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異能戦線-Chronos or BASIC-  作者: 崇詞
編入生編
39/114

編入生編Ⅴ:一級執行、襲撃

 OK?

 何十回間違えたって

 笑われたって

 僕は頑張りを見てるよ


 閉した心開いて

 oh yeah!


 何百回挫けたって

 泣いちゃったって

 何度だって君は立ち上がれる!

 woo yeah!


 you can it!

 可能性もっと感じよう!ほら

 僕だけはBelieve you!


 美川(みかわ) ゆうまのステージで体育館内が盛り上がっている中、警報が館内に響く。

勝也(かつや)、これって!」

「ああ、不審者が侵入したらしい。」

 長崎(ながさき) 勝也と五十嵐 楓太(いがらし ふうた)司馬 一歌(しば いちか)得木 律神(りつか)は体育館を飛び出し、不審者の元へ向かう。




「なんで楓太と一歌も着いてくる!?」

「勝也一人で行ったら、それこそまずいでしょ!勝也が軍人なのは機密事項なんでしょ?」

「それはそうだが・・・」

「おーーーい!」

 三人の元に、音霊 勇牙(おとだま ゆうが)氷川 七姫(ひかわ なき)が合流する。

「なんか、また侵入者が出たらしいな。『アークの世界』の時と同じ警報だ。」

「あの時は警報よりも先に爆発音がしてたけどね。」

「・・・とにかく場所へ向かおう。今の時代、セキュリティの誤作動なんて滅多にない。九割九分、校内に侵入者がいる。」

「まさか・・・うんうん、そんなはずは、」

「ん?行くぞ律神!」



 零斗、一途、仁音は校内を走り回り、一人の老人を見つける。

「来校された人かな?すみません、おじいさん!今、校内に不審者が侵入しています!逃げてください!」

 仁音は老人に避難を促す。

「不審者!?おお、それは物騒な。教えてくれてありがとう。所で嬢ちゃん、

()()()()()()()()()()()()?」


「「!!!」」

「得木律神、確か編入生の・・・」

「仁音!下がって!不審者、こいつだ!」

「え!?そんな、ただのおじいさんじゃない!」

「零斗、仁音を守って!」

「わかった!」

「んー、教えてもらえないようなら、仕方ないのう・・・()()()()()()()()。若い命を奪うのは心苦しいが、死んでもらうとしよう!」




「勝也、あれ!今日は先生達も軒並みジャージなのに、スーツの人がいる!怪しい!」

「あの二人は!みんな!だめだ!」

「律神?」

「・・・あの二人は、特に女の方。間違いない、()()()()()()()()()()()()()!!!一級執行官の中でもかなりの上澄み!」


「友達思いだな、得木律神。だが、この距離でそんな大声を上げればこっちまで聞こえてくるぞ?」


「!!!」

「ミスター・レイバー、ランクEXは居ない。援護は必要ない。」

「へいへい。」

「ターゲット、得木律神を確認した。対象を捕縛する。」




「こっちです!」

「なになに?どうしたの?全然状況が飲み込めないんだけど!?」

「奴は、律神の命を狙っている可能性が高い。俺も姉さんもそう判断しました。」

「命を!!!?」

「律神には帰る家も、頼れる知り合いも居ないまま、日本に逃げてきた。律神を探すってことは律神を狙ってるって事です。」


「あらら、律神ちゃん、良い友達見つけちゃってぇ!羨ましいねえ!バルリア先輩とか、手柄独り占めしようとするし。俺も良い友達欲しいわ!」


 零斗達の背後に喪服のように黒いスーツを着た若い外人の男が立っている。

「律神を知ってる、お前も魔術師か!?」

「そんな怖い顔しないしない!俺達の任務はあくまで律神ちゃんの捕獲。別に命までは取らないなって!」

 軽薄、あまりにも軽薄なその態度が、逆に零斗を強張らせる。

「まあ!拷問とかはされちゃうかもねえ!」

「!!!・・・やっぱり律神は渡せない!お前は俺が倒す!」

「お前じゃないない!俺はアルトリウス・レイバー。・・・勝負は残酷。どっちが勝って、どっちが死ぬか・・・短い間だけどよろしくね!!!」




「侵入者の警報!」

「避難しなきゃ!千兎(せんと)!」

「いや、風紀委員として、避難を誘導しに行くべきだ。夕陽(ゆうひ)、頼むよ?」

「・・・わかった。ガーディアンとして、千兎の事は私が守る。」

 白金(しろがね) 千兎と夏色(なついろ) 夕陽が避難誘導に向かおうとすると、

「ねえ、フテス、ここどこ?」

「広すぎだろ異能高専!迷っちまった!」

「子供!?」

小学生ほどの外人二人が迷ったようだ。

「君たち、大丈夫?お姉さんが案内してあげる!早く避難しよう?」

「避難?違う、俺達は得木律神って奴を探してるんだ。」

「得木律神?」

「夕陽、得木君は一年生の生徒、編入生だ。」

「その子がどうしたの?」

「俺達、そいつを捕まえて、無理そうなら


殺して来いって言われてるんだ!なあ、ステフ!」

「うん!」


「「!!!」」

 二人の無邪気な様子とあまりにもかけ離れた発言の内容に、千兎と夕陽は子供に対して不審者はこの子達かもしれないと確信する。

「千兎、逃げるよ!」

「いや、他の生徒の安全を脅かす可能性が高い。放置は出来ない。」

「・・・はあ、仕事が増えて困るなぁ、千兎の護衛は。私じゃなきゃ無理そうだね。」


「そうだね。俺の彼女もガーディアンも、夕陽だけだよ。」

「うん!」

 

「フテス、なんかあの二人、敵みたいだよ?」

「大丈夫だステフ!俺達兄妹に敵はねえ!!!」




「仁音さん、隠れててください!」

「え?いや、零斗君、私も戦うっ・・・」

「『斬』!!!」

 零斗は仁音を逃し、斬撃を放つ。

「なるほど、不可視の斬撃・・・これは厄介だ。」


───"強化"か?全然効いてない。なら、もっと刃を薄く!!!


「でも()()()()()って奴には、全然届いてない。」


 寄る辺なき魂よ、我が身に集え。


「普通、一級執行官は30歳で成れるかどうか。でも俺、まだ20なんだけど、もう一級なんだよね?この意味、わかる?」

「ああ?」


「それだけ俺が強いってこと。


これは雑魂(ざっこん)を集めて魔力に変換する俺のオリジナルの魔術!」


───慣れない魔力探知でもわかる。凄まじい魔力量だ!


「レイバー家は降霊術の家系なんだけど、俺は独創性が欲しかったんだよねえ!家の人間は、オリジナリティよりも相伝の魔術を練習しろって!そればっかでさあ!」

 アルトリウスは雑魂を変換した魔力で強化の出力を更に上げる。

「いくよおおお!!!」

 アルトリウスは(くう)を殴る。

「!!!・・・ぐあああああああああああああああ!」

 次の瞬間、零斗が吹き飛ばされる。

「俺の知り合いには、『空を殴り、押し出された空気が相手を殴る』なんて技を魔術も異能も使わずに己の肉体だけで成す、化け物みたいな中国人がいてさあ、これは"強化の魔術"でズルしてそれを再現したものだ。」

「よく喋るな、神秘の秘匿はどうしたんだ?魔術師!」

「だからアルトリウス・レイバー!なんならファーストネームで呼んでくれても良いんだよ?レイト君。」

「ごほっ、ごほっ、な、なんで俺の名前を・・・」

「さっき女の子が呼んでたじゃん!あ、ヒトネちゃんだったっけ。」


 蔓延る悪意に、血肉を注げ


「!!!?」

「自分の血を操る魔術。これも俺のオリジナルだ!・・・先ほどの質問に答えよう。『神秘の秘匿』ってのは神秘の原理を知られなければ良いのさ。」

「神秘の原理・・・」

「そう!皆んながタネを知ってる手品より、自分しかタネを知らない手品の方が価値があるでしょ?魔術もそれと一緒。」

 アルトリウスは自分の血で剣を作る。

「神秘、特に魔術には『価値』があって、その原理を知る者が少なければ少ないほど『価値』が高くなる。魔術連合が敷く『神秘の秘匿』ってのは、その『価値』を失わさないようにするための物だ。オラ!」

 アルトリウスは血の剣を振りながら、『神秘の秘匿』について説明する。

「魔術連合の上層部は、はっ!『価値』の高い魔術、神秘を!いくつも持ってる!律神(あいつ)がやろうとしてるのは!その『価値』を、はっ!壊すことだ!


そりゃ、お偉いさん方も怒るだろうよ。」


「『空想黎騎(イマジナリーフォーム)全身硬化(ハードアームズ)』!!!・・・・・『価値』か。オリジナル魔術なら俺にもある。」


 火矢(ヒーヤ)

登場キャラクター紹介


夏色 夕陽

性別女身長160cm体重49kg誕生日7/7年齢20歳

 東京校の五年生で白金千兎のガーディアン兼幼馴染兼彼女。ランクA。

 明るく優しい性格で、少し心配性。勉強は苦手だが、千兎画教えてくれるのでテストの成績は中の上ぐらい。

 夏色家は白金家にガーディアンを派遣する事で収入を得ている。

 夕陽は幼い頃からガーディアンとして千兎を守ってきた。

 初めは主従関係だったが次第に仲良くなり、現在婚約中。異能高専卒業後、千兎がシルバーシトラスに入社したら結婚する予定。


 好きなものは千兎、エクレア、その他菓子パン。

 嫌いなものは特に無い。

 特技は合気道、太極拳、八極拳。

 苦手なことは勉強全般、楽器全般。


 異能は電磁系。エレクトロキネシス。電気や磁力を操る。仕事柄、スタンガンの要領で異能を使用することが多い。

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