オーリスの石像
オーリスは体が石化していく自分を見てグリに駆け寄り空にぶん投げた。
「悪いけど、グリにはこの石化は無理そうだからしばらく離れてろ」
グリが空中で体制を立て直し下を見直した時には既にオーリスの体全てが石になっていた。
「自分の身よりあんな小さなペットの命を守るなんて馬鹿な男だ」
「クェッ!!ククェッ!!」
グリは空を旋回しながらオーリスに鳴き声を向け続けた。
「我が子の仇は取った。石にしたとは言えコイツの顔は2度とみたくないので、こーしてやるっ!」
コカトリスは石になったオーリスに向け、尾を叩きつけた。
「これで永遠に会うことはないだろ」
「そーなればよかったんだろうけど、残念なお知らせがあります。」
叩きつけられた尾をしっかりと右手で握り、石の中で声が反響し不気味な揺れ方をしながらコカトリスの耳に届いた。
「お前っ、石になって。なぜなってないっ!?」
「言いたいことがあるならちゃんとまとめてから話せ。聞き取りづらい」
「私に睨まれた相手は必ず石になるはずだっ!」
「今までの弱小相手ならそいだったもしれないが、そいつらと俺とじゃ格が違うからじゃないか?まー、着ていた服と皮膚が薄っすらと石にはなったけど、残念ながら俺の心臓までは石化させられなかったみたい」
パンツ1枚だけの姿でオーリスは左右の腰に手を当ててコカトリスを笑った。
ビジュアル的にはなかなかシュールな光景ではあるが、蛇の王と言えど所詮は魔物。
何度も言うがオーリスの敵ではない。
「それなら今度こそじっくりと石化させてやるっ!」
オーリスを再度睨みつけたがオーリスの姿は一瞬で消えた。
「どこいったっ!」
「よーは、お前に見られなきゃ石にはならないんだろ?」
「クソ野郎っ!逃げる気かっ!」
「逃げるわけないだろ。お前の頭を持って帰らないと金が手に入らないからな」
オーリスは暗闇から高速でコカトリスの首元目掛けて剣を振り下ろした。
「スカッ・・・ザンッ!」
暗闇に目が慣れてきたとはいえ相手の体色が暗いせいもあり目測を誤りコカトリスの首元ではなく大地を切り裂いた。
「な、何だそれはっ!」
「これはちょっと特殊なただの剣です」
「お前人間じゃないなっ!」
「おー。自己紹介が遅れだから俺はオーリス・ロイス。第・・・何席だっけ?・・・まー細かいことはいーや。とりあえず魔王だ」
「はぁっ?」
コカトリス微妙な顔は暗くてはっきりとは見えなかったが多分そんな顔をした。
「魔王なんてのがこんな人間の国の近くをウロウロしているわけがないだろっ!」
「お前に言っても仕方ないから信じてもらいたいなんて思ってない。それより焚き火1つの灯りじゃ暗くて見辛いな・・・」
オーリスはそー言って片手に3つほど火球を作るとコカトリスの背後にある森に火をつけた。
木々は次々と燃え広がり辺りを明るく照らした。
「なんて事をするんだっ!森を燃やすなんてっ!」
「ここは俺の土地じゃないからどーなっても俺にはかんけない。それよりお前はそんな顔だったんだな。ごたいめーん」
燃え盛る炎がコカトリスの全体を照らす。
「よく見てもやっぱりただの鶏だな。でもどーしたらあんな蛇がそんな鳥みたいに成長するんだ?」
コカトリスは返事をせず、その代わりに毒を吐いてきた。
「だから無駄だって」
オーリスは腕を振り払って突風で毒を消しとばす。
毒も石化も効かない自称魔王を目の前にし、背後は燃え盛る炎の海と化した森。
命の危険をようやく感じたコカトリスは翼を羽ばたかせ空に逃げた。
「逃げるなよ王様」
空に飛び立とうと体を浮かせたコカトリスは気づく。
これ以上高く飛べないと。
地面を見るといつのまにかオーリスに尻尾を掴まれていた。
それでも御構い無しに力強く羽ばたくコカトリス。
「クェッ!クェッーー!!」
上空からグリが急降下しコカトリスの目に爪を立てた。
「クソックソックソッー!!!」
コカトリスはバランスを崩し地面に落ち、見上げたそこには剣を持ったオーリスが立っていた。
「クソクソ五月蝿いって。お前は糞好きのうんこ野郎ですか?」
「カァッ」
コカトリスは油断しているオーリスを見て今だッ、と判断し、眉間に隠されていたもう一つの目をオーリスに向けた。
「知ってるかコカトリス。落ちた女神の話を・・・」
オーリスは自分に向けられた視線の先に剣を構えた。
「なぜっ・・私が・・石に」
コカトリスの第3の目には通常より強力な石化能力があった。
自分自身に石化の耐性があるので水などに反射した自分を見ても石化する事はないが、第3の目は見たもの全てを石化させてしまう。
当然その中に自分自身もふくまれる。
そんな第3の目を常に開けていては何かしらの偶然で自分を見てしまったら、そのまま石化してしまうのでいつも閉じていたが、オーリスが目の前にいた事でそのリスクはないとみてコカトリスは第3の目を開いた。
しかし、石化しているのは目の前のオーリスではなく自分。
コカトリスは混乱した。
「昔ある所に、とても綺麗な巨乳の女神とそこそこ可愛い貧乳の女神がいました。2人の女神は同時に同じイケメンを好きになり奪いあったそうです。とても綺麗な女神は当然自分より綺麗な相手なんていないから自分が選ばれると思ったら、結局選ばれませんでした。好きな相手に理由を聞いたら、「可愛系が好みでお前はプライド高そうだし付き合っても疲れそうだからごめん。それに俺、黒髪ストレートロングが好きだから金髪は論外。何より貧乳最高っ!」と言われ振られた事に腹を立てた綺麗な女神は、そこそこ可愛い女神が寝ている隙に勝手に綺麗な黒髪を切り、その髪を燃やしてチリチリになる呪いと巨乳になる呪いをかけたのですがそんな呪いは存在しないので失敗しました。その事をそこそこ綺麗な女神の父親の上位神に告げ口された事で父親の怒りを買い、綺麗な顔を醜い化け物に、髪と下半身は蛇に変えられ天界から追放されました。イケメンへの腹いせにイケメンの人間を石化させコレクションしていたんだけど、討伐に来たイケメンがあまりにも好みで石化させるのをためらっていると、イケメンからプレゼントされた鏡をみて自分が石化してしまった話をしってるか?」
「お前は何・・・言って・・」
「つまり、イケメンには気をつけろって事らしい。多分」
「イケ・・メンッ・・」
「リアから聞いた話はちょっと違うかもしれないが、そーゆーことだ。・・・ってもー聞こえてないか」
「クェッ!」
グリはオーリスの背中に捕まり肩に頭を乗せた。
「手伝ってくれたみたいでありがとな、相棒。なかなかいー仕事したよ」
「クェックェッーー」
オーリスは石化するコカトリスを見送った。
「依頼は達成けど、この姿でクラスタ王国にいれてもらえるかな・・・いやいやっ!色々まずい状況だわコレっ!」
「クェ〜??」
「グリ、マジでどーしよ・・・」
依頼達成したにも関わらず、オーリスはパンイチ姿で炎に照らされながら落ち込んだのだった。
ブックマありがとー!
嘘つきな猫です。
明日はアップできないので悪しからず:(;゛゜'ω゜'):
綺麗な女神ともどもよろしく。
評価下さい笑




