表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔獣イラストレーターと最強のFランカー  作者: 成若小意
第五章 最強のFランカー     (推定累計ポイントAランク)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/79

5-6  腐った宝

 ()()()()地に向かって雷鳴が轟く。


 今は黒雷のホヴィーに乗せてもらい、彼の雷の技を見せてもらっているところだ。上空から下に落ちる雷を見ることができるとは貴重な体験である。雷神様の気持ちとはこんな感じなのだろうか。


 キファランガが乗るエアーバイクもいいが、帝国ギルドがよく使っているホバーヴィークル、略してホヴィーはかなりの高度まで上がることができる。その分値段もなかなかのものらしいが。五人全員が乗れるこのサイズの物はめったにお目にかかれないとザバックが言っていた。


 雷の光と音というのは、本能的に怖さを感じる部分もあるが、自然の神秘に触れる高揚感もある。肚に響く、和太鼓のような轟音が気に入った。何度も無意味に雷を落としてもらう。下にいる魔物にとってはいい迷惑だろう。あちらこちらで逃げまどっている。


「あ! シオン! ピンクナマズが飛んでるよ!! 前話してた魔物だよ」


 ゴーシュが下を指さして叫ぶ。落ちそうだ。


 まあいい機会なので()ってくることにする。







「おい、シオン! いくらお前でも無茶なことをするな。急に飛び降りるから驚いたぞ」


 ピンクナマズを獲って戻ってくると、ザバックから問い詰められた。相変わらず心配性だ。


「魔法もないのに飛び降りたのですか? 無茶苦茶だ」と笑いそうもない黒雷が腹を抱えて笑っていた。


「ねえシオン。さっきのは前に言っていた木龍(もくりゅう)?」


 キファランガはいい子だ。俺が指笛で呼び寄せた木製龍に興味を示してくれたようだ。


 さすがに俺でもこの高さから落ちれば死ぬことくらいわかっている。木龍に飛び乗る練習も何千回もしている。先ほどはこの木龍にホヴィーから飛び移っただけだというのに、ザバックに驚かれてしまったのだ。そろそろ俺の行動に慣れて欲しい。


 当然ゴーシュはそんなことは気にせず、ピンクナマズのお絵描きに熱中している。


 ピンクナマズはその名の通りピンクのナマズなのだが、ヌメヌメの体になぜかふわふわのダチョウのような羽がはえており、その組み合わせが不気味だ。おまけに顎がしゃくれているのでフォルムが良いとは言い難い。そして不器用に空を飛ぶ。親雷性(しんらいせい)魔物らしく、黒雷の雷に誘われてきたのだろう。


 鳩くらいのサイズなので少し難儀したが、滅多に姿を現さないのでこの機会に捕獲できてよかった。






 遊びはほどほどにして、俺たちは地に降り立つ。目の前には巨大な暗闇が。今回の目的地は洞窟だ。ここで素材を回収すれば粗方の素材回収が終わる。むしろここが本丸とも言える。


「うわ~シオン、ここ懐かしいね」


 ゴーシュの言うように、ここは俺たちにとって懐かしの場所だ。ここは初期の町、三十六支部にほど近い山間部。大量に低ランク魔物を狩り続けていた場所。()()()()()()()()()()()


 生態系を崩すのではないかという勢いで当時は狩りをしていたわけだが、魔物はあふれ出し続けるのか一向に減る気配がなかった。そこで都合がいいと、延々とゴーシュに言われるがまま狩りをしていたのだが、その素材は持ち帰る必要もなかったのでそのままにしていた。


 ゴーシュは生きたままの魔物を描きたいと言っていたのだが、どんなに調整してもうまくいかず倒してしまうことも多かったのだ。当時はまだ技術が身についていなかったと反省する。


 魔物の素材をそこらへんに放置していくのもはばかられ、とりあえず穴に埋めていたがそれも限度がある。途方に暮れていたところ、おあつらえ向きな穴、洞穴があったのを発見してそこを素材の放置所にしたという流れだった。



 洞穴の入り口に五人で立ち、中を眺める。誰も入ろうとしない。暗くて見えないとかそういうことではない。はっきりと、意味が分からないものが見えていたのだ。


 真っ暗のはずの洞窟の中は鈍い(あか)に照らされ、黒い霧のようなうねうねした()()()()()()()()()()()()見えていた。言い間違いではない。()()()()()()のにそこにいるのは明確なのだ。変な音もしている。


「ねえシオン? ゴミを貯めすぎて未知の生物が誕生したことってない?」


 ここに魔物の廃棄所産、未知の魔物が爆誕した。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

あと数話で完結です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓↓↓書籍化しました!↓↓↓
(画像クリックで書籍詳細が表示されます) cd486hpren7w4se8gx1c24dvmeqc_9r5_u6_16o_17e12.jpg
エンジェライト文庫様より2023/12/23電子書籍化
販売ストア一覧
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ