第二章「水晶の力」
第二章「水晶の力」
ゼロの力で、別な異世界に飛ばされたヒカルだった。
異世界に飛ばされている時、ヒカルは気を失っていた。
不思議な謎の生物が、ヒカルの右ほっぺたをペロペロとなめていた。
ヒカルは、その感触が伝わったのか目を覚す。
気を取り戻したヒカルだったが、空と周りの木がぼやけて見えた。
一度目を閉じて、再び目を開いてみるとぼやけなくなった。
ヒカルの意識がしっかりしてきた時、すっと上半身を起こした。
不思議な謎の生物は、ヒカルが起き上がった瞬間素早い動きで近くの木にかくれた。
そのことにまったく気付いてないヒカルは、周りをキョロキョロと確認しながらこう叫んだ。
「こ、ここはいったいどこなんだぁ~!!」
そう叫んだあと、ヒカルはすっと立って森の中を何も分からないまま歩き出した。
不思議な謎の生物も、ヒカルに気付かれないようにチョコチョコとヒカルの後ろへと
木に隠れては歩いてついてきていた。
歩くこと、数時間後ヒカルは疲れた表情一つ見せずに黙々と歩く。
不思議な謎の生物も、ヒカルにばれないようにあとをつけている。
すると、ヒカルが歩いていると前から「ドン・・・ドン・・・」不気味で大きな音が森中に響き渡った。
ヒカルは不気味で大きな音に動揺し、いったんその場を立ち止まった。
不思議な謎の生物は、不気味で大きな音が怖かったのか木のところにまた隠れていた。
その数秒後、ヒカルの前に巨大な足が四本の、目は鋭く尖っていて鼻は丸くヘッコンでいて口は、大きな牙が両方に生えている、いかにも肉食の巨大生物が現れた。
ヒカルはその生物を見た瞬間、目が飛び出すくらいに驚いた。
その巨大生物は、ヒカルをジーッと見ながらヨダレを垂らしていた。
それを見たヒカルは、心の中でこんなことを思っていた。
「この場面はすごくヤバイな!
このままじゃ俺、確実に巨大生物に食べられそうだ!!
どうしよう?!」
オロオロするヒカル。
次の瞬間、巨大生物が、ヒカルのところへ走り出す。
「俺、このまま見たこともない生物に食べられて死ぬのか?!」
巨大生物は、ヒカルの目の前まで迫るとしゃがみこみ、ガァーと大きな口を開けた。
口の中は鋭く尖った牙が何本も生え、何でも噛み砕ける顎だった。
ヒカルは今すぐに逃げ出したかったが、怖くて足がすくんで逃げれない。
巨大生物が、ヒカルを食べようとしたその時、ヒカルの首にかけてあったお守りが少し浮いて赤く輝きだした。
巨大生物は、ヒカルのお守りが輝きだしたとたん、眩しすぎたのか一瞬目を細めた。
お守りが輝きだすと不思議な力が目覚めて、ヒカルは、違った人格に突如変わった。
「おい、そこの巨大生物さんよ!
俺を、食べるつもりだろう?!
食べるなら、早くヤレ~!!」
それを聞いた巨大生物は、何一つ遠慮せずにパクッとヒカルを食べてそのまま飲み込む。
ところがその数秒後、巨大生物に急に異変が起きていた。
なんと、巨大生物の「うおおおおおっ」ていう大声が森中に響き渡った。
巨大生物は、その後「ドッスン!!」と右横に倒れた。
巨大生物のお腹から、丸い赤い光りが急に浮かび上がる。
その中から、ヒカルがすっと出てきた。
ヒカルは、右手に何かを持ちながら巨大生物の前に来てこう言った。
「なぁ、お前の心臓を潰してもいいかな?!」
ヒカルはそう言い、心臓を持つ手に少しだけ力を入れる。
その時、巨大生物はものすごい激痛に襲われ「うおおおおおっ」と暴れていた。
ヒカルは暴れる巨大生物にこう言った。
「あら、少しだけ力を入れただけなのにそんなに痛かった?!」
巨大生物が暴れると、その辺の木にぶつかり次から次へ倒れていった。
ヒカルにも、ぶつかろうとしたがすっと華麗にかわした。
ヒカルは巨大生物にこんなことを口にする。
「そんなに苦しいなら、今楽にしてやる!!」
そう言ったヒカルは、右手に持っている巨大生物の心臓を何も躊躇せずに一瞬で「ギュッブシューン!!」と握りつぶした。
飛び散る青色の血がヒカルの体中に付いた。
今まで暴れていた巨大生物の体が、急に動かなくなり白目をむき倒れていた。
ヒカルは、巨大生物の死体を見ながら一人呟いていた。
「本当は殺したくなかったが、殺さなきゃこっちがやられてたから先にやっただけだ!!」
一人呟いたあとヒカルは、巨大生物の死体のそばまで近づき右手を死体に置き呪文を唱えだした。
唱え終わった瞬間、ヒカルの右手から金色の光りが死体に凄まじい勢いで流れ込んだ。
流れ終えたら、今度は凄まじい勢いでヒカルの右手に死体が吸い込まれていった。
吸い込まれたあと、ヒカルの右手から金色の光りも消えた。
それと同時に、ヒカルの首もとにつけているお守りの光りも徐々に消えていき、
少しだけ、浮いていたお守りも静かに沈んでいった。
その時ヒカルは、気を失い前に「バタン!!」と倒れた。
不思議な謎の生物が、木に隠れてヒカルをずっと見ていたがヒカルが倒れたあと、
木から出てきてヒカルのそばまで恐る恐る近づいた。
不思議な謎の生物が、ヒカルをジーッと見つめた。
不思議な謎の生物は、小さな体でヒカルを起こさないようにそっと背中に背負って、
どこかへ、バランスを崩さないようにゆっくりチョコチョコ歩き出した。
歩いているその途中で、空がだんだん雨雲に覆われて次第に雨が降り出した。
時間が経つごとに、雨がどんどん強くなり二人ともまるで滝に打たれたように濡れる。
それでも不思議な謎の生物は、チョコチョコスピードを出し小走りしていた。
時は流れ、二人はとあるうす暗い洞窟で雨宿りをしていた。
ヒカルは、洞窟の隅っこの壁にもたれながら気を失っていた。
不思議な謎の生物は、ヒカルのそばで火を灯しヒカルをジーッと見つめていた。
するとその時、ヒカルがゆっくりと目を開いた。
ヒカルは、周りがぼやけて見えたから顔を横に振り両手で頬を叩いていた。
だんだん周りがしっかり見えるようになり目の前にいる不思議な生物に気付く。
お互いに、不思議そうに見つめ合っていた。
ヒカルは、謎の生物に勇気を出し話しかけた。
「君は、いったい誰?!」
生物が、やっと口を開いた。
「オレチン、オレチンの名はポコだ!!
お前は・・・?!」
ヒカル「俺は、ヒカルだ!!
なぁ、さっきから思うけど
君は不思議な生きものだなってさ?!」
ポコ「お前、オレチンのことをなめているのか?!」
ヒカル「俺は別に、そういうつもりで言ってないよ!
ただ、小さくて可愛いなって思っただけ」
そう言われたポコは、少しほっぺたが赤くなりながらヒカルにこう言った。
「照れくさいことは言わないでほしいチン
オレチンが照れるから!
そんな話より、オレチンはヒカルが空から落ちてきたときからずっと隠れて見てたけど、
なぜ巨大生物を殺したんだチン?!
しかもとても、すごく残酷な方法でやったチン?!」
ヒカルは、ポコの話を聞き、すごい驚きの表情を浮かべながらポコに話す。
「えぇー!
俺が、巨大生物を殺した?!
まさか、そ、そんなはずはない!!
ポコの何かの見間違いではない?!」
ポコがヒカルに、驚きながらこう聞いた。
「お前まさか、巨大生物と戦っていたことを覚えてないチン?!」
ヒカルがポコの言葉にうなずきこう言った
「まったく覚えてないよ!
ていうか俺、巨大生物なんて殺せないよ!!」
ポコがヒカルに、簡単に説明をする。
「実はお前、巨大生物に食べられ
もう終わりかって思いかけたその時
巨大生物のお腹の周りから光り輝きだし
その中からお前が出てきて
その時オレチン、見てはいけないものを見てしまったと思い
何度も顔を振ったり、目をパチパチして見間違いであってほしかったのに
ちっとも、見間違いじゃなかった。
お前は右手に、巨大生物の心臓を持っていたチン
しかも、その心臓を巨大生物の目の前で遊びながら握り潰したんだチン
そのあとお前は、気を失い倒れてオレチンがお前をここまで運んできたのだが
お前、オレチンの話を聞いて何も思い出せないチン?!」
ヒカルは、眉間にしわを寄せて思い出そうとするがまったく思い出せずポコに言った。
「う~っん、まったく思い出せないよ!!
本当に俺が、あんな巨大生物をやったの?
どうも俺には、信じきれないよ!!」
ポコはヒカルの話を聞きヒカルにこう聞いた。
「もしかしてお前は、途中まで覚えているチン?!」
ヒカルは、頷きながらポコに答える。
「巨大生物が、現れたところまではしっかり覚えているんだけど
そのあとのところは、まったく覚えてないんだ!!」
ポコは、さらにこんな質問をヒカルにする。
「お前は、今までによく記憶が途切れることあったチン?!」
ヒカルは、また一度頷きポコに言った。
「ああ、そのとおり!
俺は、五歳のころから度々記憶が途切れて不思議に思っていたんだ!」
ポコ「たとえば、どんな時に記憶が途切れるんだチン?!」
ヒカルはポコの質問に、ジーッと考えていた。
すると、洞窟の奥のほうから大きな足音が「ドスンドスン」と二人に迫る。
ヒカルもポコも、その足音に心臓が「バクバク」になりながら洞窟の奥を見つめる。
ヒカル「なに、この足音は?!」
ポコ「まさか、怖いのか?!」
ヒカル「ああ、メチャメチャ怖い~!!
ポコは、怖くないのか?!」
その時ポコは、そっとヒカルの背後に近づきブルブル怯えながらヒカルにいった。
「ちっとも、怖くなんかないチン!!」
ヒカルは、横目でジーッと見ながらこう思っていた。
「ポコ、ちっとも怖くないって言っているけど
明らかに俺以上に怖がっているよな!!」
そして、「ドスンドスン」が大きくなった時ついにある生物が現れた。
真っ黒の獣の体は、大きくてガッチリとしていて
手足が長く皮膚も分厚く、まるでゴリラとクマを足して二で割ったような生物だった。
名は「ゴリクマ」だった。
ヒカル「ポコ、あの生物は何?」
ポコ「あの生物は、ゴリクマというすごく凶暴な結構ヤバイやつだチン!!
ヒカル、この場から離れたほうがいいチン!!」
ゴリクマが、ヒカルとポコに威嚇をし「うおおおおおっ!!」と叫び二人のところへ
素早い動きで突進し殴りかかろうとしていた。
ポコは、ヒカルの右肩にしがみつきながらヒカルに言った。
「ゴリクマが、こっちに向かってくるチン!!」
ヒカルは、立ち上がりながらポコに言った。
「ああ、そんなこと分かっている!!」
そして、ゴリクマはヒカルの目の前に来てすごく分厚く石のように硬い右拳を
思いっきりヒカルにめがけて振り落す。
その瞬間、ポコがヒカルに突然一言叫びだした。
「ヒカル、素早く3回バクテンをするチン!!」
そう叫んだとたん、ヒカルの目が急に茶色から青色に変わり
ヒカルの意思じゃなく、ポコの意思でバクテンをしていった。
ゴリクマは、離れていくヒカルにブチキレ両方の拳で胸をドンドンと叩きまくり
「ウホウホハチャー!!」という叫び声が洞窟中に響き渡る。
ヒカルは、体が勝手にバクテンをしたことにより唖然としていた。
ヒカルは唖然としながら、右肩にしがみつくポコにこう話す。
「ポコ、俺生まれて初めてバクテンをやったよ!
しかも、体が無意識的に3回転もやってしまったよ!」
ポコは、自分がヒカルを操ったことは言わずにこう話す。
「3回転バクテン、初めてにしてはすごく上手だったチン!」
その言葉を聞いたヒカルは、少し頬が赤くなりポコに言った。
「そんなことを言われると、何だか照れてしまうよ!」
ポコは、ヒカルの表情をジローッと見ながら一言ボソッと言った。
「もう既に照れているチン!!」
その時ゴリクマは、両方の拳で自分の胸を叩きそっとヒカルに近づく。
ヒカルは、ゴリクマが近づく姿を見ながらポコにこそこそ話をする。
「ポコ、また奴が俺たちに近づいてくる!
いったい、どうすればいい?!」
それを聞いたポコは、ヒカルに思い掛けないことを口にした。
「奴を、殺せチン!!」
その言葉にヒカルは、戸惑いながらもポコに言った。
「そんなこと、俺にはできないよ!」
その一言にポコは、大声でこう怒鳴る。
「そんなに弱気でどうするんだチン!
今は、生きるか死ぬかの瀬戸際なんだチン!
死にたくなければ、奴を殺せチン!
けして、逃げようという幼稚な考えを起こさないほうがいいチン!
奴から逃げ出せば、奴はどこまでも追いかけられ
しまいには、間違えなくやられてしまうチン!」
ポコの話にビビリまくり、それでもヒカルは冷静にポコに話す。
「ポコ、だったら俺は奴をどうやって殺せばいいの?」
ポコ「こうするんだチン!!」
そう言った次の瞬間、ポコの目とヒカルの目が同時に青く輝きだし
急に前へ前へゆっくり進み、ゴリクマに近づきすれ違った時
ヒカルの右手から、突然尖った爪がノキノキ生えてきて手刀で
「ザッ」と素早く右横に振った。
そのあとヒカルは、三歩進むとノキノキ生えてた爪が元に戻り
それと同時に、ゴリクマの体が真っ二つになり
静かに、上半身が「ボトン」と落ちていった。
上半身と下半身の斬られたところから、赤と黒の混じった血液が
まるで噴水のように「パーッ」と飛び散った。
ポコの目とヒカルの目が元に戻ると、急にヒカルは後ろを
そっと振り返って見たら、驚きこう叫んだ。
「この光景はいったいどういうことなんだぁー!!」
ポコ「ヒカルがオレチンに、どうやって殺せばいいと聞いたし
何よりもヒカルが、このままじゃあ殺されると思い立ったから
オレチンがヒカルを操って奴を切ったチン!!」
それを聞いたヒカルは、驚きから急に悲しい表情に話す。
「な、なぜ、勝手なことをしたんだよ?!」
ポコは、真剣な表情になりヒカルに話す。
「ヒカルが危なかったから、オレチンはヒカルに少しだけ手を差し伸べただけ
なのにヒカルは、何かオレチンに不満があるのか?!」
ヒカル「別に不満があるわけじゃなくって
ただ、悲しんでいるだけさ!!」
ポコは、ヒカルが言うことに疑問を抱きこう思っていた。
「ゴリクマを殺すのに手を差し伸べたのはオレチンだが
巨大生物を殺したのは、ヒカル自身じゃなかったら
いったい、誰の仕業だろう?」
ポコは疑問に思いつつも、ヒカルにこんなことを話す。
「そこまで、悲しまなくってもいいと思うチン!
オレチンもヒカルも、生き物はすべて遅かれ早かれ死ぬ運命だから!」
ポコの話す内容を聞いたヒカルは平常心じゃいられなくなり
突然、目をウルウㇽしながら大声で怒鳴る。
「ポコが言うこと正しいし、すごく分かるよ!
分かるけど、もっと悲しいってそう思う気持ちがあってもいいんじゃない?!
それともポコには、悲しいって思う気持ちがないのか?!」
ポコ『残念でした!
オレチンには、そういう気持ちはなかったな!
だってオレチンは、生まれてから今まで生きるか死ぬかの瀬戸際だから
悲しいって、どういうことなのかまったく分からないチン?」
そのポコの言葉を聞いたヒカルは冷静を取り戻しポコに話す。
「ポコ、ごめんよ!
ポコのことを何も分からないままで
自分勝手にカーッとなり怒鳴ってしまってすまない!!」
ポコ「別にオレチンは気にしてないチン!
オレチンのほうこそ、ヒカルの体を勝手に操り
ゴリクマを殺させたことを本当にすまないチン!!」
ポコのその言葉に、ヒカルは笑みが毀れて一度頷き言葉をひと言返す。
「お互い様だね!!」
雨が次第にやみ、洞窟の外は徐々に明るくなっていく。
ポコ「ヒカル、洞窟の外を見るチン!!」
ヒカルは、洞窟の外を見ながらこう言った
「うわっ!天気が良くなってる!!
光りがすごく眩しい!!」
ポコ「今まで、真っ暗なところにいたから
そう思って当たり前だチン
それより、洞窟から外に出てみないチン?!」
ヒカル「ああ、分かった!
洞窟から出てみるよ!」
ヒカルは、光りのほうへと歩いて行った。
その時、ゴリクマの死体は黒い砂となり風に吹かれさっと消えていった。
ヒカルは、背伸びをしながら洞窟を出た。
ヒカルとポコの目に飛び込んできたのは・・・
なんと、キレイな景色と何十匹のゴリクマが近づいていた
ヒカルの右肩に乗っているポコがヒカルに話す
「ヒカル、あのゴリクマたちはさっき殺したゴリクマの仲間かもしれないチン!」
ヒカル「・・・」
ポコ「ヒカル、これだけは言っておくチン!
オレチンは、何もしないから
自分で考えて、精々頑張るんだチン
オレチンは、黙って見守っている」
ヒカル「えっ!?ポコは俺に、何十匹いるゴリクマを一人で倒せってこと?」
ポコ「なぜヒカルは、やってもみないで
最初からあきらめるチン?」
ヒカル「どう考えても、こんな何十匹のゴリクマを相手にするなんて
下手どころか、俺が確実にゴリクマたちに殺されるよ!
ポコはさぁ、俺に死んでほしいの?」
ポコ「死んでほしいなんて一言も言ってないチン!
ただ、やってもみないで最初からあきらめるようでは
何一つ生まれないチン!
ただ、何もせずに死ぬチン?
まぁ、ヒカルが自分で決めるチン!」
ヒカル「そんなことを言われても
自分じゃ決められないよ!」
ちょうどその時、ゴリクマがヒカルに接近し
いきなり、ゴリクマのちよっと大きなこげ茶色の右拳がヒカルの鳩尾に思いっきりあたった。
すると、ヒカルの体は一瞬で後ろに「シューッ」と飛んでいき
「ドーッン」洞窟の入り口の岩壁に強く直撃した。
その瞬間、ヒカルは血を吐きそのまま岩壁に持たれながら気絶をした
そして、ゆっくり崩れ落ちた。
足はまっすぐ、頭は下を向いていた。
直撃した岩壁には、ヒカルの体の跡がつき頭のところには血がついていた。
ポコ「おい、ヒカル!おい、ヒカル!」
ポコは、気絶したヒカルを必死に起こそうとしていた。
その時、ゴリクマがまたヒカルの前に接近して殴り掛かろうとしていた。
ポコ「おい、ヒカル早く目を覚ますチン!!」
ゴリクマの左拳がヒカルに迫る。
ポコ「ヒカル、危ないチン!!!」
すると、ヒカルの首にかけてあるお守りが少し浮いて突然赤く輝き出し
その瞬間、ヒカルはバッチリと目を開き急に右手でゴリクマのくる拳を強くつかみ
ニヤッと少し笑みを浮かべ自信ありげに一言叫びだす。
「死んでしまえぇっ!!!」
その一瞬の出来事だった。
ゴリクマの体中がいきなり炎に包まれ、ほんの一瞬で焼きつくし消え去っていった。
その直後ヒカルは、含み笑いを浮かべながら静かに前へ歩き出す。
ゴリクマに自ら近づいていくヒカル。
すると、ゴリクマたちは突然ヒカルを4匹囲い一斉に殴り掛かった。
前から右から左から後ろからも、ゴリクマたちの拳が一度にきた。
拳がヒカルにあたる瞬間、含み笑いからニヤリとし一言叫んだ。
「みんな燃えてしまえぇー!!」
ゴリクマ4匹とも、急に赤い炎に包まれて一瞬にして燃えて消えていった。
ヒカルはまた、ニヤリとしながら前へ進んでいった。
次から次にゴリクマがヒカルに襲い掛かるが
ヒカルは炎の力で、向かってくるゴリクマたちを鮮やかに燃やしていった。
ゴリクマがラスト1匹になり、ゴリクマは「うおおおおっ!!」と叫びながら
ヒカルに向かっていき、何ふり構わず襲い掛かってきた。
ヒカルは、ゴリクマの両方の素早い拳を見事にさっと鮮やかにかわし
ゴリクマの額を右の中指先で「パッチ!」と軽く弾く
弾いた瞬間、ゴリクマの体中が炎に覆われながらヒカルの横を通り過ぎ
体がポロポロになり炎とともに消えていった。
その後、ヒカルが首につけているお守りは徐々に赤い輝きが消えていき
ヒカルはまたすっと気を失いそのまま前へ「パタン!」と倒れていった。
一時がたち、夕日が静かに落ちる頃ポコが何度もヒカルの名前をひたすら呼ぶ
「おい、ヒカル!ヒカル!!」
ポコの声にヒカルは、パッと目を開きスッと座り周りを見渡しこう喋った。
「あっ!?いったい何がどうなってるんだ!?」
ポコは、ヒカルの前でこう話す。
「オレチンにも分からないチン?
オレチンも、気を失っていたから
気が付いたとき、ヒカルの横で眠っていたチン」
ヒカル「いったいどうなってるんだ?」
ポコ「オレチンに聞かれても・・・」
ヒカル「それよりこれからどうするの?」
ポコ「とりあえず今日はもう暗くなるから、十キロぐらい走ったところにちっちゃな町があるから、そこに泊まるチン」
ヒカル「十キロ俺に走れってこと?」
ポコ「まぁそういうことになるチン!」
ヒカルはポコの言う言葉に少し戸惑っていた。ポコはヒカルが戸惑っている表情に気づき、ヒカルにこう言った。
「ヒカルは疲れているみたいなのでオレチンが少し手伝うチン」
そう言った途端、ポコはヒカルの右腕にサッと乗り肩まで登って行き、ヒカルに告げた。
「ヒカルちょっとだけヒカルを操るチン」
ヒカル「えーーー⁈」
ポコはヒカルに何も言う暇も与えずに、勝手に操った。ヒカルの目の角膜が緑に変化し、突然ヒカルはものすごいスピードで走り出した。車でいうと六十キロぐらい出ていた。十二分後、町に着いた。
着いたら角膜が元に戻り、ヒカルはつぶやく。
「いつの間に着いたんだろう?」
ポコ「ヒカルおなか空いてない?オレチンは空いたチン」
ヒカル「俺もちょうどお腹がすいたなぁと思ってたところ」
ポコ「とにかく町の中に入るチン」
ヒカル「うん、わかった。」
ヒカルはゆっくり歩いていた。歩きながらあっちこっち周りを見渡し、探していた。あるレストランがヒカルの目に留まった。
ヒカル「ポコ、ここでいいかなぁ?」
ポコ「ああ、ここでいいチン」
ヒカルはドアを開き、中へ入ったら女性の店員が
「いらっしゃいませ。お一人ですか?」
ヒカル「はい、一人です。」
その女性店員は
「こちらの席です、どうぞ。」
ヒカルはその勧められる方へ座った。
店員は左脇からメニュー表を取り出し、ヒカルに尋ねた。
「ご注文が決まったら、こちらのボタンを押してください。」
メニュー表を机にそっと置き、店員は次のお客さんに向かって行った。
ヒカルは目の前にあるメニュー表を持ち、開いてポコに言った。
「ポコ何を食べたい?」
ポコ「オレチンはハンバーグが食べたいチン。」
ヒカル「俺はじゃあミートスパゲティとドリア。」
ヒカルは呼び出しコールを押した。「ピーンポーン。」
いっとき待っても来なかったから、もう一度「ピーンポーン。」
そしたら、店員が「はい。」とヒカルの席に来た。
店員「ご注文お決まりになりましたか?」
ヒカル「ハンバーグ一つとミートスパゲティ一つと、ドリア一つ、お願いします。」
店員「かしこまりました。」
店員はその場を離れ、厨房へ向かいメモをシェフのところに置いた。
一方、厨房の外ではテーブルをドーンっと叩くものすごい音が聞こえた。その店員は急いで音のする方へ向かった。
その先には、お客さんが店員に怒っているところだった。
お客さん「なぁー俺が頼んだカレーに髪の毛や虫が入っていたんだが
このレストランは、どうなっているんだぁ!!」
身長180くらいの、ガッチリ体型の金髪男がカレーに入っていた髪の毛と虫を両手でつまみ上げ店員に怒りながら見せているところだった。
男性店員は頭を下げて謝る。
「すすす、すみません!!」
金髪男は、その髪の毛と虫を両手でつまみ男店員にガン飛ばしながらこう言った。
「すみませんじゃないだろう!どうしてくれるんだ!せっかくの食事を台無しにしやがって」
男性店員「すみません!すみません!なんなら、作り直してきましょうか?」
金髪男「そんなのはいいから、慰謝料をくれ。」
男店員「そう言われましても・・・」
金髪男「俺はこんなに傷ついてるんだぞ!慰謝料を出すのが筋なんだろうが。」
男性店員は、困り果てていた時、後ろから女性店員が金髪男に話しかける。
「すみません、すみません!」
金髪男「なぜお前が謝るんだー!よく見たらお前かわいいなぁ。ちょっと俺と遊ばないか?」
金髪男は、そう言いながら気持ち悪くにたついていた。
女性店員「それはちょっとごめんなさい!」
その言葉に金髪男は表情がガラリと変わりいきなり女性店員を怒鳴った。
「俺様の誘いを断ろうとは、お前いい度胸しているなぁ!!
ちょっと、俺の近くに来てもらおうかぁ!!」
そう怒鳴った次の瞬間、金髪男は左手でサッと女性店員の左手首をガッシとつかみ
ものすごい力で引っ張り、その女性の体が金髪男のほうに接近する。
金髪男は、接近した途端その女性の左手をサッと離し右腕で女性の体を固定した。
それを見ていた男性店員は、女性店員を助けようと動き出そうとするが
ちょうどその時、金髪男は左手で左ズボンのポケットの中にサッと入れそこからナイフを取り出して男性店員にむけた。
「動くな!」と怒鳴った。
男性店員は慌ててピシャッと停まった。
女性店員は、あまりの驚きに「キャァー!!」という叫び声がレストラン中に響き渡った。
その叫び声に金髪男は「こら、女―!黙れー!」とサッとナイフを女性店員に向けた。
緊迫した雰囲気の中、ゆっくり歩くヒカルの姿があった。
歩きながら女性店員にいきなり、しゃべりだした。
「注文まだですか?」
金髪男「お前はいったい誰だ?」
ヒカル「俺はヒカルだが、何か?」
金髪男「これ以上、近寄るんじゃねぇ!」
ヒカル「なんでですか?俺はただ女性店員に聞きたいことがあるだけ。」
金髪男「注文はそんなの後、後!」
ヒカル「えーー!そうなんだぁー。だったら俺も言ってもいいかなあ?
あの俺、カレーの中に髪の毛と虫を入れているところを見ちゃっているんだけど、どういうことかな?」
それを聞いた店員二人は、驚いていた。
金髪男「どうしてそんなことを言うんだ!俺はそんなことしてない。第一俺がやったっていう証拠はどこにもないはずだぜ。」
ヒカル「それがあるんだな。」
すると、ゆっくり歩くのをやめたヒカルは急に止まり、ズボンのポケットからスマホを取り出し、「どうだ!」と証拠写真を見せた。
スマホの画面に、カレーの中に自分の髪の毛を入れようとしているところと
どこかでか捕まえてきた虫の残骸を入れようとしているところが写し出されていた。
それを見ていた店員二人は、みるみる顔が真っ赤になり怒りをあらわにしていた。
金髪男「ど、ど、どうしてお前が俺の写真、と、撮ってるんだぁ?」
ヒカル「何でだろう?たまたまかな?」
金髪男「お前さっきからその人をバカにしたような喋り方はぁ
まさか、俺をおちょくってるのかぁ!!」
ヒカル「別に俺はおちょくってないよぉ!!
ただ、情けないなぁと思っただけ!!」
金髪男「お、お前ぇー、やっぱり俺のことおちょくってるなぁー!!
この女がどうなってもいいのかぁ?」
その時、金髪男は持っているナイフを女性店員に近づけた。
女性店員「いやぁー、やめて
まだ、死にたくないぃー!!」
女性店員は、そう言ってウルウルと目に涙をためていた。
それを見ていたヒカルは、急に表情が暗くなった。
その瞬間、ヒカルの姿がすっと消えていった。
金髪男は、周りを見渡しながらこう言った。
「あれぇー???いったいどこにいった?」
次の瞬間、金髪男の左腕をヒカルの右手でものすごい握力で握った。
金髪男「くっ、い、いつの間に俺の背後にいる?」
ヒカル「なぁ、このナイフを離せ!!
さもないと、お前の腕を折る!!
さぁ、早くナイフを離せぇー!!」
ヒカルの言葉を聞いた金髪男は、イラッとし女性店員をそのままナイフで刺そうとした。
それに気付いたヒカルは、少しだけ右手に力を入れると「バキッ」と鈍い音が響き渡る。
その時、金髪男の左腕がブラブラ揺れ手に持っていたナイフも床に「カラン」落ちた。
金髪男は「うおおおおっ」と叫び捕まえた女性店員を離し
すぐにブラブラ揺れている左腕を右手で押さえながらヒカルに言った。
「おい、お、お前、な、何てことをしたんだぁー!!」
ヒカル「だから俺は、前もって忠告したのにお前は俺の忠告をあっさり無視し
イライラして、女性をナイフで刺そうってしたからお前の左腕を折っただけさ!」
金髪男は「こ、こ、このやろう!」と言いながら逃げるようにレストランを去った。
金髪男が去って行ったあと、ヒカルはすぐに怖がって震えている女性店員の前に行った。
ヒカル「もう大丈夫だよ!!」
そう言うと、ヒカルは女性店員の頭を右手で二回ほど優しくなでなでしていた。
女性店員は、ヒカルの優しい微笑みを見て顔が少しだけ赤くなった。
ヒカルは、女性店員を安心させたあとゆっくり自分の席へ戻っていった。
女性店員は、ヒカルの後ろ姿を見て心の中で思っていた。
「きゃあー、あの人はどうしてカッコいいの???」
そう思いながら、両方のほっぺが真っ赤だった。
ヒカルは、自分のいた席へ戻る最中にポコと喋っていた。
ポコ「とんだ邪魔が入ったチン!」
ヒカル「ポコのおかげだよ!
ただ俺は、ポコの言うとおりにしてただけさ!」
ポコ「しかしながら、すごい握力だったチン!」
ヒカル「いやいやただ俺は、金髪男のやり方に少し腹が立てただけさ!」
ポコ「オレチンも、金髪男には腹が立ったチン!
ヒカル、オレチン腹がペコペコチン!!」
ヒカル「俺も腹ペコペコだ!!
早く席へ戻ろう!!」
そう言った途端、ヒカルの歩き方が急に小走りになり
席についてそのままイスに座り注文してあるメニューをじーっと待っていた。
その5分後、女性店員が注文したメニューを運んで丁寧にそっと机に並べた。
並べ終わると、会計表を裏返しにして机に置き照れ気味な表情でヒカルに言った。
「さ、さっきは助けていたらき本当にありがとうございました!!」
そう言い頭を深く下げた。
ヒカル「いやいや、頭を上げてくれませんか?」
女性店員は、申し訳なさげに恐る恐る頭を上げていた。
ヒカル「さっきのことは無事に解決したから別に気にしなくていい!
それより注文したメニューを運んで来てくれてありがとう!!」
そう言ったヒカルは、女性店員に微笑んでいた。
女性店員は、ヒカルの微笑みを見た瞬間頬が赤くなりそれを隠そうと一言言った。
「ごゆっくりとお召し上がりください」
そう言ったあと、すっと軽く頭を下ろしすぐに頭を上げその場から離れた。
ヒカルはポコにこんな質問をする。
「なぁポコ、さっきからちょっと気になっていたけど
いったいどうやって注文したメニューを食べるの?」
ポコ「オレチンは、匂いで食べるチン!」
ヒカル「えぇっー!!匂いで食べられるの?!」
ポコ「そこまでビックリしなくてもいいチン!」
ヒカル「匂いだけでお腹がいっぱいになれるの?」
ポコ「うん、お腹いっぱいになれるチン!!」
ヒカル「本当に食べることができないの?」
ポコ「だってオレチンは、幽霊みたいなものチン!!」
ヒカル「まさかお前は、一度死んでいるのか?」
ポコ「ああ、そういうことになるチン!!」
そのことを聞いたヒカルは、鳥肌が立つほどに体がブルブル震えていた。
ポコ「そんなに怖がらないでほしいチン!」
ヒカル「そんなに俺、すごく怖がっているように見える?」
ポコ「だってオレチンが答えたとたん
ヒカルの体が、ブルブル震えだしたから怖がっていると思ったチン!
まあ、オレチンが幽霊だと答えら誰でも怖いって思うのは分かっていたことチン!」
そのことを聞いたヒカルは、急に目の前の机に置いてあるガラスコップを左手で持って
お冷を少しずつ飲みほし、一呼吸置き気持ちを鎮めていた。
ヒカル「なあポコ、匂いだけでお腹は満たされるの?」
ポコ「ああ、満たされるけど・・・なぜだチン?」
ヒカル「食べ物の匂いだけで、お腹がいっぱいになるのかなぁーって疑問に思ったから!」
ポコ「オレチンは、歯もなければ胃袋もないチン!
だから、噛むこともできなければ満腹もないチン!
ただ、匂いだけでも美味しかったなぁーとか不味かったなぁーとか感じるチン!!」
ヒカル「へぇー、そういうことか・・・だったらポコが注文した分まで食べてもいいかな?」
ポコ「ああ、もったいないからどうぞ食べるチン!」
ヒカル「それじゃあ、いただきます!!」
ヒカルは、両手でナイフとフォークを持ちナイフでハンバーグを口に入る大きさに切って
フォークで刺しそのまま口の中へ頬張った。
「うん、美味しい!!」とヒカルは笑顔で呟いていた。
食べること10分、ハンバーグ、ミートスパゲッティー、ドリアを残さず全部食べた。
ヒカル「ああ、美味しかった!!
さてと、会計してどこかで寝床を探そうかな・・・」
ポコ「オレチンも、お腹がいっぱいチン!!
お腹がいっぱいで、パァアァ!眠くなったチン!
オレチン、先に寝るから
ヒカル、おやすみチン!!」
ポコは、そう言ってスヤスヤと眠りについた。
ヒカルは、ポコの眠る姿をジローッと見つめ一人呟いた。
「ポコは良いよなぁ、俺の肩の上ですぐ寝られるから!
さぁ、会計をすませよ!!」
ヒカルは、レジのところに向かった。
レジのところにつき、伝票を女性店員に渡した。
女性店員は、伝票を受け取った時指がヒカルの指に触れると少し顔が赤く染まった。
ヒカルは、そんなことにまったく気づかず女性店員の顔を見て平常心で聞いた。
「あの・・・おいくらですか?」
女性店員は、そう言われて慌てて金額を急いで調べ伝えた。
「合計で、3,990円です。」
ヒカル「3,990円ですね、今払います。」
ヒカルは、ズボンの右ポケットから折り畳みの黒い革の財布を右手で取って財布の中を確認し、お札と小銭をカルトンに置いた。
女性店員は、お札と小銭をレジに分けて入れた。
ヒカルは、現金を出し終わるとズボンの右ポケットに財布を仕舞い女性店員に話す。
「頼んだメニューすごく美味しかった!!
またいつか、来たいと思います!!」
女性店員は、そう言うヒカルを見てさらに顔が真っ赤になった。
ヒカルは、出口へ進みだした。
女性店員は、ヒカルに少し失礼と思いながらも気持ちが先走りこう言う。
「あっ、あのちょっとすみません」
ヒカルは、女性店員のほうへと振り向いた。
女性店員「失礼ですが、お名前は?」
ヒカル「俺か・・・?
俺は、ヒカルだ!!
なぜ、俺の名前を聞いてきたんだ?」
女性店員「ただ、ヒカルさんのことを覚えておきたかったから」
ヒカル「そうか!でも、いつここにこれるか正直分からないけどな」
女性店員「いつでもいらしゃってくださいね!
私は、お待ちしていますよ!!」
ヒカル「ありがとう!
ところで、店員さんの名前は?」
女性店員「そうだよね!
ヒカルさんの名前は知りたいって言っておきながら、私の名前を言ってなかったね!
私は、エミです!
ヒカルさん、またこのお店に来てください!!」
ヒカル「ああ、忘れる前に来るようにする!
それじゃあ、また・・・」
そう言ってヒカルは、レストランを後にした。
それから、1時間ヒカルは必死に寝床を探していた。
ホテルは、たくさんあったが財布を見たらホテルには泊まれなかった。
仕方なく、誰一人いない公園の木があるところで木にもたれかかり、左ひざを立てたままで座り夜空の星を見上げながら眠りについた。
寝静まった頃、突然ヒカルの首に掛かってあるお守りが赤く輝き出す。
その時ヒカルは、ヒカルの母ココネと話をする夢を見ていた。
ヒカル「母さん!」
ココネ「ヒカル、久しぶり。
こんなに大きくなって、母さんすごく嬉しい!!」
ヒカル「母さん、たしか黒い男に捕まっているんじゃなかったの?」
ココネ「うーん、今私は別な異世界で氷の中にいるの。」
ヒカル「別な異世界にいて氷の中にいるのは分かるけど
そしたらなぜ、今俺の目の前にいる?」
ココネ「ヒカルに渡したお守りの力でヒカルの夢の中に入ったの。
ヒカルに、どうしても伝えないといけないことがあったから。」
ヒカル「へぇー、そんなことができるんだすごいぃー!!
ところで、伝えたいことって何ですか?」
ココネ「ヒカルは、水晶って知っている?」
ヒカル「水晶?
まったく知らないけど、その水晶がどうかしたんですか?」
ココネ「水晶は、もともとひとつだったの。
でも、五十年前に漫画家の影響でひとつだったのが七つに分かれ
色違いの水晶が、どこかの異世界へと散らばってしまったの。
実はね、私がヒカルに渡したお守りの中には一つの赤い水晶が入っているの。」
ヒカル「えぇー!!そうだったの?」
ココネ「ヒカル、大人になったあなたに伝えたいことがあるの。」
ヒカル「何だろう!何だろう!!」
ココネ「これから先、ヒカルは誰かに狙われてしまうかもしれないの。」
ヒカル「えっ、えぇー!!なぜ俺が狙われないといけないの?」
ココネ「ねぇ、落ち着いて聞いてほしい。
自分の命は自分で守ってほしい。
それから、七つある水晶を集めてほしい。
水晶を七つ全て集まれば、巨大な虹色の力を手にできるとそう言い伝えがあるみたい。
私も、本当かどうか実際のところ分からないの。」
ヒカル「とにかく、俺がその七つある水晶を全て集めればいいでしょう?」
ココネ「うん、そうよ!!
ヒカル、くれぐれも力を持っている連中たちには気をつけてね。
連中たちは、さまざま能力でヒカルが持っている赤い水晶を奪いに来ると思うから。」
ヒカル「まぁ、何となくだけど理解はできた。
母さん、教えてくれてありがとう!!」
ココネ「説明不足でごめんね!!」
その時、ココネに異変が起きた。
なんと、ココネの足からジュワジュワと氷に包まれていく。
ココネ「そろそろ時間だわ!!」
ヒカル「母さん!!」
ココネ「ヒカル、会えてよかった!
じゃあ、またね・・・」
その瞬間、氷がココネの頭のてっぺんまで包み込まれて固まった。
ヒカルは、氷の壁を右拳で何度も叩きながらひとり言を言った。
「母さんどうしたの?ねぇ、ねぇ、母さんどうしたの?」
何度も拳で叩いても、氷の壁はヒビさえはいらないほど硬かった。
氷に包まれたココネのところから、急に光りが射し込みすっと消えていった。
そのことに気付いたヒカルは、己の無力さに涙が一粒二粒と流れ落ちた。
つづく




