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第八話

おはようございます。第八話のお届けです。巨匠品川由紀夫の舞台に立つチロの思い出話。お楽しみに!


 「続高校珈琲」

        (第八話)



         堀川士朗



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世界の品川由紀夫演出『女王メダイア』のヨルダン公演。

石造りの古代劇場。

紀元前に建てられたものだ。

ここで僕らは女王メダイアを上演する。

石段の客席には体長25センチくらいの太くて巨大なゲジゲジが何匹もいた。

品川由紀夫さんは僕に、


「おい、あまり日に当たってると日射病になるぜ」


と言った。

僕は長袖の服を襟を立てて着て、帽子も被り、日焼け止めを塗っていたが、この灼熱の陽射しは気をつけていないと品川さんの言っていたように本当にやられる。


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品川さんとは舞台を通して色々な国に行って色々な思い出があった。

それから僕は槇に品川さんの葬式の話をした。

葬儀は南青山の霊園で行い、お別れの会は与野本町にある祭の国さいたまアクトシアターで行った。

過去の共演者がたくさん来ていて、もうその頃には僕はブクブクと太っていたから出会うのも恥ずかしかったし、いちいちと、いや病気をして薬が原因で太ったんだよと説明するのもうざかったからただ黙っていた。

30キロ以上太ってしまったからな。

全くの別人だ。

テレビや映画で活躍している名優たちも、お別れの会にはたくさん来ていた。

彼らはスターとしてのオーラと金持ちオーラが半端なかった。

僕らあぶく銭三流俳優どもとは別世界別次元だと思った。


……そして!

二人の恋の総括。

ついに、あの話になった。


「あの時はごめんね」

「うん。あのさあ。あの時宮嶋さんとあんな事がなかったら僕ら別れなくて済んだかな?」

「いや、どうだろう……遠からず別れていたと思うわよ、私たちは」

「そうか。そうだね」


アイス珈琲が無くなりかけていた。

僕らの会話もそろそろ終わりを告げていた。

昔を思い出していた。

槇も昔を思い出していた。

シナプスが踊る。

二人でダイブ。

あの日の事を……。



           つづく



ご覧頂きありがとうございました。次回はいよいよ最終話です。最後までお付き合い下さい。

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