過去の記憶と今の目的
よければゆっくりしてって下さい。
「みんな席についたわねっ」
リアが元気よく仕切っているが、そこまでする事でもないだろと1人の男は思っていた。
それは当然、オーリス・ロイス。
オーリスにとっては今回も面倒ごとに巻き込まれてしまった絶望感しかなかった。
だから、やる気なんて0に決まっている。
「さー、説明してもらうわよっ!」
リアがミュゼに迫った。
「何から説明したらいいのでしょうか?」
「とりあえず、呪いを受ける前辺りからでいいじゃない?」
「わかりました。でも記憶が所々曖昧なのですが・・・」
「それは大丈夫っ!そんな細かい事気にする相手なんかここにはいないからっ!」
「それなら・・・」
ミュゼは自分と呪いについての記憶を話し始めた。
「まだ自己紹介をしていない方もいますので改めて私の名と身分から。私の名はクラスタ王国現国王ジョルジュ・クラスタの次女。ミュゼ・クラスタと言います」
「えっ?つまりお姫様ってこと?」
「そうなります」
「どーりでただの美人にはない気品が溢れているはずだっ」
ディアとファウスが興味を示した。
「2人は黙って聞きなさいっ!それでそれでっ!」
「私が友人貴族の家に遊びに行った時の事です。その友人とは付き合いは長く、家族みんなと仲良くさせてもらっていました。その家に遊びに行ったその日の夜に私は誘拐されてしまったようです」
「誰に?」
ディアは質問する。
「相手の顔は見てはいませんから、誰と言われても検討すらつきません。突然背後から麻袋のようなものに入れられ連れ去られましたから」
ミュゼのその話を聞いて男2人は顔を見合わせた。
「それから正確な日数はわかりませんが、しばらくの間、目と口を塞がれたままどこかに監禁されていたのです。何も口に出来ず渇きに飢え、考えていたのはあとどのくらいで死んで楽になれるのかと言うことばかりでした。そんなギリギリの中、突然外に連れ出され聞いた事のない言葉が周りからいくつも聞こえて来ました。多分それが呪いに関わる儀式や呪文だったとおもいます。それを聞いていると身体に痛みが走り、老婆にされたのです。それからは誰から誰かにを繰り返してたどり着いたのがブルギャンで、そこでオーリス様に惨めな人生を送るはずだった所を助けてもらったのです」
「色々話してくれたのは嬉しいけど、呪いの情報少なすぎだろ」
「たしかにファウスの言う通りだわ。呪いをかけた正体どころか、誘拐した犯人すらわからないんだからね」
「オッホンっ!えーっと。みんないーかな?」
オーリスは咳払いして皆んなを説得した。
「今の話から分かる通り、ミュゼからの詳しい情報はなく、また次に繋がる話しもなかった。つまりここで終了。これ以上は何もできないならこの話は聞かなかった事にしよーじゃないか」
「オーリスって意外と薄情なのね」
「そーよ。困っているんだから助けてあげないとっ!」
「助ける?誰を?人間を?冗談はやめてくれ、人間を助ける義務があるとすればそれは魔王じゃない。それは神様って奴の仕事だ。そんなすでに滅んだ相手の代わりに俺が働く義務も理由もないっ!助けて欲しいなら人間が崇めている今はいない神にでもお願いしてくれ」
「まーまー、落ち着こーぜ。手がかりが無いわけでもないだろ?なーオーリス君」
ファウスがニタニタとオーリスの肩を叩いた。
「ファウス。俺を裏切るつもりかっ!」
「俺が一番に忠誠を誓っているのは魔王でもローレン家でもない。俺が正義とみとめるのは美女達だ。ちなみにお前は2番な。だから裏切るも何も、俺は俺の信念に従うまでさ」
オーリスは今まで何度も落としてきた肩を今日もまたガックリと落とした。
「ミュゼ姫っ!ご安心を。このファウス・ローレンと愉快な小人達であなたの不安を払拭し、犯人を見つけあなたの目の前で首を刎ねてみせましょうっ!」
「誰が小人達だっ!」
「そーよっ!私は大人の女よっ!ねっオーリスっ!」
面倒そうなのは今後、極力スルーするとオーリスは決めたので、返事は返さない。
「ねーってばーーっ!」
「あのー、目の前で首なんて刎ねられたら私、失神してしまうのですが・・・」
オーリスはファウスに質問する。
「つまり、犯人探しをして黒幕見つけて八裂きってことだよな?」
「そーだな。なんたって美女に酷い仕打ちしたんだから殺される事くらいは仕方ないと思うけど?」
「結果はどーあれ、そーなると・・・人間の国に行くことになるよな?」
「俺は元々そのつもりだったけど駄目だったか?人間にもミュゼのようなか弱い女性達がいるのだから俺が助けてやらないとっ!」
「誰から助けるつもりだよ・・・。それに行くだけなら別に駄目じゃないかど、さすがにオベルの時のように即バレで大騒ぎにならないか?」
「そこはまかせろっ!俺の魔法で人間に化けてしばらく生活してみるのも楽しそうだろ?」
「楽しい、楽しくないは置いておいて本当に大丈夫なんだろーな?」
「こんな感じでどーだ?」
ファウスはオーリスの姿を変えた。
「すごーいっ!人間にしか見えないっ」
「そーゆー魔法だからな。ただ、解除系の魔法を使われたら簡単にバレるけど。それとオーリスが何らかの力を使うと簡単に俺の魔法なんて弾け飛ぶから気をつけろよ」
「解除の魔法使われたらか」
「まー、そんな簡単に見破られはしないって。相手が魔王クラスならまだしも、人間だろ?心配ないって」
ファウスに説得されイヤイヤながら、オーリスは納得した。
「それじゃーミュゼを送り届けたついでに誘拐犯を捕まえて呪いの情報を聞き出すって事でっ!オーリス頑張ってきてね!」
「おいこら待てよっ!なんだその他人ごとのような発言はっ!お前が言いだしたんだから、お前もいくんだよっ!ファウスっ!コイツに魔法をかけろーっ!」
「了解っ!とびきりの美人にしてみせるぜっ!」
ファウスがミュゼに魔法をかけた。
「・・・・あれ?どーゆー事だ?」
ミュゼの姿はなんの変化もなく、そのままだった。
「どーしたファウス? 早くしろっ!」
オーリスの命令に従ってもう1度魔法を放つ。
しかし結果は同じだった。
「オーリス。悪いけどなんでかはわからないがコイツに魔法が効果ないみたいなんだけど・・・」
「当たり前じゃない。そんなおかしな魔法が私に効くとでも?私にかけたいなら失われた古代魔法でも持ってきなさいっ!」
ファウスはミュゼに違和感を覚え、ミュゼはファウスに勝ち誇った。
「コイツはちょっと色々あるんだ。・・・家庭の事情みたいな事が」
「それなら仕方ない。美人に隠し事はつきものだしなっ!」
ファウスは素直に納得した。
「ディアは置いていくとして、俺とオーリスでミュゼを送り届けて人間の国で楽しむぞっ!」
「ファウス。心の声が漏れてるぞ」
「仕事した上で楽しむならありだろ?」
「ちょっとファウスっ!オーリスを変な事に巻き込まないでよねっ!」
「はいはい。」
すでに変な事に巻き込まれてるだろとオーリスは心の中で思う。
「それじゃー目的が決まった事だし、準備したらすぐにクラスタ王国にミュゼを送り届けるか」
「おーけー。なら準備出来次第門の前集合でいいか?」
「わかった」
「すみませんが、宜しくお願いします」
ミュゼは静かにオーリスとファウスに頭を下げた。
今後レポートとテストに追われて更新は遅れると思われます。
嘘つきな猫です。∑(゜Д゜)
書いてる途中の人国で、一気に登場人物が増え名前や設定が覚えられません。。。
そんなこんなですが、今後ともオーリスをよろしくお願いします。
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