頂点の不安 -Hidden Story-05- After:-07-05-
「お疲れ、ルイ」
「ああ、オトハ。報告?終わったの?」
3番隊の詰所に入ってきたオトハがルイに声をかける。
「うん。滞りなく」
「っていうか、副代表って忙しいの?」
「いや?ハルトが大体の事やってくれてるし」
「そうなんだ……。ハルトさんってあれだよね。シルフギルドのマスターだった人」
「そういえば、シルフだったねあの人。お姉ちゃんやエンマほど目立つカラーしてないから」
「ハルトさん目が緑なだけだもんね」
日が傾きだし街灯?が付き始めた外を見ながらルイが答える。
「完全にこっちの生活に馴染み始めてる自分が怖い」
「オトハ最初からかなり落ち着いてたよね。なんで?」
「それは、お姉ちゃんたちがいるから。たぶん二人が居なかったらもうちょっと泣き喚いたりしてたと思うけど」
「私はまだ慣れないなぁ」
夕日がゆっくりと落ちていくのを見送りながらルイが答える。
「なんで?」
「オトハは結構大きな心の支えがあるじゃん?」
「そういわれればそうだけど……」
「私は一人だからね。大体みんなそうだと思うけど。少なくとも5万人ぐらいはそうなんじゃない?」
「不安?」
「まあそれなりに」
「じゃあ、ルイは私を頼るといいよ。大丈夫これでも最強のギルドのマスターだよ?」
一瞬ぽかんとした表情をしたルイは笑いながら答える。
「じゃあ頼りにしてるよマスター?」
「今は隊長だよ?で、ここで何してるの?」
「クララを待って、シェリーと合流してご飯に行こうと思って、一緒に行くでしょ?」
「うん」
オトハが頷くと同時にクララがドアを開ける。
「アレ?二人とも明かりもつけずに何やってんの?」
「カウンセリング的な?」
「まあそうだね」
「ルイだけじゃなくて他の部下の面倒も見てよマスター」
「もう部下じゃないじゃん?それにクララ悩みとかなさそうだし……」
「ひどーい!」
「さあ、ギルドによって守銭奴回収してからご飯にしましょう」
自警団本部を出て、ギルドまで歩く。
「そういえばお姉さんたちはいいんですか?」
「そんなに毎日一緒にいるってわけでもないよ?シズネお姉ちゃんはエンマとデートだし、カナデお姉ちゃんは放っておいても誰かしら寄って来るだろうし」
「へー」
「なに?ルイ、会いたかった?」
「え?うん。ちょっと興味ある。3姉妹揃って美人なんて神様は不平等だ」
「そう?まあそのうち紹介するよ」
ギルドの中は夜でも込み合っている。いろんな人が出入りし、仕事を果たす。
「シェリー!そろそろご飯に行こう?」
「え?そんな時間?わかったちょっと待って、閉めるから」
急いで金庫に施錠をするシェリー。
「ホントにお金大好きだねシェリー」
クララがあきれたようにつぶやく。
「なんか理由があるんだって、たぶん」
「ないわよ?そんなの」
「え?ないの?うそぉ」
彼女たちはわいわいと話しながら日に日に賑やかになっていく夜の街へと歩き出した。




