それにこの国を支配して人間達を苦しめよーとか、そーゆーことしようなんて最初から考えるような相手じゃないのは保証する。多分、今まで通り生活できるだろ。まぁー魔族はよく見かけるようにはなるだろうけど心配ないって!だから元気出して敵国と戦争しよーかっ!」
そんなファウスの言葉は誰の耳にも届いていなかった。
「決まった事にいちいち落ち込んでいたら意味ないだろ?さぁっ!気持ちを切り替えて向こうの戦場に…」
「そぉーーーーっ!いやぁーーーっ!!」
タイラントがファウスの指差した方へ跳んでいった!
「…あいつ本当に敵と味方をみわけられるんだよな?」
不安そうに跳んでいったタイラントの後ろ姿を見つめるファウスだった。
ファウスがバラッド達を励ましていた頃、オーリスは街中を悠々と歩いていた。
「な、なんでこんな所に魔族が歩いているんだっ!?」
当然逃げも隠れもしないのだから敵国の兵士に即遭遇するのは当たり前。
「怯むなっ!隊列を組み後方から一斉に魔法を打ち込めっ!」
「…準備完了っ!」
「放てぇーーーっ!!!」
近距離からオーリスに向けて一斉に魔法が放たれる。
放たれた同種の魔法はお互いに作用し威力を増してオーリスに襲いかかった。
が、相手は腐ってはいないが、腐っても魔王。
逃げず、怯まず、欠伸しながら迎え撃つ。
「白騎士さん、やっといて」
迎え撃つのは白き光を放つ鎧を纏った白騎士。
オーリスはその一言だけで発して腕組みした。
魔法とオーリスの間に白騎士が立ち、魔法に向かって剣を振り下ろす。
そこそこ巨大な魔法は切断されオーリスを避けるように後方の建物を吹き飛ばし破裂した。
「な、なんだアレはっ!?それに魔法が切断されただとっ!?」
その光景に人間は慄き、そしてもう1人焦る男がいた。
「ちょっとっ!白騎士さん!!何してんのっ!?俺の領地になったんだからこれ以上壊さないでっ!!」
「…」
白騎士から言葉は返って来なかったが、なんとなく申し訳無さそうにオーリスにたいして軽く会釈したように見えた。
「魔法がダメなら数だっ!数だ押せっ!!所詮は魔族1匹、皆でかかれば仕留める事は容易なはずっ!」
隊長らしき相手が一斉攻撃の指示をだし、敵国の兵士はオーリスと白騎士めがけて突撃してくる。
低級の魔族なら数押しでどうにかなるかもしれないが相手が魔王では話にならない。
なにより、魔王にたどり着く前には白騎士もいる。
「俺を数でどーこーできると思ったのか?俺をどーこーしたいなら魔王の2、3人は連れてこい」
それは一瞬だった。
オーリスが手をかざすと敵国の兵士の足が止まった。
「なっ!?足が…足が動かないっ…」
自分の意思とは別に、足が地面から離れなくなった敵国の兵士は自分の足元を見ると白い煙のようなものが地面を這っていた。
何かが燃えていると一瞬思ったが暑さは感じない。
むしろ両脚から何も感じない事に気づいた。
地面を這っている煙の正体は冷気。
冷気により周りの空気中の水分が凍り、キラキラ輝く。
オーリスの放った氷魔法により脚と地面が一瞬で凍りついたのだ。
「自分の領地がこれ以上血で汚ごしたくないからな」
「くそっ!…あっ」
無理に脚を動かそうとした兵士達は完全に凍った脚が崩れ地面に前のめりに倒れた。
倒れた先の地面にあるのはものは極限まで冷やされた冷気。
それによって全身の細胞は活動をやめ、2度と目を閉じる事はなかった。
「無茶するから。無理は体に悪いのに」
「助けてくれぇ…」
人間達はオーリスに助けを求めたが、敵国の兵士の命なんてものにオーリスは価値があるとは全く思ってはいない。
オーリスが助けるわけもなく、人間は身体の末端から黒く変色していった。
「やっぱ雑魚相手にしてても時間の無駄か…ボスを倒しに行かないとこの戦いはおわらないみたいだな」
歩くたびに敵国の兵士が果敢にオーリスへチャレンジしたがその結果は未だ実ってはいない。
オーリスとファウスが外に出て出ていった後、ミュゼとジョルジュは黒騎士と共に安全な場所に移動していた。
「お父様しっかりして下さい」
「あぁ。大丈夫だ…」
肉体的疲れよりもどちらかといえば精神的にジョルジュは疲弊していた。
なにしろ自分だけの判断で自国を魔族の領地にしてしまったのだからその心労は計り知れないだろ。
今後の民たちの暮らし、今後のクラスタ王国の行方、そして自分の立場にミュゼの扱い。
罵詈雑言を浴びるであろう結果は目に見えている。
ジョルジュは自分の行動に未だ自問自答を繰り返していた。
オーリスを信頼したと言っても、ジョルジュはオーリス・ロイスと言う魔族をほとんど知らない。
それはミュゼも同じ。
しかし、決断をしなければクラスタ王国は間違いなく滅び消えていたのは確か。
今はこの争いが早く静まることを願う2人だった。
「ここにいたかっ!!よーやく見つけたぞジョルジュっ!!」
ジョルジュのが見た先には。
「お前らは…サルータのカーデン王にビルバットのゲイバルト王っ!!」
「久しいなジョルジュ王よ」
ゲイバルトは護衛兵を踏みつけ胸元に剣を突き刺さしていた。
「私達の他にもラバブのサブロイ王も来てるはずなんですけど、ちょっと遊びに出かけたみたいなので後でご挨拶しにくるとおもいますよ」
カーデンはゲイバルトの横に立ちジョルジュにお辞儀をした。
「なぜっ!?我がクラスタ王国に攻めて来たっ!?我々は同盟を組んでいたではないかっ!?」
「確かに同盟を組んではいたがそれは昔の話。内乱が起こっていると聞き、昔の借りを返せる絶好の機会が来たので同盟は破棄させてもらったっ!それに強力な後ろ盾も手に入れたからな。これから隣国全と戦い我らの領地として支配するっ!」
「なんて恐ろしい事…」
「まずはクラスタ王国を支配下におき、ここを拠点にさらに領地を拡大する予定なので、すみませんがジョルジュ王、貴方は邪魔でしかないのです。だから死んでください」
カーデンは兵に支持をだしジョルジュとの距離をじりじりと縮めていく。
なぜ一気に襲い捕らえないのか。
それは目の前に真っ暗な鎧を着た異様な騎士が静かに立っていたからだった。
黒騎士は微動だにせず、言葉も発することもなくただ静かに立っている。
「その不気味な兵はお前の近衛兵か何かか?」
ゲイバルトだけがその異様さに気づく。
「カーデン王よ、気をつけろよ。あれは人間とかそーゆー類の者ではない」
「ほぉー。何かの術、それか召喚のような類の者ですか?」
「見たことも感じたこともない殺気。相手がどんな奴なのかはわからないが警戒すべき相手と見た」
「豪傑ゲイバルトとあろうお方にそーまで言わしめるとは。わかりました」
カーデン王は兵士にこれ以上進む事をやめさせ、杖を持ち自らが前に出た。
「私も名高き術者の端くれ。お相手願おうか」
明日実家に帰る予定。
だいたい帰るまでに6時間程かかります、、、。
嘘つきな猫です。
荷物最小にして帰る。まってろ姪っ子達!笑
ちなみに田舎なのでほぼ毎日帰郷中は投稿するつもりです。
オーリス達も早くロイス領に帰れるといーなとは思ってますがまだまだ先でしょうね笑
夏を楽しめっ!レッツ!enjoy!




