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エピローグ

 久しぶりに我が家へと戻ってきた男は、その光景に我が目を疑った。

「これは一体どうしたのかな?」

「おや、アスプロ様。お帰りになったのですか。お迎えもできませんで申し訳ございませんでした」

 バルノは深々と頭を下げた。男はバルノの雇い主であるのだから当然だ。

 だがバルノの主人、アスプロは彼の姿など目に入らず、一心にある方向を見ていた。バルノはその様子を見て笑みを浮かべた。

「すごい! すごいよ! 何だろうあの精霊遺物は! 大きいし動いてる!」

 アスプロは大の精霊遺物マニアだ。自身の仕事であるドッグの街の領主の役目を放り投げて、各地を旅して精霊遺物を発見しようとするほどに。

 まるで少年のように光るアスプロの目の先には、厩舎がある。いや、正確にはあったと言うべきだろう。厩舎の名残は多少あるが、ほとんど何も無い。

 少し前まで厩舎だった場所で巨大な影が働いていた。それは身長十メント以上もある赤い鎧、グラーフだ。それを装着したエピティは、太い柱を地面へ立てている。それはこれから建設する建物の柱だ。

「何で俺がこんなことを……」

 シュミットは少し離れた場所で、愚痴をこぼしながら作業していた。その内容は屋敷の倒れた鉄柵の補修だ。

 死闘から生き残った後に待っていたのは、笑顔で激怒するバルノだった。必死で弁明したが、半壊した厩舎と壊れた屋敷を囲う鉄柵の原因は、確かに自分達にもあったため強く無罪を主張できなかった。その結果として、シュミット達は壊れたものを直すことになったのだ。

『がんばれー、シュミットー』

 近くに浮かぶカナーリエンの声に思わず舌打ちをする。カナーリエンは本体ではなく、ロートケールの姿でシュミットの近くにいた。浮かんでいる体の下には、ロープで吊るされたカゴに補修用の資材が多数乗せられている。

 眉間にしわをよせながらレンガを積んでいると、その後ろへ人がやってきた。

「休憩しよう?」

 それは使用人服を着たマチェーラだった。手に提げたバスケットには、お茶の入ったポットと軽食が入っていた。

 マチェーラも厩舎や鉄柵が壊れた原因なのだが、バルノが力仕事をさせるわけにはいかないという事で、彼女は補修作業を免除されていた。

「誰のせいでこんな目にあってると思ってるんだ。ちくしょう、やっぱりお前なんか拾うんじゃなかったな」

 マチェーラは小さく謝ると軽く顔を俯かせる。それにばつが悪い顔をしたシュミットが顔をそらすと、彼女は顔を上げて口を開いた。

「……でも、私はシュミットたちに拾われてよかったなって、そう思うよ」

 ここまで読んでいただきありがとうございました。


 評価シートで酷評された作品です……


 少しは自信あったんだけどなあ……

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