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夢見る時間は異世界へ。  作者: 雪愛。
異世界探索テイルウォーク
1/14

テイルウォークへようこそ

 

 夢見る時間は異世界へ。そう(うた)われた睡眠時着用推奨のVRMMOゲーム テイルウォーク。

 ゲームの運営、管理は全てAIで行われており、ゲーム世界の住人も全て個々の意識を持つもう1つの現実。

 数多のスキル、技能を組み合わせる事でオリジナルの職を作る事も、現実世界で作るのが困難であったものを作り出すことも出来るこのゲームは異世界で暮らすもう一つの現実として発売された。

 ゲーム内の時間は現実時間の30分が1日となり、わずか2時間の睡眠時間でも4日間異世界を楽しめる事、体感時間が2時間で4日という事は4日間を惰眠に費やす事も可能という事でもあり、眠るためにこのゲームを購入する、という者も少なくない。

 

 そしてこの日。

 カナメは学生時代の友人と3人でテイルウォークを始めることになった。


「えぇっと、始まりの町で待ち合わせ、だったよね」


 無機質な黒い空間の中で名前と生年月日の入力、外見設定を終えるとカナメは友人との待ち合わせの際に決めた英数字[0290141mogmog]を入力した。

 目の前に[冒険者ギルド]と書かれた看板の掛けられた小さな建物が現れた。

 ヘルプによると初回プレイを友人と行う際に待ち合わせパスワードを入力すると同じパスワードを入力した者がマッチングし、共にチュートリアルをプレイ出来る仕様らしい。

 フレンド登録もその際に自動で登録できるそうだ。


「それにしても……お肉美味しいもぐもぐ。ってなぁ……」


 パスワードを考えた友人を思い出し、「ふぅ……」と少し大げさに溜息をつく。

「3人の誕生日が入ってるパスワードだし、覚えやすいでしょう?」と言っていた本人の誕生日は『6』が含まれており、「6はパスワードに入ってないじゃん」ともう一人に指摘されていたっけか。「9を逆さまにすれば問題ないでしょう?だって1と0はあるけれど10もないじゃない。物の見方を変えるって意外と大事なんだよう?」と返す様には呆れてしまったが。


 肩上に切りそろえられた赤毛がカナメの頬を撫で、カナメの意識は現実へ(と言っても夢の中なのだが)引き戻され、改めて自らの姿を見つめた。

 腰に携えられているのは細身の剣。革製の軽い鎧よりも軽装備だが丈夫そうな布で作られたチュニック。

 キャラクター作成で選択できる初期の服だ。幾つかある物の中から活動的で動きやすそうなものを選んだのだが、意外と着心地が良い。

 細身の剣はシンプルな細剣で派手な飾りは付いておらず、ゲームの初期装備の剣のイメージをそのまま表したような剣だった。

 外見年齢は「学生時代に戻ってやり直せたらいいよね」が最近の3人の口癖なのも影響して、3人共に16、7歳を意識した。キャラクターを作る上で合わせた約束はその程度。

 身長に至っては実際の身長よりも低く設定は出来るが、高く設定する事は現時点では難しいらしく学生時代教師達から『お前たちが寄ると小さいものクラブだな』と称された事がある。

 カナメの身長は150cm前半の背丈ではあるが、連れの二人は150cmに届かない故に身長を高く設定できない事に不満げではあったが。

 説明サイトを読み、嘆く2人を思い出し、ほんの少し気持ちが和らいでいくのを感じつつ、カナメは冒険者ギルドの扉を開けた。


 ―チリリンッ


 来訪者を(しら)せるように扉につけられた鈴が軽い音を鳴らす。

 冒険者ギルド、とはいうものの、中には冒険者の姿は見えず、報告カウンターと表示されているカウンターにも受付カウンターと表示されているカウンターも担当者の姿が見えない。

 おそらく、今いる冒険者ギルドはチュートリアルでしか使わない場所なのだろう。

 カナメは受付カウンターに一番近い木製の4人掛けのテーブル席へ座った。

 2人の姿が見えないという事は、恐らく自分が最初に来てしまったのだろう。


(まぁ、早く着すぎるのはいつもの事だけどね)


 3人で待ち合わせをすると大抵カナメが一番最初にやってくる。

 解ってはいるけれど、ついつい待ち合わせの2、30分前に着いてしまうのだ。そして待ち合わせ時間の5分前から丁度に1人。時間ぎりぎりか少し遅れてもう一人。という具合だ。3人混ぜて分けたら丁度いい。と学生時代から言われ続けてきたし、自分たちでも言い続けてきた。

 が、そういった「習慣」は覚えているがこの世界にきてから「3人で過ごした思い出」は段々とおぼろげで靄がかかったようにハッキリとは思い出せなくなってきた。

 カナメがそうなるのも無理はなく、このゲームは睡眠時推奨のゲームであり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 時折夢を見る時に夢特有の記憶がある現象を利用したシステムらしく、それぞれの記憶が収まる所の違いによって現実と夢の記憶が混ざり合う事が無いのだという。

 現実の記憶が全く持ち込めない。というわけではなく、[知識]として身についているものは持ち込めるが[昨日の晩御飯はカレーだった]や[仕事先の上司に怒られた]などの[記憶]にまつわるものは持ち込むことが不可能であり、[知識]と[〇〇と仲がいい]等という[認識]は持ち込みが可能で、待ち合わせパスワードについては初回プレイ前にVR装置に入力して持ち込む形となるのだ。


 ―チリリンッ


 カナメがぐるりと冒険者ギルドを3度ほど見渡し終えたとき、再び軽やかな鈴の音がギルド内に響く。

 入口扉へ視線を向けると頭の横に[魔法使い ヨム]と表示の浮かぶとんがり帽子を被った少女が冒険者ギルドをぐるりと見渡しており、カナメの姿を見つけると「やっほぅ~お待たせぇ」と、気の抜けた声を上げ手を振った。

 少女の髪は外側の色は綺麗な空色をしているが、内側部分は白く、少女の柔らかな雰囲気と魔法使いの初期衣装と相まってどこか浮世離れを思わせる見目だった。

 そして少女のお尻からは白い鱗に覆われた太い尻尾が生え、尻尾の付け根から先にかけてまっすぐ線を描くように髪色と同じ2色のタテガミが生えている。


「大丈夫、私も今来たとこだけど……その姿は、何?」

「あぁ、私ね、種族をハーフ龍人(ドラゴニュート)にしたの。この世界って種族が沢山あるじゃない?種族の数だけでも多いのに、それぞれのハーフみたいなものも設定できちゃうし……」

「うん、なんかもうその種族の項目がめんどくさくて私人間にしちゃった」

「私もね、本当は龍人(ドラゴニュート)にしたかったんだけど、カナメちゃん、爬虫類苦手でしょう?」

「うん、爬虫類どころか虫もダメだし、正直生き物は見る分にはいいけれど爬虫類と虫はダメ」


 カナメの言葉に「でしょう~」とヨムは大きく頷き、頭に被った大きなとんがり帽子を外し、薄手のローブの袖を捲り、腕を露出した。


「ハーフドラゴニュートの基本は人の顔。人の体。でも、ほら、龍の耳と尻尾、腕には鱗は無いけれどボディーペイントみたいな鱗の模様が一部分に描かれているの。

半獣人とかの種族名の前にハーフがつく種族は私みたいに人の体プラスその種族の特徴的な要素がたされてるみたいだね」


 ヨムの耳にあたる部分は白い毛に覆われた東洋の龍のような耳が生えていた。


「龍でも角は無いんだね」

「触ればちょっと解る程度かな」


 カナメの手を取り、耳の上部分を触れさせると確かに硬く小さな角の存在が確認できた。


「尻尾は消しちゃうことも出来るみたいだけどね」


 ヨムはぶぉん、と尻尾を振り、一瞬眉間にシワを寄せる。

 するとヨムから生えていた尻尾は綺麗に消えてしまった。


「種族特有の本能?みたいなものは、原理はよくわからないけれど出来るって認識みたい。ほら、あくびも自然に出る時もあれば自分からあくびを出す事が出来るでしょう?それみたいな感じかなぁ……?龍人って鱗の煌めきで幻を見せるって設定があってね、それによって尻尾を消す事が出来るんだってぇ。

 あとねぇ、獣人系ってハーフだとしても変化のスキルレベルを上げると変身できるみたいでね、私だったらドラゴンに変身できちゃうみたいなんだよねぇ」

「楽しそうでしょう?」とヨムは続けると再び尻尾を表し、カナメの姿を見つめた。

「夕焼けのような赤い髪、オレンジ色の瞳……腰に携えた剣!いいねいいねぇ!駆け出しの剣士様って感じですごく可愛いと思う」

 ヨムの金色の瞳がキラキラと輝き、子犬のように尻尾がぶんぶん揺れる。

 気軽に「可愛い!」だの「大好き!」だの言うのは構わないが言われる方は少々気恥ずかしい。

「あ、ありがとう……魔法剣士になってみたくてさ、まずは剣術を磨こうかなって思ったんだよね。だってこういうゲームではヨムはいつも魔法使いだし……」


 ―チリリンッ


 再び鈴の音が響く。

 扉へ目を向けると濃い紫に一筋ピンクのメッシュを入れたショートカットの猫耳少女が緊張したような表情で立っていた。


「遅れてごめんねぇぇ……!!」

 濃いピンクの瞳には涙が溜り、申し訳なさそうに頭の上の三角の耳は伏せられている。

 三角耳の横には[魔法使い リオ]の表示が浮かんでいた。


「大丈夫よリオ。そんなに待ってないわよ」

「そうそう~、お互いの姿を見て、それっぽいなぁって思ってた所」


 2人が席を立ち、リオに近づいたのを見計らったようにカラランと鐘の音が響く。


 ―これよりチュートリアルを開始いたします。


 そうアナウンスが流れると先ほどまで無人だった受付カウンターに動物耳を模したヘッドセットを着用した女性が現れた。

「お待たせして大変申し訳ございません。私は今回貴女方のチュートリアルを担当いたします、リングと申します」


「リングさん、よろしくお願いします」

「「お願いします!」」

 綺麗な分離礼をするリングにカナメは頭を下げ、それにヨムとリオも続いて頭を下げた。

 NPCである自分に対し頭を下げるプレイヤーと出会うのは初めてだったのでリングは驚いた。大抵は見慣れぬ世界に戸惑い、返事をするのに必死だったり「めんどくさいから説明は飛ばしてもらいたいんだけれど」となったり、中には「早くしろよ」とぞんざいな態度の者ばかりだったので人間ではない自分に頭を下げ、愛想よくする3人の仕草にリングは目をパチクリとさせたが、平静さを取り戻し、口を開く。


「この度はテイルウォークへお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

 この世界は『夢見る時間は異世界へ』というコンセプトのもと作られたもう1つの世界でございます。

 この説明ではこちらの世界を睡眠世界、貴女方の現実世界を起床世界と称して説明させて頂きます。


 ただいまより、この世界における注意点を申し上げます。

 解りづらい点などございましたら質問等手を上げてお知らせくださいませ。


 まず、体感時間についてです。

 体感時間は起床世界の30分がこちらの世界の1日となっており、こちらの世界では睡眠、食事、年齢制限はございますが夜の営みに至るまで対応することが可能でございます。

 その際、味覚、触覚などの再現は現実世界と遜色ないものでございます。

 アラームと呼ばれる生活魔法を覚えますと起床世界の時間の把握が可能になり、時間をセットする事が可能になります。

 起床世界に戻られる際は宿屋や自室、または安全な場所で眠りについてくださいませ。


 次に痛覚について。

 痛覚に関しましてはこちらの世界にて殴られ、刺されるといったダメージにつきましては肩を叩かれる程度となっておりますが、一部の状態異常やHPが尽きた際は一時的に意識を失うなど不快と思われる部分がございます。具体的に言えば抗いがたい眠気に似たものでしょうか。


 次に、MMOゲームで度々問題となるPK行為について。

 この世界で生きるものは人間やモンスターに至るまで自分の意思があり行動しております。

 この世界を作り、運営、管理をしているマスターの意向により、プレイヤーとNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の判別は大変難しいものとなっておりますことをご理解くださいませ。

 PK行為、ではなく街中での戦闘行為も禁止でございます。起床世界でもルールがあると同様に睡眠世界でもルールがあること、また倫理に従った行動にご協力くださいませ。

 なお、フィールド、決闘場、ダンジョン内にのみ戦闘行為は許可されております。


 そしてこの世界では各々の知識や力を生かして会社を興すことも、新たな技術で世界に革命を起こすことも可能でございます。

 最近では雷の精霊の加護を利用したネットワークシステムが作られ、起床世界でいうところの『インターネット』と同様のシステムが作られました。

 こちらは睡眠世界限定の情報であり、現実世界にアクセスすることは出来ませんが、これによりアイテム制作、栽培のコツや各地に出現するモンスターや迷宮の攻略が比較的容易になるなどプレイヤーの方は私どもの世界の発展に欠かすことのできない存在となっております。

 ですが、こちらのネットワークシステムにつきましては未だ一般市民、冒険者に普及するには素材の希少さなど課題が多く、現在冒険者ギルド、冒険者ギルド管轄内の図書館のみの使用となっております事をご理解くださいませ。

 冒険者様の協力によりこのシステムはより身近に発展していく事を期待しております。

 また、中にはそれらの技術、財産、会社を手に入れようと襲撃する者も少なからずおります。

 現在の仕様上、その場合は決闘場にて決闘となり、武力、知力を競う戦闘が発生いたします。負けた場合は勝利者に利権が渡ってしまいます故、ご注意くださいませ。

 その為、大切な財産を守るための保険というシステムも先日プレイヤーの方によって作られました。

 この世界はプレイヤーやプレイヤーに影響された住人、マスターによって常に更新されております。

 新たなシステムが出来た際はアナウンスいたしますので、ご確認をお願い致します。


 それでは、これよりこの世界へ降り立つ貴女方へ属性、スキル、アイテムバッグを進呈致しますのでこちらまでお越しくださいませ」


 リングは受付カウンターの上に3つの革製の肩掛け鞄と水晶玉を置き「さぁ、こちらへ」と3人に近付くように促した。

 チラリと顔を見合わせ、カナメ、ヨム、リオの順に並ぶ。


「こちらの水晶に触れていただきますと、睡眠世界の住民登録、属性とスキルの付与が行われます。初期の属性、スキルの付与はランダムとなっておりますので、ご希望の属性、スキルをお望みの際はレベルを上げ、スキル一覧からスキルポイントを振り分けてくださいませ。

 また、住民登録の際ファミリーネームが自動的に与えられます。同名のプレイヤーの存在、なりすまし行為を避ける為ご理解くださいませ。

 なお、キャラクター名登録の際にお気付きかもしれませんが、短剣符などの特殊記号の使用も認められておりませんのでそちらもご理解くださいませ。

 それでは、カナメ様。こちらへ」


 言われるままにカナメは水晶玉に手を置いた。

 淡い緑色に水晶が輝き、見たことのない文字列と共に輝く羽根が水晶から溢れ、カナメの額へ吸収されていく。

 不思議とその見たことのない文字列を読み取る事ができたのはもう一つの世界に体が慣れてきたからだろうか。


 ――住民登録完了。

 名前:カナメ・エコー

 属性:風

 授与スキル:地図作成、堅牢、経理



「カナメ様にはエコーの姓、風属性、地図作成、堅牢、経理のスキルが授与されました。

 カナメ・エコー様、マジックバッグをお受け取りください」


 一礼ののちにリングはカウンターに置いた鞄のうち1つをカナメへと差し出した。


「そしてこれは冒険者カードとなります。

 カナメ・エコー様、ようこそテイルウォークへ」


 続けて1枚の名刺サイズの白色のカードをカナメへ渡す。

 カナメの顔写真と名前、レベルが表示されている他『F』と大きく箔押しされ、縁取りは先程カナメの額へ吸い込まれた羽根と風をモチーフにした飾りだった。

「貴女の身分を示すものでございます。ジョブやレベル、名声に合わせて色や縁取りの装飾も変化致しますので大切にお持ちくださいませ。

 さぁ、続きましてヨム様……こちらへ」

「はぁい、よろしくお願いしまぁす」


 少々間延びした返事をし、ヨムも水晶玉へ手を伸ばす。両手に包まれた水晶玉は深い青に輝き、カナメの時のように文字列が湧き出る。カナメとの差は輝きの色と湧き出でたのは白い蛇。その双方はヨムの額へと流れ込んだ。


 ――住民登録完了。

 名前:ヨム・ピッコロ

 属性:水

 授与スキル:隠れる、オラクル、目星



「ヨム様にはピッコロの姓、水属性。隠れる、オラクル、目星のスキルが授与されました。

 ヨム・ピッコロ様、マジックバッグをお受け取りください」


 白い冒険者カードをヨムが受け取る。顔写真、名前、レベルとFの箔押し。縁取りは蛇と水の波紋をモチーフにした飾りだった。

 不安気に2人を様子見していたリオの番になった。錆ついたブリキの玩具のような緊張した足取りで、ぎこちなく一歩進むリオにカナメとヨムは頑張る必要は無いのだが、小声で「頑張れ!!」とガッツポーズをとりながら応援する。

 2人の声援に大きく深呼吸をし、リオはリングを見つめた。

 相手に対し文句があるわけでも、睨みつけたい訳ではないのだが、状況の確認と見極めと、自分の気持ちを落ち着かせるために必要なリオの癖でもあった。

 カナメやヨムの様に長年の付き合いがあり、互いに気心の知れた仲の場合はそういった面は出ないのだが。

 リングはその様子を気にするそぶりもなく「どうぞ水晶玉へ触れてください」と促し、リオは恐る恐る水晶玉に手を乗せた。

 リオの触れた水晶玉は暖かな橙色の光を放ち、輝く砂と文字が紡がれ、リオの額へ滑り込む。


 ――住民登録完了。

 名前:リオ・サンダー

 属性:土

 授与スキル:回避、格闘、鞭


「リオ様にはサンダーの姓、土属性。回避、格闘、鞭のスキルが授与されました。

 リオ・サンダー様、マジックバッグをお受け取りください」


「あ、は、はい!!」

 両手でマジックバッグを受け取り、そのまま冒険者カードも手に取るとリオはカナメとヨムに振り返り「やったー!!」と全身で喜びを表した。先ほどまで低くなっていた耳はぴんと伸び、お尻から伸びた濃い紫とピンクの縞々尻尾はまっすぐに上を向いている。

 その日3度目の「ようこそ、テイルウォークへ」の言葉ののち、リングは各々が鞄を装備したのを確認してクエストボードを開いた。


「それでは皆様、冒険者登録お疲れ様でございました。

 これより、クエストの受注について説明させていただきます。

 クエストにはランク、というものがございます。現在貴女方の冒険者ランクはF。これは一番下のランクでございまして、ここからクエストを幾つかこなしていき、ランクを上げていく、というシステムになっております。また、クエスト数のみならず、モンスターの討伐数やお尋ね者、賞金首などの討伐、捕獲の際に生じた名声等昇格する要素は数多くございますのでその都度ご質問くださいませ。

 クエストの受注はこちらの受付カウンターにて職員が冒険者様のランクに合ったクエストを紹介するパターンとあちらの掲示板に貼られた依頼を冒険者様自らが選び、申請するパターンの2種類ございます。

 今回はチュートリアルという事もありまして、私からクエストの提案をさせていただきたいのですが、宜しいでしょうか?」


「よろしくお願いしまぁす」

「あ、あの、でも、強いモンスターと闘うとか、そういうのは止めてくださいね?」

「とりあえず、難しくもなく、安全なものをおねがいします」

 三者三様の反応にリングはにっこりと頷くと、こちらは如何でしょうか?と一つのクエストを提案した。


「こちら、薬草採取のクエストとなっております。出現モンスターはスライムやツノラビなど冒険を始めた方でも対処可能であると思われます」


 クエスト概要を紙に書き出し、リングはリオへ手渡した。リオの左右からカナメとヨムが覗き込む。

「確かに薬草採取だったら危険も少ない、かな?」

 とカナメ。

「スライムとツノラビ?っていうのが最弱モンスターみたいなのだったら、ついでにちょっとレベリングも出来そうだよねぇ」

 とヨム。

「2人がそれでいいのなら、私はついてく!!」

 とリオ。


 かくして3人は最初のクエスト「薬草採取」を受注し、冒険者ギルドを後にしたのだった。






 そして薬草採取クエストを開始してから数十分後……



はじめまして。雪愛。(ゆきちか)と申します。


 物語の導入部、テイルウォークへようこそ。をご覧くださいまして誠にありがとうございます。誤字脱字が多く、読み辛い文章などお目汚しすみません。気付き次第訂正していきたいとおもいます。


 この物語はキャラクターの名字はランダムで出てきた英単語。属性や行動、所持スキルは10面のサイコロを転がし、行動した結果も再びサイコロを振り、成功か、失敗か…?とお話しを書きながらコロコロして作られております。時々壊滅的失敗を繰り出す事もあるので、私もドキドキしてしまいますがサイコロによって解決する場合もあったり……書いていて不安になる事もありますが、楽しく書かせて戴いております。

 物語に登場する彼女達、彼等達は物語の進行はサイコロによるものなので、基本的にキャラクターの運次第です。


面白かったよ。とおもっていただけますと幸いです。


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