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七つの水晶  作者: Smady 心
1/2

プロローグ

『七つ(なな)の水晶(すいしょう)


第一章「始まりの時」

2020年春の朝方、とある古い一軒家でのこと。

窓の隙間風がカーテンを揺らし、

日差しがカーテンの隙間に差し込む。

シングルベッドで静かに眠る、ある男性がいた。

その男性の名前は、「ヒカル」

年齢〔二十歳〕

身長〔180センチ〕

体重〔65キロ〕の細マッチョ体型

時間が7時になると、枕もとの上に置いてあるめざまし時計が鳴り響く。

ヒカルは体をゆっくりと起こし、あくびをしながら「ねむい」と言い

両手で両方の目を擦り、鳴り響くめざまし時計のスイッチを左手でさっと押した。

音が止まると、両足をベッドから床に下ろしてすっと立ち上がり大きく背伸びをした。

空気の入れ替えをしようと2~3歩進みカーテンと窓を開けた

窓の外に出ると、ちょっと冷たい風が吹いていた。

眩しく温かな太陽がヒカルを照らし、風に吹かれたサクラの花びらが

ゆらゆらと、ヒカルのところへ飛んできた。

ヒカルは、ゆらゆら飛ぶその花びらを右手でさっとキャッチし

花びらが風に飛ばされないように、ゆっくり手のひらを開き

じーっと花びらを見つめていた。

その時ヒカルは、母「ココネ」のことをふと思い出していた。

母との楽しい記憶や、嬉しい記憶など次から次に溢れ出す。

しばらくしてその花びらは、風に吹かれヒカルの手のひらからすっとどこかへ飛んでいった。

ヒカルは涙を浮かべ一言言った。

「自分のことを覚えてるのかな?」

そう言ったあとヒカルは、すぐに部屋へ入り洗面所に向かい顔を洗った。

髪質サラサラの、真ん中わけのウルフカット、色はレッド。

顔は、童顔で、パッチリとした二重に、瞳の色はブラウン

鼻は程よく高く、口はふつうサイズの笑顔がよく似合うくちびる。

肌の色は、ちょっと暗めのベージュ。

蛇口をひねり、冷たい水で顔を素早く洗った

タオルで顔を拭き、目の前にある鏡に映る自分の姿を見つめていた。

ジーッと見つめながら、ココネのことをまた思い出した。


十五年前のことだった。

まだヒカルが、5歳のころ。

公園の砂場で大きな山を作り遊んでいた。

ココネは、日陰のベンチに腰かけ砂場で遊ぶヒカルを見守っていた。

だんだん夕暮れが近づき、ココネはヒカルに言った。

「もうそろそろ夕方だから家に帰ろう」

ヒカルは遊びながら答えた。

「え~、はい、わかった!」

ヒカルは砂山を崩し、砂をもと通りにした。

ココネはベンチから立ち上がり、砂場に行きヒカルに手をそっと差し伸べた。

ヒカルはココネに気がついて、すごい喜びようで手を繋いで会話しながら歩いた。

道の真ん中で、突然ココネが止まり、ヒカルに話しかけた。

「ヒカル、ヒカルに渡したいものがある!」

ヒカルは、ココネを見てこう言った。

「何、何、何かくれるの?!」

はしゃいでいるヒカルに、ココネが渡したのは白のお守りだった。

ココネは、ヒカルにこう話した。

「このお守りを、いつも欠かさずに持っていてほしいの!」

ヒカルは、ココネに笑顔でこう言った。

「うん、わかった。母さんの言うとおりにするよ!」

その時ココネは、なぜだかうっすらと複雑そうな表情をしていた。

不安と心配に押しつぶされながら、ココネはぼんやりと遠くを見つめてた。

まだ幼いヒカルは、そんなこと気にも留めずにココネの手を引っ張り歩き家へ戻る。

それから、三日たったある真夜中のことだった。

ヒカルはベッドで眠っていたら、パッと目を開きトイレに起き上がりトイレへかけこんだ。

トイレを終わらせ、もう一眠りしようと部屋に戻ろうとした丁度その時だった。

ガッシャンという、どこかの窓ガラスが割れる音が聞こえてきた。

ヒカルは驚いて、音がするほうへと向かった。

そこはなんと、ココネの部屋だった

ヒカルはドアをノックしながらココネに言った。

「母さん、大丈夫?!」

ココネは呼びかけに、まったく応答がなかった。

ヒカルは何度もノックし、ココネを何度呼び続けるもそれでも応答はなく。

ヒカルは心配になり、ドアノブをさっと回した。

すると、カギは開いていた。

おそるおそる、ドアを開けた。

ヒカルの目に飛び込んできたその先に、なんと知らない上下真っ黒の男がココネを肩に担いでいた。

その光景に、ヒカルはものすごく驚き、ココネを担ぐ男にこう叫んだ。

「こら、そこのお前、母さんをどこに連れて行くつもりだ?!」

男はヒカルをちら見しながら、こう呟いていた。

「なーんだ、こいつの子供か!!

おい!そこのガキ、この女をどこかの異世界に連れて行く!!」

そのことを聞いたヒカルは、ものすごく怒り出しその男の前へ近づきこう告げた。

「異世界?!

なにそれ、どうでもいいから母さんを連れて行かないでよ!!」

男はヒカルにこう答えた

「これだから、ガキは嫌いなんだよ!!

言うことも、何もかも甘すぎなんだよ!!

何が何でも、この女は連れて行く!!」

ヒカルは涙をためながら必死に男にこう叫んだ

「いやだ!

母さんを放せ!

母さんを返せ!

母さんをどこにも連れて行かないで!!」

ヒカルは男に、どんどん近づき数センチしたところで

ヒカルの動きが突然止まり、ヒカルの顔から冷や汗が一粒二粒流れ落ちた。

男はヒカルを見てこんなことを口にした。

「俺の術が利いているみたいだなぁ!

この術に繋った者は、金縛りにあい、死の幻覚を見続ける術だ。

さてと、そろそろこの場から立ち去ろう!!

もし、生き延びることがあれば、またどこかで会おう!!」

そう言ったあと男は、ココネを肩に担いだまま二回の窓からさっと飛び出した。

ココネとココネを連れ去った男の行方は誰一人知らない。

そして、ヒカルは死の幻覚を見続けている

そんな時、ヒカルの部屋にあるココネから貰ったお守りが突然赤く輝きだした。

次第に、ヒカルの体も赤く輝きだす。

男のかけた術が、次第に解かれていった。

ヒカルはそのまま気を失い、「ドスン」とヒザから崩れ落ちるように倒れた。

しばらくたち、お守りの赤い輝きはすっと消え、ヒカルの体の赤い輝きも同じく消えた。

朝になり、小鳥が鳴く声に「パッと」目を覚ますヒカル。

「サッと」立ち上がり、ココネの部屋の周りをキョロキョロと見ていた。

ヒカルはふっと夜中にあった出来事を思い出しこう言った。

「母さんがいない?!」

ヒカルは焦りだし、顔を青ざめながら走り家中をくまなく探した。

だが、どこを探しても見つからなかった。


ヒカルはココネがいないことに気付いたら、部屋中に響き渡るほどの大泣きをしていた。

数日間泣いてばかりいた。

そんな次の日、ヒカルは少しずつ前向きになろうと、自分ができる身の回りのことをした。

どうしてもできないことがあった。

それは、買い物と料理だった。

でも、ヒカル自身に不思議なことがおきる。

2日に一度のペースで、午後四時から三時間ぐらい、いつの間にか眠っていた。

ヒカルが目を覚まし、イスに座るとテーブルの前には、なんと手作りの料理が出来上がっていた。

ヒカルの目がビヨョーン、口をアングリとあけビックリしていた。

ヒカルはビックリしながらこう言った

「ええええっ、いったい何がどうなっている?!

この手料理は、誰が作ったんだ?!」

ヒカルはひとまず冷静になろうと、深呼吸を一、二回した。

誰が作ったかも分からない料理「カレーライス」を、おそるおそる口に運んだ。

口に入り味を確かめたら、ヒカルの目が大きくなり驚き、こう思っていた。

「こ、この味、母さんのだ!!

母さんがいないのに、いったいどういうこと?!」

そう思いながらも、おいしいカレーライスをパクパクと食べていた。

そんな不思議なことが、たびたび続き買い物や料理にはあまり困らなかった。

そうやって、さまざまな苦難や困難に立ち向い乗り越えて、カッコいい青年になっていった。

十五年経った今でも、ヒカルはココネのことを思い出していた。

ヒカルは自分の部屋に戻り、白の半袖Tシャツ赤の長袖のシャツ。

下のズボンは、黒のジーンズに着がえてココネから貰ったお守りを首にかけた。

そのあとヒカルは、食事を早めに済ませてもう一度洗面所に行き、歯をサッと磨き。

髪を整えて部屋の戸締りをし、玄関の前でスニーカーを履いてドアをあけ外に出た。

ドアを閉めてカギを掛け、突然走り出し近くの町へ出かけた。

走り出して五分後、目的の場所へ歩き出す。


目的の場所につき、ヒカルが目にしたその先には髪がロングヘアでパッチリ目。

顔は童顔で、笑顔が似合う唇にスベスベで白いお肌。

身長は(150センチ前半)

体型(ややスリム

年齢(二十歳)

スリーサイズ(ナゾ)

洋服は、白の花柄のワンピースを着ている女性だった。

ヒカルはその女性の前に来て、笑顔でこう喋りだした。

「ミキちゃん、遅くなってごめん。

ちょっと、考え事していて時間がすぎていた。

ミキちゃん、もしかして待ってたぁ?」

ミキは、もうしわけなさげな表情をするヒカルに笑顔で返した。

「いや、そんなことない。

私も、今さっききたところ。

気にしなくっても、大丈夫だからね。」

ヒカルはミキに、ピンと背筋を伸ばし、丁寧に頭を下げた。

「本当に、ごめんなさい。」

するとミキは、左手でヒカルの右手を急にぎゅっとつかんだ。

ミキは笑顔でヒカルに「いこう」と、手を引っ張りヒカルはあぜんとし、ミキの笑顔に見とれて走り出した。

二人で、ゲーセンやファミレスでランチをしてカラオケを楽しんだ。

夕方になり、ヒカルとミキは公園で二人揃って夕日を見ながら話をしていた。

ミキ「今日は、私に付き合ってくれてありがとうね。」

ヒカル「いえ、そんな気にしないでください。

自分もミキちゃんといれて、すごく楽しかった。

こちらこそ、ありがとう!!」

ミキ「ところで、私たちの関係って何だと思っているの?!」

ヒカル「う~ん、う~ん、幼馴染かな!?」

本当のところは、恋人だよって言いたかったが、ついつい話の弾みで幼馴染と言ってしまったのであった。

ミキ「あぁ、そうだよね。

私は、ただの幼馴染でいいよ。」

ミキの心の声「幼馴染なんかイヤだ!!

もうイヤ!もう帰りたい!!」

ヒカル「もうそろそろ、暗くなるから帰ろうか?!」

ミキ「う~ん、わかった、帰ろうか!」

二人はそう言うと、立ち上がり帰ろうとしたその時、二人の前から真っ黒なドアが突然出てきた。

二人は突然真っ黒なドアが出てきて、かなり驚きの表情だった。

その真っ黒なドアが開き、ゆっくりと姿を見せた。

ミキはその姿を見ても、驚かずに不思議そうな顔をしながら見ていた。

一方のヒカルは、もちろん驚きもしたが、それだけじゃなく、なぜかとっても怒っていた。

その真っ黒なドアから表れた正体は、なんとヒカルの母「ココネ」をさらったあの男だった。

男「久々にこの世界に来たな!!」

ヒカル「いったい何しに来やがった!!!」

ミキはヒカルが男に、超ブチ切れているところを見て驚きと目がハートだった。

男「そこのガキ、また会えたな!」

ヒカル「俺の母さんどこにやった?!!」

男「知らんな、ガキの母親のことなんか。」

ヒカル「十五年前、きさまが何か俺に特殊な術をかけ眠らされ、その隙に母さんをどこかに連れさって行ったんだろうが!!!」

男「だからそれがどうしたんだ?!

まさか俺に、同情を求めてない?!

もしそうなら、悪いが御門違いだ!」

ヒカル「俺はただ・・・母さんを探したいだけだ。」

男「そんなに母親が恋しいのか?!

だからお前は、いつまでたってもガキだと言われるんだ!

まっ、俺にはどうでもいいことだがな!!

さてと、あの方に頼まれたことでもやろうかな?!

おい、そこの女、俺と一緒に異世界へ来てもらおうか!!」

ミキは周りを見渡し「誰のことだろう」っと思っていた。

男はミキに右手で指をさし「どこを探しても女はお前しかいないだろう」と言った。

ミキ「えぇっ~!私ですか?!」

男「ああ、そうだ!お前だ!」

それを聞いていたヒカルは男に怒鳴る。

「こらあー!俺の大事な人をお前はまた奪うきかぁー!!!」

男は怒鳴るヒカルを睨み、こんな言葉を口にする。

「十五年前から、ちっとも成長してないんだな!

少しは、成長しているんじゃないかと期待していたが、期待した俺がバカだった。

まぁ、お前のことはもういい。

とにかく俺は、そこにいる女を異世界に連れて行く!!」

ヒカル「そんなことは絶対させない!!

なぜならミキは俺の大切な人だから!!」

それを隣で聞いていたミキは、また目がハートになり、小さく一言「ヒカル」と呟いた。

男「なら、しかたないな!

話し合いがダメだったら、力ずくしかないようだな!!」

すると、男はその場から突然スッと消えた。

ヒカルもミキも「アレ?」と男を捜した。

数秒もしないうちに、男はミキの背後にパッと現れ、右手で軽くサッと首筋を手刀で一撃。

ミキは体に力が入らなくなり、小さな声で「ヒカル・・・」と言うと前にフラッと倒れる。

男は左手で、倒れるミキの右腕をガッチリと掴みそのまま引き寄せ右肩に担いだ。

それを隣で見ていたヒカルは、男を威嚇し「このやろうぉー」と叫びながら右拳で男に殴りかかろうとする。

しかし男は、殴られる直前にミキと共にサッと消え数秒後、元のいた場所へまた現れた。

男が瞬間に、消えたことによりヒカルは周りを見渡していた。

男「いったいどこを見ている、俺はこっちだ!」

ヒカルは声がするほうを向き男にこう言う。

「俺の大事な人を放せ、返してくれよぉ~!

男「そんなにかえしてほしかったらな、俺を超えてみろ!!

まぁ、俺を超えることは無理だがな!!」

ヒカル「今すぐミキを返せよぉ~!」

そう言った瞬間ヒカルは男のほうへ走り出した。

男に近づき、右拳でおもいっきり殴りかかろうとした。

男「そんな単純すぎる攻撃じゃ俺には通用しない!!」

そう言い放った男は左手で、ヒカルのおもいっきりな拳をあっさり受け止めた。

ヒカル「な、何~!!」

男「お前に殴り方を教えてやる!

殴り方はな、こうやって殴るんだよ!!」

そう言って男は、ヒカルの右拳をサッと離し、自分の右拳をヒカルの体に軽く持っていき数秒後、ヒカルの体にすごい衝撃が加わり、後ろに飛んでいった。

飛ばされたヒカルは、公園を囲む網を破り壁に直撃しそのまま気を失った。

男「ずいぶん飛んで行ったな!

少しやりすぎかな?!

さてと、そろそろこの女を連れて帰るとするか!!」

そう言って男は、異世界へ繋がるドアを開こうとした、その時だった。

壁に激突し埋もれ気を失っていたヒカルが、突然スッと立ち上がりサッと消え去った。

何か危険を察知していた男は、ミキをそっとドアのところに座らせ自分は後ろを振り返る。

男の前にいたのは、俯きながら立っているヒカルだった。

男「何か用か?!」

ヒカル「・・・」

二人に緊迫した空気が流れていた。

その数分後、ヒカルが叫ぶ。

「お前は邪魔だぁ~!!」

そう言った途端、ヒカルは顔を上げると両方の拳で急に殴り続けた。

でも、男はヒカルの攻撃を両手で簡単に受け止め続けていた。

それでもヒカルは、速さマックスで攻撃を続けた。

速さマックスな攻撃を男は余裕の表情で受け止める。

男「確かに動きは、さっきよりも数段良くなっている。

ただ、拳の威力がちっともなってないな。」

ヒカル「な、何だとぉ~!!」

男「これじゃ、誰かを救うなんて一生かけても不可能だな!!」

ヒカル「確かに俺は弱い!

ただ俺は、ミキをどこにも行かせない!!」

男「何もかも思い通りにいくと思うな!

今からお前に、絶望を味わらせてやる!!」

そう言った途端、男は突然ヒカルが放った右拳を右手でガッシリと掴んでいた。

ヒカルは必死に放そうとするが、男の握力が強すぎて離すことはできなかった。

男「さてと、軽く本気を出してみるか!」

ヒカル「・・・?」

ヒカルはあぜんとしていた。

その瞬間ヒカルに異変が起きた。

ヒカルの右拳から腕にかけて青くなっていた。

ヒカル「くっ!!」

痛がって険しい表情になるヒカルを見ていた男は、薄っすらニヤケながらヒカルに告げた。

「もっと力をいれたら、お前の右拳はおろか右腕も粉々にすることができるがお前は、

どうする?お前には選ぶ権利がある!!」

それを聞いていたヒカルは、痛みを必死に堪えながら男にこう言い放つ。

「だったら、ミキを返せ!返せよぉ~!!」

ヒカルの発言に男は、ブチ切れて怒鳴る。

「お前は俺の話をまったく聞いてないみたいだな?!

実に残念だなぁ~!

ならば、腕の骨を折るからな!

悪いのは、お前だぁ~!

俺を怒らした罪は重いぃ~!!!」

すると、そう怒鳴った瞬間ヒカルの右腕は激しい激痛に襲われた。

男はさっと、ヒカルの右拳を離した。

男の目の前で、左手で右腕を抑えて「うっ!痛いぃ~」と叫び暴れ回るヒカル。

男はそんなヒカルを見て、こんなことを口にした。

「またいつか、どこかで会う日を楽しみにしている!」

そう言った男は、ミキをさっと担いで異世界と繋がるドアを開こうとした、その時だった。

ヒカルが左手で、男の左足を掴み涙ながらに叫んだ。

「なあ、お願いだからミキを異世界に連れて行かないでくれよぉ~!!」

それに気付いた男は、ヒカルを横目でジーッと睨みヒカルの左手を左足で払いどけた。

そのあと男は、パッと振り返り右腕の痛みに耐えるヒカルに早口で何か呪文を唱えていた。

その時、ヒカルの体が急にゆっくり浮き始めた。

ヒカルはすごく驚き、男にこう叫んだ。

「なあぁ~!俺をどうするつもりだぁ~?!」

男はヒカルが叫びながら質問を、含み笑いでこう返した。

「お前を、別な異世界に飛ばす!!」

それを聞いたヒカルは、男にまたこう叫んだ。

「やめろぉ~!やめてくれぇ~!!」

男はまた含み笑いをし、ヒカルにこう話す。

「もっとお前は強くなれ!!

ああそうだ!俺の名をまだ言ってなかったなぁ~!

俺の名は、ゼロ!!

それじゃあな!またいつかどこかで・・・」

そう言ったあとゼロが、左手の親指と人差し指で指をパッチンと鳴らしたとたん

ヒカルの下半身は徐々に消えて行きヒカルはそのことに気付きこう叫んだ。

「俺、このまま消えて行くのか?いやだぁ~!!!」

ヒカルは叫んだあと、ゼロを憎しみの目で睨んだ。

それを見ていたゼロは、ゆっくり目を逸らしミキを肩に担いだまま異世界へ繋がるドアを開き、そのまま中に入ると同時にまるでドアに意思があるかのようにそっと閉まった。

閉まってから数秒、その場所にあったはずのドアがスッとなくなっていた。

ヒカルも、上半身の首まで消えかけていた。

その時ヒカルは、人生で初めて悔し泣きをし、泣きながらこう叫んでいた。

「くっ、くそおぉ~!!くそおぉ~!!!

俺が弱かったせいで、母さんもミキも異世界に連れて行かれたぁ~!!!

スッゲエェ~!悔しいぃ~!!!」

そう泣きながら叫んでいたヒカルは、泣きつかれ、そのままゆっくり目を閉じ眠りについた。




ヒカルが目を閉じたあと、ヒカルの体すべてが消えていた。

一方、ゼロはミキを肩に担いだままある異世界についていた。

空は今にも、降り出しそうな黒の雨雲が広がっていた。

とある森の真ん中に、黒の大きなお城がありそこの入り口にゼロは立っていた。

その入り口の前に近づくと、センサーが反応をしてドアが自動で開いた。

ゼロは、堂々とお城の中に入って行くとドアが音一つ立てずにスッと閉じてしまった。

お城の中は、すごく薄暗くお城のあちらこちらにロウソクがついていた。

ゼロの前には、床に赤い絨毯が敷いてあり、長く広い階段があった。

ゼロは、肩に担いでいるミキと共に階段をゆっくり上っていた。

上ること十分、ゼロは疲れ一つ見せずに平然としながら上りきり、廊下を堂々と進む。

ゼロがいきなり止まると、気絶してるミキをそっと肩から下ろして寝かせた。

寝かせたあとゼロは、右膝をついて頭を少し下げながら何者かに話し始めた。

「ただ今戻りました!」

何者かが、ゼロを見て話し出す。

「ゼロ、お帰り!」

ゼロ「例の人を連れて参りました!

そして、俺が認めた青年を別な異世界へ飛ばしました!!」

???「ゼロが連れてきたこの女性、力が目覚めてしまえば大変な事態になるところだったよ。

ゼロ、連れてきてくれてありがとう!!」

ゼロ「いえいえ、これが俺の仕事です。

だから、そんなに気になさらないでください!!」

???「いつも、変な仕事ばかりを頼んでしまって悪いなって思ってるところだ!!」

ゼロ「たとえ俺が、仕事で誰かに憎まれて殺されたにしても後悔しないです!!」

???「たとえゼロが誰かに恨まれても、お前は強いから殺されないとは思ってる!」

ゼロ「俺を殺すやつは、今のところいないですが、いつかは俺を殺すやつが出てくるでしょう。

もしそんなやつと出会ったら、俺は後悔せずに幸せに死ねますよ!!」

???「そんなことを言うってことは、そんなやつがいるってことか?!」

ゼロ「俺からしたら、ま全然ヒヨコてすよ!

まぁ、俺はやつが強くなることを見込んで別な異世界に飛ばしました!」

???「ゼロは、これからどうしたい?」

ゼロ「それって、好きにさせてくれるって事ですか?」

???「ただ、ゼロの意見を聞きたかっただけだ!」

ゼロ「俺のこれからは、今までどおり仕事がくればやります!

それ以外では、別な異世界に俺が飛ばしたやつのことを監視がしたいですね!」

???「ゼロの好きなようにしたらいいと思うぜ!!

仕事は、ほかのメンバーに任せるから!!」

ゼロ「本当にそれでいいんですか?」

???「ああ、いいぜ!!

もし、ピンチの時はよろしく頼むな?!」

ゼロ「ああ、その時は俺が引き受けます!!

ところで、この女性はどうされますか?」

???「この女性は、俺があとから体ごと氷で覆ってマイナス120のところで保管するから、まだ今はそこで眠らさせておいてほしい!!」

ゼロ「それじゃあ、俺はやつが行っている異世界に行ってきます。

なので、何か用がありましたらいつものテレパシーでよろしくお願いします!」

???「ああ、OKだぜ!!

ゼロ、行ってらっしゃい!!

ゼロ「はい!行ってきます!!」

そう言ったとたんゼロは、すっと立ち上がり目をつむりその数秒後サッとゼロの体が一瞬で消えて行った。

ゼロがいなくなったあと、謎の人物が何か独り言を言っていた。

「ゼロには悪いが、お前はもう要らない!!

さてと、とりあえず今は高みの見物だな!!

キャキャキャッ、キャキャキャキャッ!!」

そのころ、ヒカルはまだ異次元空間の中を彷徨っていた

異次元空間の中は、くねくねとしていてヒカルの体もくねくねしていた。

空気がまったくなく、ヒカルは死ぬ寸前だった。

その時、ヒカルの首もとにかけてある母から貰ったお守りが突如赤く輝きだした。

その赤い輝きは、ヒカルの体を覆っていった。

赤い輝きが覆った瞬間、ヒカルの体のくねくねがピタッと止まり呼吸ができていた。

ヒカルの折れている右腕も、赤い輝きの力で少しずつ治っていく。

それから一時過ぎたころ、うす暗さの中から丸い光りが見えてきた

ヒカルはその丸い光りに、どんどん吸い寄せられるかのように進み、丸い光へと入っていった。

丸い光りに入った瞬間、なんとヒカルは空にいて急降下で落ちて行った。

ヒカルは、気を失ったままの状態で頭から地面に落ちようとしていた。

地面に落ちようとしたその時、ヒカルの首もとにかけているお守りからまた赤い輝きが飛びだして、その輝きが広がりヒカルは仰向けで空中に浮かびゆっくり地面に降りていった。

地面に降りた瞬間、お守りの輝きは徐々に消えて行った。

ヒカルがついた異世界は、ミドリが溢れて太陽がサンサンと照らし続ける森であった。

ヒカルは仰向けで、まだ気を失っていた。

一時たち、ヒカルのほっぺたをペロペロとなめて来る小さなある生物がいた。

ほっぺたをペロペロとなめる感触に気付き、目をゆっくり開くヒカル。

目を開くと、一瞬ぼやけて見えたから一度目をパッと閉じてもう一度開いてみた。

最初はぼやけていたが、だんだんぼやけはとれてしっかりと見えるようになった。

ヒカルは、自分のほっぺたをなめられている小さな生物を見ていた。

ヒカルはビックリして、急に飛び跳ね上半身だけ起き上がった。

謎の生物もビックリして素早い動きで木に隠れた。

ヒカルは、周りをキョロキョロと確認しながらこう叫んだ。

「こ、ここはいったいどこなんだぁ~!!」

                    つづく、


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