末席の魔王オーリス・ロイスは今日もサボりたい 過去編 〜 オーリスとディアとたまーにファウス 〜 前編
オーリスの過去のちょっとした話を書いてみたくて勢いでかきました。
短編に乗せたのをまとめたので、すでに読んだ方はすみません・・・( ;∀;)
よければゆっくりしていって下さい ^^) _旦~~
末席魔王オーリス・ロイスは今日もサボる。
「オーリス様はどこに行ったのですか?!」
「こちらには・・」
「サーシャっ!」
「いません・・・」
「もう1度探しなさいっ!」
「3度ほど隅から隅まで。倉庫や金庫、庭に至るまでオーリス様が隠れられそうな場所はすべて探したのですが・・・。もしかしたらこの屋敷内にはもういないのでは・・・」
「まったく、本日は大切な定例会議があるというのにっ!! オーリス様ぁーーーーっ!!」
オーリスに使える1人の女性が空に怒りを叫んだ。
家に仕えている者達からあれやこれやと朝から馬車馬のように仕事を押し付けてきたので、食事時にちょっとお手洗いにと言って家から逃亡し今は目の前の川に足先だけつけ、石の上で遠くを見つめ何もせずに空に浮かぶ雲を眺め目で追っていた。
「やぁやぁ、うちの魔王様は今日も仕事をサボっているのかな?」
空を見上げるオーリスの顔を1人のよく知った顔が覗きこんできた。
「なんだ、お前か。ファウス」
「あれっ?そー言えばお前、今日は会議があるんじゃないか?」
「嘘をいうな。お前は俺の恋人か監視人か?」
「いやいや嘘なんて言うかよ・・・。それにあえて言うなら、心友だなっ!」
「よーがないならさっさと帰っていーぞ。俺は休憩中だからな」
「親父の頼まれごと帰りに下を見たら暇そーっに空を眺めてサボってるお前が見えたから来てやったのに」
「サボってないから。ただ今休憩中なだけだ!」
「なんだ。てっきり仕事を抜け出して来てるのかと思ったら。お前でも昔みたいに真面目に働く時があるんだな。それより会議の準備しろよ・・・」
「確かに抜け出してはいるが、俺の中では休憩も仕事のうちだと思っている。そんな予定があるようなないような事をフフルさんが言っていたなぁ・・・・」
「こんなとことろでサボっていて大丈夫なのか?」
「何とかなるだろ。俺の周りは優秀な人しかいないからな」
「そーゆのはわかっているんだな。でも、その結果がこれでは周りの人達は浮かばれないだろ・・・」
そんな雑談をしていると遠くの方で何やら騒がしく馬に乗って走り去る集団を見つけた。
「あれは人間・・・だな。オーリスどーする?」
「どーするも何も、ここは俺の領地でもないしそもそも興味もない」
「しかし、こんな人間も魔族も来なそうな辺境になんの用事だろーな?」
「さぁー?俺には興味がないことだ」
ファウスはオーリスの横に寝そべり気持ちのよい風に吹かれ瞼を閉じ、オーリスは右手で空に円を書いた。
「うまくいきやしたねっ!」
「俺の手にかかればチョロいもんさっ!」
「んっんっーーっ!んんんっーん!!」
「うるせーぞガキがぁっ!」
1人の人間が暴れる袋に何発か蹴りを入れた。
そんな会話をしながらさらに森の奥へと進む集団。
たどり着いたのは汚れ半分腐りかけているように見える家らしき場所だった。
そこに袋を担ぎ家の中に入ろうとした時、袋の一部が裂け何かが飛び出した。
「離しなさいよっ!私を誰だと思っているのっ!」
「存じてますとも、マゼッタ・エバンスお嬢様ぁぁ___」
「だったら早く無礼な態度はおやめなさい!早く縄を解いて無礼を詫びて死ねっ!お父様に言いつけますよっ!」
「オー怖い怖い。国王様に言いつけられたら私なんかの首なんてあっという間に飛んでしましますよ・・・まっ言いつけられたらの話だけどなっ! これも仕事なので許せやクソがぁっ!」
再び袋の中の胴体を蹴り、顔面が血まみれになるほど無抵抗な少女を男は声が出せず動かなくなるまで殴り続けそれから再び少女を担いで家の中に入っていったのを見ていた。
「さて見てしまったけども、どーするんだ?」
「そーだなー・・・」
一方そのころ急いでお出かけの準備を進める女性がいた。
「お母様っ!お母様のキラキラしているネックレスを貸してくださいっ!」
「いいですが、そんなにお洒落してどこに行くのですか?」
「おぉーい。ディアは準備できたのかい?」
「お父様っもう少し準備があるのでもう少し・・・」
「ディア様ー。それでは髪を整えましょう」
「お母様っネックレスを貸してくださいねっ!お父様はもう少し待っていて下さいっ!それではまたっ!」
そう言ってディアは足早に部屋を出て行った。
「ところであなた、ディアはお洒落をしてどこに行くのかしら?」
アオスがアマドに首を傾げながら質問した。
「あぁー。 これから会議があると言ったらどうしても付いてくるといってな。たぶんあの坊主に会いたいんだろ」
「まぁー。ふふふ。いつの間にか女性になっていたのね」
「はぁーもう少し私のディアでいてほしかったんだけど・・・あいつならいいか」
「それでしたら、私も早く準備しないといけませんね」
「えっ? なんで? アオスも行くの? なんで?!」
アオスはキッと目を細めアマドを睨んだ。
「あらっ?ディアはよくて、私が付いてい行くと何か問題でもあるのかしら?」
続いて凍えるような冷たい声でアオスは質問した。
「いやぁいやぁ。 もちろん一緒に行くつもりだったよ。 君を置いていくわけがないじゃないか。 そーだっ!会議が終わったら一緒に買い物でも行こうじゃないか・・・ね」
「それでしたら私は準備してくるので待っていてください」
「もちろん。いつまででも待つよ・・・」
アオスはそう言って部屋を出て行った。
「アマド様、紅茶でもいかがですか?」
「温まりたいと思っていたのだ・・・ありがとう・・・」
アマドが紅茶で温まっている中、髪を整えてもらいながらディアは楽しく会話していた。
「今日こそオーリスには改心してもらって前のような真面目で優しいオーリスになってもらうんだからっ!」
「ディア様はオーリス様のことが大好きなのですねっ」
「別にそんなことはないわっ!ただ前のように・・・・。助けてくれたから、今度は私がオーリスの力になってあげるだけだけよっ」
「ふふっ。そーですか何があったのかは知りませんがディア様にとってはオーリス様はとても大切な方なのですね」
「オーリスは私の英雄なの」
「英雄? 魔王ではなくて?」
「そうよ。英雄よっ」
そういってディアは鏡に映る自分を見ながら昔の出来事を思い出していた。
ディアがまだ小さい時の事を。
ディアの誕生日が盛大に行われた日の話である。
「いやぁー。アマド。お招き感謝するよ」
「ようやく顔を出したかこいつっ」
「俺の方が序列上なんだから敬語使えよっ」
「誰がお前なんかに使うかっ!」
「それは冗談だって。むしろ使われたら背中が痒くて死んでしまわ」
そこに立っていたのはディアの父親、第32席アマド・ハイロットとオーリスの父親、第11席ウル・ロイスだった。
「それより、俺のとこの娘とお前のとこの息子にも仲良くなってもらいたいもんだけどなぁー。ディアはあまり女性らしくなりそうにないしなぁ_」
「俺のとこもクソ真面目な奴で女に興味を持つのはいつになるやら・・・・」
「お互い苦労するな」
「お前のとこにはアオスさんがいるから大丈夫だろ」
「ディアもアオスのように・・・・」
「私のようになんですか?」
アオス・ハイロットがその会話に割って入ってきた。
「アオスさん。お久しぶりです。相変わらずお奇麗で」
「ウル。元気でしたか?」
「ええ」
「そうですか。あの子は?」
「相変わらず真面目なのはいいんですが・・・もっと周りに興味を持ってもらえたらなーっと」
「妹のせいかしら・・・」
「あの子は母親にべったりだったので。 俺にはまったくなつかなくて今ではフフルさんに任せっきりですよ」
「そう」
少しだけしんみりとするウルとアオスに今度はアマドが割って入る。
「今日はディアの誕生日だしな。元気にいこうぜっ!」
「そうね」
「悪かったな。ところで主役はどこ行ったんだ?」
「ドレスが決まらないとか言って部屋でまだ悩んでたよ。 まったくどれを選んでもそう大差ないと言うのに」
「私のドレスも大差ないのですかっ?」
「痴話喧嘩はそこまでにしといてもらえませんか? しかし、オーリスも見当たらない。 あいつはどこで何をしているんだ?」
「あぁー。それなら俺の書斎で読書をしたいって言われたから場所を教えたらさっさと歩いて出て行ったぞ」
その頃オーリスは迷子になっていた。
「すみませーんっ!誰かいませんかぁー!ここはどこですかぁー?」
声をだしてみたものの何の反応もなかった。
「とりあえず適当な部屋にでも入ってみようかな・・・とりあえずここでいいーか。お邪魔しまーす」
扉を開けると半裸の少女がそこにいた。
「な、なにっ! 誰っ?! あんたは誰なのっ!?」
「すいません。申し遅れましたがウル・ロイスの息子、オーリス・ロイスと言います」
「ご丁寧に・・・じゃないわっ!出て行ってっ!早く出て行ってよぉー!誰かぁー!誰かいないのぉー!変態よっ!ど助平よっ!早く殺してぇーーーー!!」
「ディア様ぁー!変態だが出たぞぉー!捕まえて殺せぇーーー」
ディアの声に反応して次々と怖い顔をした人達がオーリスの方に向かって押し寄せてきた。
それを見てオーリスは冷静に判断し逃げだした。
「それでは失礼します」
屋敷内を逃げ回っていると向こうの曲がり角から手招きする手が見えた。
「おーいぃ・・・こっちこっち」
オーリスはその手を怪しみ、手招きを無視して通り過ぎた。
「無視すんなよっ!助けてやろとしたのにっ!」
オーリスの後ろ首を掴んで無理やり手招きした方に引き込んだ。
「どこだぁー!どこ行ったぁー!探せ探せっ!」
「「・・・・・」」
オーリスともう1人は息を殺してその場をやり過ごした。
「ふー。助かったよ。ありがとう」
「いいよ。俺はファウス・ローレン。お前は?」
「俺はオーリス。ロイス」
「あぁー。現魔王のロイス家の。で、なんで追われていたんだ?」
「たぶん、さっき間違って入った部屋で半裸の少女がいただけなんだけどな」
「そんな羨まし・・・そんなことしたからだろっ!それに多分その少女ってのはディア・ハイロットだろーよ」
「誰だそれ?」
「アオス・ハイロット様の娘さん」
「ア、アオスお姉さまの・・・・」
オーリスは立ち眩みした。
「逃げないと・・・マジで殺される」
「殺すって言ってたしな。逃げるか」
2人はその場から離れて屋敷の天井に上った。
「まーここにしばらく隠れていたらそのうち収まるだろ」
「お前って、逃げるのが上手いんだな」
「そりゃー毎日親父から逃げてるしな。こんなことなら探検とか言わず黙ってお姉さま方のドレス姿を目に焼き付けておけばよかったなぁ・・・スリットから見える細くて白い奇麗な脚とか零れ落ちそうな谷間とか・・・・お前は巨乳派?お尻派?」
「・・・・」
ファウスの質問に対してオーリスはファウスに軽蔑した目を返した。
「首とか脇とかだった?」
「はぁー・・・」
ため息をして今後この相手は2度と関わらないでおこうとオーリスは誓った。
ファウスの話を耳から耳へと通しながら月明かりでここに来る途中で見つけた本をオーリスは読み始めた。
そうしてしばらく身を隠し、本も読み終わたのでオーリスとファウス達が屋根から降りようとすると、素早く屋敷から遠ざかる影をオーリスだけが見つけた。
「いまのはいったい?」
疑問に思い動きを止めるとオーリスの耳にファウス以外の声が微かに届いた。
誰か助けて・・・
そんな声を確かにオーリスは聞いた。
そしてその声はさっき自分に向けられた声と全く同じだったが、今回は小さく細くそして震えた声だった。
「ファウス。ちょっと俺に付き合ってくれないか?」
「下で美女の鑑賞をしたいのに。どこ行くんだ?」
「いいことをしにかな?」
「いいことするより、いいことされたい派なんだけどな」
「いから行くぞっ!」
オーリスとファウスは屋根から飛び降りその影を追って走り出したのだった。
どーも。嘘つきな猫です(^^)/
読んでいただきありがとうございました。
一気に書こうとしたのですが時間的に無理だったので前編、後編に分けました( ;∀;)
本編そっちのけで書いちゃいました・・・。
後編を書き終わったらまたいつも通りのオーリス達を書きたいと思います(-_-)
後編で完結させるつもりなので、気が向いたら感想とかくれると嬉しいです(^^)




